それは誠 の商品レビュー
幼い時離婚と病気で両親を亡くした一人の学生がたった一人の血のつながったおじさんを探し求め修学旅行の日程に組み込む。「孤独」に対する希望を描いた書だ。「孤独」は自分自身の思い込みと行動の所為だ。だから孤独を解消する、乗り切るには何か一つでも他人よりもできることを一途にする事だと、思...
幼い時離婚と病気で両親を亡くした一人の学生がたった一人の血のつながったおじさんを探し求め修学旅行の日程に組み込む。「孤独」に対する希望を描いた書だ。「孤独」は自分自身の思い込みと行動の所為だ。だから孤独を解消する、乗り切るには何か一つでも他人よりもできることを一途にする事だと、思う。それが楽しくできるようになれば自ずと自信が生まれ、仲間にも褒め称えられていくはずだ。
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どこまで誠の文章を信用するかで、いろんな解釈ができる凄い作品だと思った。 個人的には、たぶん誠は何らかの言語障害を持っていて、現実ではうまく人とコミュニケーションを取れない子なのではと思った。だから、パソコンで文字を打ち込んで会話するシーンもそうだし、松との関わり方もそうだし、相...
どこまで誠の文章を信用するかで、いろんな解釈ができる凄い作品だと思った。 個人的には、たぶん誠は何らかの言語障害を持っていて、現実ではうまく人とコミュニケーションを取れない子なのではと思った。だから、パソコンで文字を打ち込んで会話するシーンもそうだし、松との関わり方もそうだし、相手を見て喋るシーンが極端に少なかったり、まさに「見つめ合うと素直におしゃべりできない」子なんだと思う。背伸びしてカッコいい事を言いたがる年頃の感じも、どこか現実での鬱屈した部分を書くことで発散させるため。という、そんな想像をしながら読んだ。
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男子高校生たちの修学旅行中の小冒険。冒頭の独白部分は読み進めるのになかなか体力がいるけど、いざ会話が始まると自然に各キャラクターが思い浮かび、グイグイと進んでいく。ひさしぶりに青春を過ごさせてもらった。
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初よみ、意外にもとてもよかった。比べるのもなんだが私としては「成瀬は~」よりずーっと好きである。過去長い入院生活でラジオを聴く楽しみを知ってから長年のラジオ愛好者なのだが特にNHKの朗読とラジオドラマは欠かさず聴いている。少し前にこの「それは誠」のドラマをやっていて50分の作品がよく出来ていて感動してしまったので原作を読んでみた。ドラマの方も原作のエッセンスをうまく生かしていたと改めて感心した次第である。まだ作品数が少ないのでとりあえず文庫になっているものから読んでみようと思う。 読もうと思って買った本もまだ手付かずなのにこうして枝葉が広がっていくのもまた楽し。
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独特の形容や喩えに慣れるまでは少し戸惑うけど、やっぱり乗代さんの小説は好き。蔵並君が「五時まで待てる」って言ってからの展開よ。おじさんに会えるか会えないかじゃなくて、3班が理解し合えていく過程が胸にきた。なんとなく日野に行きたくなってしまったじゃないか。あ、それから笑いのセンスも...
独特の形容や喩えに慣れるまでは少し戸惑うけど、やっぱり乗代さんの小説は好き。蔵並君が「五時まで待てる」って言ってからの展開よ。おじさんに会えるか会えないかじゃなくて、3班が理解し合えていく過程が胸にきた。なんとなく日野に行きたくなってしまったじゃないか。あ、それから笑いのセンスも合うのかもしれない。「ジャムおじさんみたいに言うな」ほか。
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ずっと青春が襲ってきて苦しくなる本だった。 あの時のどうにもならなくて、狭い社会でやりくりして、クラスメイトと仲良くなる瞬間。 クラス、ってすごく不思議で社会に出ると同い年の人と出会う方が珍しい。同じクラスにいるってだけで、一生話しかけなかった人と仲良くなる運命みたいな出来事のことを思い出した。読んでよかったー!と心から思える話。あとキャッチャーインザライも、読まず嫌いせずに頑張ろうかなと思えた。
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乗代雄介さんの作品は初読み。何かで紹介されているのを見て、ちょうど図書館にあったので読んでみた。 最初の2、3ページくらいが私には合わずとにかく読みづらくて読むのをやめようかとも思ったけれど、最後まで読んで良かった。 主人公、佐田くんの語り口調で物語は進んでいく。佐田くんが想いを寄せる小川さんの仕草やいろいろを細かく書いているところが少し『気持ち悪い』と思ってしまったけれど、でも恋をするってこういう事だよね。側から見れば気持ち悪いくらいに、本人には見えてるんだよね。と思うと、とたんに青春の甘酸っぱさを感じた。 男子メンバーが個性的で面白い。学校にいるだけならきっと深く関わらないであろう4人、初めはバラバラだったけれど何だかんだありながら徐々に変わっていく関係性も読んでいて面白かった。 おじさんに会えたあとのやりとりや、松くんのお母さんとの電話の場面でぐっとくるものがあった。 そして、最後まで『そう来るのかー!』と楽しませてもらった。 思いがけず面白くて感動できる本に出会えてとても満足。
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修学旅行を抜け出して親戚のおじさんに会いに行く話。 前半が読みづらいのは、ワザとなのかも知れない。後半一気に引き込まれて、自分も日野にいる気分でした。 斜に構えてる主人公が魅力的だし、周りの友達と打ち解けて行く様子が蒼くて、こそばゆく感じました。
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青春の光芒 影さすほどに 町に戻り その関係がそのまま続くわけではないとしても その時の彩りが失われることはないことを 私たちは知っている その瞬間を探り当てるための技巧的な書き方も、とてもそぐわしいものだと思った。
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話しは悪くないけれど、文体と 主人公の男の子の めんどくささの種類が苦手。 10代後半くらいだったら このタイプの子に魅力を感じたかもしれないけど 今だったら、言ってやりたい。 「素直に世界をみることは 恥ずかしくないんだよ」 と というわけで、 ライ麦畑とか、庄司薫とか ちょ...
話しは悪くないけれど、文体と 主人公の男の子の めんどくささの種類が苦手。 10代後半くらいだったら このタイプの子に魅力を感じたかもしれないけど 今だったら、言ってやりたい。 「素直に世界をみることは 恥ずかしくないんだよ」 と というわけで、 ライ麦畑とか、庄司薫とか ちょっと古いタイプの小説という感じがした。 好きな人は大好きなんだろうな 時代を問わず
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