それは誠 の商品レビュー
修学旅行の思い出を綴る誠の文章を通して 冒頭のただの文字の羅列だった7人の名前が、自分の友人の如く圧倒的に其々の色を持つようになる。書き手の筆力の凄まじさを感じるとともに、書く行為が自己と向き合う究極の手段となった誠の生い立ちの切実さを感じました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2023.7.12 読了 最初の方はなかなか読む手が進まなくて。。 でも、後半、特におじさんに会ったあとからがすごく良かった。これがエモいという感情なのかもしれない。小川楓ちゃんと両思いになれるといいね。
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Amazonの紹介より 第169回芥川賞候補作に選ばれた、いま最も期待を集める作家の最新中編小説。修学旅行で東京を訪れた高校生たちが、コースを外れた小さな冒険を試みる。その一日の、なにげない会話や出来事から、生の輝きが浮かび上がり、えも言われぬ感動がこみ上げる名編。 読んで...
Amazonの紹介より 第169回芥川賞候補作に選ばれた、いま最も期待を集める作家の最新中編小説。修学旅行で東京を訪れた高校生たちが、コースを外れた小さな冒険を試みる。その一日の、なにげない会話や出来事から、生の輝きが浮かび上がり、えも言われぬ感動がこみ上げる名編。 読んでいて最初に思ったことは、芥川賞候補作っぽくないなという印象でした。あまり文学的な表現を使わず、むしろ親しみやすい言葉の数々を使っているので、個人的には読みやすかったです。 修学旅行の合間に、ある目的のために、主人公たちは予定とは違った行動をとる冒険譚になっています。 全体的に青春小説なのですが、多く青春小説を読んでる身としては、少し物足りない印象でした。 みんな大いに、はしゃぐわけでもないですし、大きな盛り上がるような出来事が多く発生するわけではないので、個人的にそのような印象を受けました。 ただ、それはあくまでも小説としての面白さであるため、それよりも日常的な生活の中で垣間見える場面としての面白さが作品として際立っていました。それにより、より身近に感じる風景を切り取っているなと思いました。 修学旅行での班決めや計画、旅行中では班同士の会話など皆んなが経験したような光景が、小説としては淡々としている雰囲気なのですが、そこに生きる世界観としては日常的でリアルに映しとっている印象があり、絶妙だなと思いました。 また、修学旅行でのイレギュラーな行動をとる場面では、ハラハラ感やドキドキ感があって、冒険心をくすぐられました。大袈裟ですが、先生にバレずに色んなトリックや他の人を共犯者に仕立てたりと高校生たちの行動が面白く見えました。 こういったイレギュラーな行動が、後に大人になって印象に深く残るので、青春しているなと思いました。 果たして「目的」を果たすことができるのか? 個人的には、消化不良な部分もありましたが、当事者同士にしかわからない言葉や表現ああって、これはこれで良かったのかなと思いました。 物足りなさはありましたが、いかに日常的な光景が段々と心に沁み渡ってくるのか、この作品を通じて段々と感じてきた自分がいました。
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こういう冒険譚好きだ。 高校の修学旅行で東京に行くことになった、誠は ある人に逢いたくて、密かにある計画を自分の中で考えてた。その計画を班員とともに実行していく。教師たちには、バレずに日野市に住む叔父のもとへ。班員たちの絆に涙するし、叔父に逢いたいかった理由とは。第169回芥川賞...
こういう冒険譚好きだ。 高校の修学旅行で東京に行くことになった、誠は ある人に逢いたくて、密かにある計画を自分の中で考えてた。その計画を班員とともに実行していく。教師たちには、バレずに日野市に住む叔父のもとへ。班員たちの絆に涙するし、叔父に逢いたいかった理由とは。第169回芥川賞候補作となっている本作は、心に残る傑作となっています。
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スリルある冒険譚に緊張感が張り詰める場面もある中、青春真っ只中に感情の機微にほっこりと感動もさせられ、色んな感情が湧き出てきた。あくまで主人公が「書くこと」を通じて物語が語られる乗代雄介らしさも凄く良い味を出してして、余韻の残る読後感も爽やかで凄く心地よかった。名作。
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高校生のリアルな会話はずっと映画のワンシーンを見ているかのようだった。叔父に会えるのかという引きもあったり、蔵並が間に合うと主張するシーンはあたかも鉄道ミステリーに出てくる時刻表トリックの謎解きのようでもあり、純文学が苦手な人でも最後まで飽きずに読めるのではないだろうか。最後の列...
高校生のリアルな会話はずっと映画のワンシーンを見ているかのようだった。叔父に会えるのかという引きもあったり、蔵並が間に合うと主張するシーンはあたかも鉄道ミステリーに出てくる時刻表トリックの謎解きのようでもあり、純文学が苦手な人でも最後まで飽きずに読めるのではないだろうか。最後の列車内でもシーンは旅の終わりのホッとする気持ちもあいまって爽やかな感動がこみあげてきた。
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