青春をクビになって の商品レビュー
218ページ 1600円 5月13日〜5月15日 何かを諦めるのも始めるのも若いにこしたことはないという感じだった。ズルズルと夢を追い続けるのがいいのか、諦めて違う道を模索するのがいいのか、答えは人それぞれ違う。少し刺さる内容だった。
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絶妙なタイトル、、いいトシして自分のことだけしか意識が向いてない夢追い人たちの厳しい現実、経済状況や心理状況が赤裸々に描かれていて、、、 ・・・私自身は、大人になることが当たり前だった最後の世代(?)で、30半ば過ぎても青春の終わらせ方がわからないとか、正直、いい加減にせーよクソ...
絶妙なタイトル、、いいトシして自分のことだけしか意識が向いてない夢追い人たちの厳しい現実、経済状況や心理状況が赤裸々に描かれていて、、、 ・・・私自身は、大人になることが当たり前だった最後の世代(?)で、30半ば過ぎても青春の終わらせ方がわからないとか、正直、いい加減にせーよクソ甘えてるよね、と切り捨ててしまいたい、と思うところもなきにしもあらず、とはいえ、子どもたちの世代をはたから見るに、今ってこうなんだよねー、理解を示さんといかんのかね、となんとなく日和ってしまう、、、 (我ながら、どんな立ち位置やねん⁉︎) 自由が認められ過ぎて、敢えて大人にならなくてもいいから、かえって悩み多いんかな? いや、ごめん、違う、私には、今のこの状態から離れたくない、クビにされたくないと思うまでに、のめり込んだものはなかった。だから、単純に30半ば過ぎてもぐだぐだ言ってる彼らが羨ましい、かな。 、、、なんかわからんけど星5つです。
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タイトルに惹かれて手に取った。内容は特別面白くもないけど、大学生時代に読めてよかったと思える一冊。章と間章のバランスがいい。全体的にやや重めだけど終わり方はくどさがなくて良い
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切ない小説だった。古事記が好きで大学院へ進み、35歳になって大学の非常勤講師のクチも途絶えた主人公・朝彦。10歳年が違う先輩・小柳の失踪もあり、研究者の夢をあきらめた同輩・栗山が立ち上げたレンタルフレンドの会社でのアルバイトでの経験を重ね、最後には研究者の道に区切りをつける。 自...
切ない小説だった。古事記が好きで大学院へ進み、35歳になって大学の非常勤講師のクチも途絶えた主人公・朝彦。10歳年が違う先輩・小柳の失踪もあり、研究者の夢をあきらめた同輩・栗山が立ち上げたレンタルフレンドの会社でのアルバイトでの経験を重ね、最後には研究者の道に区切りをつける。 自分が同じような道を歩んでいるわけじゃないけれど、何となく重なるような感じを覚えながら読んだ。小柳が亡くなっていたことがわかり衝動的に比婆山を訪れたときの部分をちょっと引用(p.210)。 ▽ここから 頭上で木の枝葉が歌うように鳴いた。半分になってしまった自分を再び満たすだけのものが、この世にあるのだろうか。満たされなくてもいいから、せめて補うくらいの何かがあるといい。 「好き」を道標に生きてきた。暗闇を進む灯火だった。この光のせいで生きていけないのだと気づいた。これを大事に抱えている限り、暗闇を歩み続けなければならない。消す日が来た。明りを消して、この真っ暗闇を出て行く日が来た。 それほどまでのものに出会えた人生は、幸せだった。たとえ、今はそう言い聞かせることしかできなかったとしても。 目を開ける。時刻は昼近くのはずだが、一瞬だけ空の色が朝焼けのように淡く揺らいだ。 朝。新しい日々の始まり。夜闇に迷う人が待ち望むもの。それが俺の名前の由来。だが、研究者の俺に朝は来ない。だから朝がある場所に歩いていく。 それは、悲しいことでしょうか。 小柳になのか、この場所に眠るイザナミになのか、イザナミを黄泉の国へと迎えに行ったイザナギになのか、古事記を愛し、研究し、脈々とそれを受け継いできた数多の研究者へなのか、朝彦は問いかけた。 △ここまで 狭い世界しか知らない若い頃にハマったものでその先を、たとえば就職先や業界を決めてしまうこと自分にもあった。いまそれが正解だっただろうかと考えると、何ともいえず……考えたくないって感じかな。自分の不遇と真正面から向き合うことになりそうで嫌だ。 朝彦は自分で選んだ道を進んできたわけだけど、最終的にその道を断ち切った。読み進めながら断ち切らず、また希望をもって道を究めるようなことにならないかと思ったけど、そんなあまいことにはならず、そしてそれこそが現実的でもあり、現代の小説でもあると思う。 あわせて思ったのは、思い切りどきのこと。いつか何者かになれるんじゃないかと未練たらたらやるあたりは自分の問題だけど、この小説でも栗山や小柳が果たせなかった夢を彼らの分も背負っていくような立場になっていて、それもおいそれとやめられない理由になるだろうなと思った。それから、けっこうな年齢になって新しいことに踏み出すのも怖いと思う。それくらいなら過酷ないまのままでいてしまう気持ちも自分はよくわかる。 それにしても読むだに、自己責任や他人を非難し自分の優越を保つような現代を感じるし、自分やこれからの世代に輝かしい未来がないことを突きつけられるようでなかなかつらい。ちょうど並行して藤子不二雄の自伝的作品「まんが道」を読んでいるんだけど、昭和20~30年代を舞台にした希望に満ちた感じと何と違うことだろう。 古事記の面白さにも触れることができた。なかでも古事記の時代には色って赤・青・白・黒しかなく、色の概念がそもそもできてなくてそれぞれ明るい、淡い、はっきりしている、暗いというものの状態を示す表現から転じたとされているとか。だからこの4つだけが、赤い、青い……と形容詞的にいわれるんだって!(p.126)
