青春をクビになって の商品レビュー
大学の非常勤講師の収入を得て、古事記の研究を続けている朝彦が講師の雇い止め宣告を受ける。同じ研究者の先輩は住むところもなくなり、貴重な資料を持って失踪。「大学の先生」でも非常勤講師の立場がいかに不安定なものなのか、日本の大学が研究者を使い捨て、コストを抑えて運営されているのかを改...
大学の非常勤講師の収入を得て、古事記の研究を続けている朝彦が講師の雇い止め宣告を受ける。同じ研究者の先輩は住むところもなくなり、貴重な資料を持って失踪。「大学の先生」でも非常勤講師の立場がいかに不安定なものなのか、日本の大学が研究者を使い捨て、コストを抑えて運営されているのかを改めて知った。就職氷河期に就活が重なった世代のストーリーもあり、シビアな内容だった。
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すごく辛い本だった。良い本と思うのでよけいに辛い。本当にこんな目に遭っている人がたくさんいるんだろうなと。主人公さんのラストが,そんなうまくいくことはないよというものではないことを心から祈る。
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悲しかった。日本の古典を研究することが、生きる糧を得る職業になり得ない。日本の大学はいったいどこに向かうのか?非常勤講師は派遣法という改悪法で5年で雇い止めされるのだ。大学の先生なんてなりたい人はいくらでもいるという理論なのだろう。この国の教育はどこに行くのだろうか。でも、社会の...
悲しかった。日本の古典を研究することが、生きる糧を得る職業になり得ない。日本の大学はいったいどこに向かうのか?非常勤講師は派遣法という改悪法で5年で雇い止めされるのだ。大学の先生なんてなりたい人はいくらでもいるという理論なのだろう。この国の教育はどこに行くのだろうか。でも、社会の仕組みに合わせなければ主人公は生きていけないのだ。正しく雇われて適正な賃金を得てほしいと願ってしまった。
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大学講師ってこんなに不安定な状況に置かれていたなんて知らなかった。優秀な研究者でも好きな研究を好きなだけ続けられるという訳には行かないんだな
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思った以上に素晴らしい作品だった。 でも、研究は、在野でだって出来る。その可能性は、忘れてはいけない。
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個人的には、SNSで個人を攻撃してしまう人の心理が少しだけわかったのがよかった。 自分がこういう人にならないようにすることが大切だし、世の中で成功とされていることや、経済的な物差し以外の価値基準を少しは持っておかないと、今の自分を肯定することは難しいのだと思った。 というよりも...
個人的には、SNSで個人を攻撃してしまう人の心理が少しだけわかったのがよかった。 自分がこういう人にならないようにすることが大切だし、世の中で成功とされていることや、経済的な物差し以外の価値基準を少しは持っておかないと、今の自分を肯定することは難しいのだと思った。 というよりも、今の世の中はそういう人が多いのではないか、潜在的にはみんな上を見て不満があるのではないかと思った。 上も見ず、下も見ずに、自分にできることをやっていきたいと思った。 あとは、きっちり調べていいポジションを取ることが大切だ、という趣旨の話をする場面では、メリトクラシーは現代で残っている最大の差別だという話を思い出した。 複雑な制度を賢く利用することが求められる現代社会はそれが行き過ぎていて、行きづらくなっているのではないかと思った。
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なかなかシビアな内容だった。 喉の奥が少し詰まって痛くなった。 真面目に努力して生きてても報われない。 失われた三十年というが、だからといって社会のせいにしたところで、国のせいにしたところで人生が変わるわけでもない。
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いまの日本、何か間違ってないか? 「青春をクビになって」を読み 思わず口にしてしまいそうだ。 学部生時代に四年、大学院を修士課程の二年、博士課程の三年 九年を研究室で過ごす。 ポストドクター・博士研究員。 それでも「その多くが非正規雇用」 契約を解除されれば「大学講師」という肩...
いまの日本、何か間違ってないか? 「青春をクビになって」を読み 思わず口にしてしまいそうだ。 学部生時代に四年、大学院を修士課程の二年、博士課程の三年 九年を研究室で過ごす。 ポストドクター・博士研究員。 それでも「その多くが非正規雇用」 契約を解除されれば「大学講師」という肩書きを失い ただの研究者となる。 P179 〈望んで乗り込んで、乗り続けたいと思っていた電車から 降りてしまった事実は拭い去れない〉 誰よりも勉強に励み研究に没頭して。 電車から降りようとも、生きていてほしい。 辛くて切ない。 やはり、何か間違ってないか? と、ため息を吐きたくなる。
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『レンタルフレンド』のサイドストーリーなのかな? 世代間の感覚の違いなども描かれていて興味深かった。
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無給のポストドクター(博士研究員)・瀬川朝彦35歳。大学講師を勤めながら古事記の研究を続けていたが、ある日「雇い止め」を告げられ、その後の“進む道”に悩む。そんな中、ゼミ時代の先輩(高齢ポスドク)が大学の貴重な史料を持ったまま行方不明になった、という事件が発生。朝彦が下した将来...
無給のポストドクター(博士研究員)・瀬川朝彦35歳。大学講師を勤めながら古事記の研究を続けていたが、ある日「雇い止め」を告げられ、その後の“進む道”に悩む。そんな中、ゼミ時代の先輩(高齢ポスドク)が大学の貴重な史料を持ったまま行方不明になった、という事件が発生。朝彦が下した将来に対する決断とは…。 五章構成の本文(朝彦目線)の他に先輩目線の間章がはさまり、物語は同時進行している(ように見える)が、最終章で明かされる真実は衝撃的。とても切なく感じられる作品だった。
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