推し、燃ゆ の商品レビュー
図書館の電子書籍版でレンタルして読んだ。1〜2年ほど前にヒットした作品でずっと読んでみたいと思っていた。 「推し」の存在に自分の居場所を求めている1人の少女のストーリー。 ずっと何をやってもダメ、周りから評価されない、劣等感に塗れた女の子が推しとの出会いにより、そこに一つの世界...
図書館の電子書籍版でレンタルして読んだ。1〜2年ほど前にヒットした作品でずっと読んでみたいと思っていた。 「推し」の存在に自分の居場所を求めている1人の少女のストーリー。 ずっと何をやってもダメ、周りから評価されない、劣等感に塗れた女の子が推しとの出会いにより、そこに一つの世界をつくりどんどんのめり込んでいった。 そもそも「推し」って好きであるだけではなく、現実逃避の世界の一つなんだなぁと実感。現実世界でうまくいってない時ほどその推しコミュニティで立ち位置をつくり、自分好みの世界をつくることに走り、推しに没頭していくのかなと感じた。
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推しは背骨、に共感 あかりは他の人とは違う物を持っているので、推しだけの、推しのための世界になっていたけど良くないと思った
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純文学を普段あまり読むことはなかったが、手にとって読んでみたら一気によみきってしまった。 著者の表現力はすごいと思う。 推しを推していく事、その事を背骨があるという表現に置き換えていきながら、ラストは四つん這いとは。。。 非常に的を得ている。
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みんな背骨となっているものがある。それが最近では「推し」みたいな不安定なものになっている人が多いのかな
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推しは推せるときに推せ!推しへの散財は貢ぎではなく、お布施。推しを推すのは私のため、推しの為など傲慢。がモットーの私には刺さる…。 主人公は推し活が生活の中心になりすぎて少しずつ壊れていく…。 推しがいる全ての方に読んで欲しい一冊。
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自分の一部がなくなった辛さやどうしようもなさが伝わる。最後自殺してしまうのかとハラハラしたけどそこまではいかないような絶望もしきれない感じがつらい。
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K-popオタクを長いことやっていた身からすると、分かるな〜ポイントは多かった。 生きづらさを抱えた主人公が推しによって救われている、その推しが推しじゃなくなる喪失みたいなものを描いています。 だけどね主人公の甘ったれな感じに思わず現実見ろ、甘えるな、と思いました。それも含めて高...
K-popオタクを長いことやっていた身からすると、分かるな〜ポイントは多かった。 生きづらさを抱えた主人公が推しによって救われている、その推しが推しじゃなくなる喪失みたいなものを描いています。 だけどね主人公の甘ったれな感じに思わず現実見ろ、甘えるな、と思いました。それも含めて高校生らしいですが。 自分の内面にばかり目を向けていて、あんまり他人の行動や心理を理解しようとしてない人、悲劇の主人公であるかのような人、いるよね、、、と思いました。
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推しの存在が、自身の存在意義になっていた主人公の話。 生活(バイト、友人との会話など)が推しで回っていて、その存在がいなくなった時、今までの生活がなくなる、楽しみがなくなる。それは辛いと思う。依存を一つに集中させてしまうのは良くないと思った。一つのことに依存するのではなく、自身が...
推しの存在が、自身の存在意義になっていた主人公の話。 生活(バイト、友人との会話など)が推しで回っていて、その存在がいなくなった時、今までの生活がなくなる、楽しみがなくなる。それは辛いと思う。依存を一つに集中させてしまうのは良くないと思った。一つのことに依存するのではなく、自身が楽しめる、熱中できる、熱中できなくてもリラックスできるようなことはたくさん作っていきたいな。
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芥川龍之介賞受賞作。冒頭行を読んで、読む気になった。 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。」 まるで「吾輩は猫である」のような出だしだ。 あの時見た光景、温度、音、空気、手触り。そういったものが記憶の隅に残り続けることはある。その描写が過...
芥川龍之介賞受賞作。冒頭行を読んで、読む気になった。 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。」 まるで「吾輩は猫である」のような出だしだ。 あの時見た光景、温度、音、空気、手触り。そういったものが記憶の隅に残り続けることはある。その描写が過剰に感じた。しかしそれを読むことによって、女子高校生である主人公のリアルな身体感覚を読者は共有できる。この本を特徴付けているのはその部分かもしれない。 その感覚が一般的なものかどうかはよくわからない。主人公は現実世界に居場所が希薄なマイノリティだ。その身体感覚故にマイノリティになったのかもしれない。 「自分で自分を支配するのには気力がいる」と書いた箇所も印象に残った。電車に乗っている人や待合室にいる人には、自分は何もしていないにも関わらず、何かをしている安心感がある。それは今の時代の、意思を持った主体性を強いられるしんどさの裏返しだ。 よくある物語なら、主人公が最後には主体的に現実と向き合うようなエンディングが用意されている。しかし、この小説は霧の中で終わる。わかりやすいカタルシスは得られない。テイストが少し「コンビニ人間」に似ているかもしれない。コンビニがあるから人でいられたのと同じように、推しがいたから形を保てていた。これからも彷徨い続けるのだろう。
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生きづらさを抱える主人公の女の子が、推しを解釈できているという傲慢さに気付かないまま突っ走って解釈違いに困惑しながら、あんなに推し無しでは生きられないって悶えてたのに結局日常を生きていくところが大変にリアルで面白かった。
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