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研究者を志す若者たちの絶望。ポスドクはおろか生きることも閉ざされる。最後に夢を叶えましたって能天気な展開を拒絶し、学ぶ人々を支えられない諦念をしっかり描いている。力作だ。
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夢を追いかけることの意味を教えてくれる小説。 夢を追いかける続ける覚悟、夢を諦める勇気。 この2つの意味を理解していないと取り返しもつかないことになる。 ただ、好きなことやり続ける素晴らしさも教えてくれます。 そして、夢を諦める時、次の世代に何を残せるかも考えないといけない。...
夢を追いかけることの意味を教えてくれる小説。 夢を追いかける続ける覚悟、夢を諦める勇気。 この2つの意味を理解していないと取り返しもつかないことになる。 ただ、好きなことやり続ける素晴らしさも教えてくれます。 そして、夢を諦める時、次の世代に何を残せるかも考えないといけない。 夢を持つ責任と大切さ教えていただいた気がします。 自分の中で挑戦心がくすぐられました。 夢で悩んでいる方には、何かきっかけを得れる小説だと思います。
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青春小説を書いているのに、大体において登場人物があまり成功しない本を書く額賀さんですが、本作も大分苦くて重い。古典文学で大学院に進み、その先の人生の展望が見えず苦悩する若者の物語です。 日本は何かを突き詰めて研究して、年数を経た人に冷たいという事は知っていましたが、文学系となると...
青春小説を書いているのに、大体において登場人物があまり成功しない本を書く額賀さんですが、本作も大分苦くて重い。古典文学で大学院に進み、その先の人生の展望が見えず苦悩する若者の物語です。 日本は何かを突き詰めて研究して、年数を経た人に冷たいという事は知っていましたが、文学系となると僕が素人考えでもその先が無さそうだなと不安に思います。 そしてその不安はまさに現実のものに・・・。
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【332冊目】1987年生まれ、古事記の研究をしてきたポスドクの朝彦が非常勤講師先の雇い止めに。かつての研究仲間が立ち上げたレンタルフレンドでバイトする中で出会う人々とのやりとりと、研究室の10年上の先輩の失踪事件。この2つが軸になって物語が展開していきます。 研究者の友人が...
【332冊目】1987年生まれ、古事記の研究をしてきたポスドクの朝彦が非常勤講師先の雇い止めに。かつての研究仲間が立ち上げたレンタルフレンドでバイトする中で出会う人々とのやりとりと、研究室の10年上の先輩の失踪事件。この2つが軸になって物語が展開していきます。 研究者の友人がおり、かつてポスドクの苦しさを切々と訴えていたのでその苦しみが理解できるようにと思い、拝読しました。 お金がないことの苦しみ、 自分が好きなことをもぎ取られる痛み、 10年以上時間を費やしても報われない無力感、 別の道を選び成功者に見える友人への羨望と落胆 青春時代には、自分の行く道の先に同じように道が続いているとどこかで信じているものですよね。好きなことを夢中でやっているだけで無邪気な幸福感に浸れる毎日。 だけど、大人になって、生存と生計を賭けた日々の中で、「あ、自分の行く先には道がないや」と気付くときが来るんです。そして、内心傷付いているのに「生きていくためには仕方がない」「これが大人になるってこと」と、自分を慰めながら進路変更するんです。 本当はみんなもっと早くに青春をクビになっているんですが、主人公の朝彦は35歳になってやっと気付きました。 とはいえ、大企業に勤めていても35歳はキャリアの曲がり角。最近はクオーター・ライフ・クライシスなんて言葉もありますし。実はみんな「青春をクビ」になっていると思えば、この小説は中年以上の読者自身の物語かもしれません。 …そうか、だから身につまされる一節が随所にあったのか…
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瀬川は本当にすごく強い人でした。 人生における大きなイベントが重なってどうしようもないとなっていた時でも、前を向こうとする姿にすごく胸を打たれた。
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