ツユクサナツコの一生 コミックエッセイ の商品レビュー
ツユクサナツコの“一生”って……? “一生”って、大きなテーマだなと思っていましたが……最後まで読み進めると謎が解けました。そして、解けた瞬間の切なさ……。 自分が死んだあとのことを考えました。 自分が死んだあとなんて、自分はもうそこにはいないのに……。 自分の生きた証って、たく...
ツユクサナツコの“一生”って……? “一生”って、大きなテーマだなと思っていましたが……最後まで読み進めると謎が解けました。そして、解けた瞬間の切なさ……。 自分が死んだあとのことを考えました。 自分が死んだあとなんて、自分はもうそこにはいないのに……。 自分の生きた証って、たくさんのひとに見てもらいたいんじゃなくて……自分の大切な人に知ってもらえさえすれば、それでいいんだろうなあと思いました。 また読み返したい本がひとつ増えました。幸せなことです。
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大阪生まれ大阪育ち、コテコテの関西人である私は漫画のセリフが空気のように身体に馴染んだ。 ちょっとしたツッコミやボケなどの家族や同僚たちとの会話は私の通常モードそのもの。 ナツコが描く春子はコロナ禍のない世界に住むナツコのアバターだ。ナツコも春子も自分に似ていると多くの人が思うの...
大阪生まれ大阪育ち、コテコテの関西人である私は漫画のセリフが空気のように身体に馴染んだ。 ちょっとしたツッコミやボケなどの家族や同僚たちとの会話は私の通常モードそのもの。 ナツコが描く春子はコロナ禍のない世界に住むナツコのアバターだ。ナツコも春子も自分に似ていると多くの人が思うのではないだろうか。大事件が起こらない日常そのもの。 読み返すと視点が違ってくる。 1つ1つのセリフが沁みてくる。不思議だ。 お父さんが「アレ買うてきたで しょうがの天ぷら」って言うシーンに私の脳内にタンバリンが鳴り響いた! 関西人のソウルフードだ。食べたいっ! この先、ちょっとしんどいことがあってもナツコなら 「それ漫画にしたらおもろいで」って言ってくれそうだ。私も4コマ漫画描いてみようかな。(実のところたまに描いている)
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主人公たちの関西弁の台詞が心地よい! 好きな言葉 「わたしの心の中は誰にも決められへん 自分が好きや思うことは、一生、死ぬまで自分だけのもんや」
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「この世には茶化してはいけない背中がある」にとても共感した。そう思って踏みとどまったことがあるからだとおもう。 その瞬間を切りとってくれる嬉しさが、ナツコの冊子を読んでるバイト先の子に重なる。 コロナ禍の穏やかな日常からはじまり、ところどころに同年代のザワつきや切なさを感じながら...
「この世には茶化してはいけない背中がある」にとても共感した。そう思って踏みとどまったことがあるからだとおもう。 その瞬間を切りとってくれる嬉しさが、ナツコの冊子を読んでるバイト先の子に重なる。 コロナ禍の穏やかな日常からはじまり、ところどころに同年代のザワつきや切なさを感じながら、気づけば目頭が熱くなっていった。 これからもずっと本棚に置いて、ときどきナツコの一生を反芻しながら生きていきたい。
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初めは何気ない日常は尊いな〜くらいに思いながら読んでいた。ナツコがどんな人なのか物語が進むにつれ分かってくると、早く次の話が読みたい気持ちになった。 家族や自分のこれまでの生き方とこれからについて考えさせられる一冊になった。心にストックしておくべき一冊になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【日常は尊いなー】 ツユクサナツコさん、32歳実家暮らし、週6でドーナツ屋さんのバイトをされている、実はマンガ家さん。 何気ない日常の気づきがマンガに侵入して、そこからもう少し話が展開して、 ちょっとパラレルワールドみたいに。 『小説新潮』での2021.4~2022.12連載作品の書籍化だそうです。 コロナ禍での読者の支えになっていたんだろうなーと思いながら今読みました。 本当に不思議な時期だったなー。 無事過去になった自粛だけれども。 大学生活。 認知症。 親ガチャ。 独身のナツコさんにとってポジティブなニュース。 ナツコさんと父親の関係性の安定感。 亡き母。 器の大きさで根も木も決まる、 根が小さいと木も小さいまま、 なのでしょうか。 植木鉢の大きさが十分条件じゃないけど必要条件ってこと? なんか真剣に考えてしまった。 まず一旦、大きい器を用意することに集中します。 ちょっと親近感湧いてきたときに なんで一生が終わってしまうの。 そっか、そういうお話だったのか。 私たち人間も自然の一部。 無力というのか、それにしては有力というのか。 生きがいをなくしたという父に、ナツコさんの姉が反論してたシーン。 その人が生き生きと生き続けるか共倒れするか、 完全な第三者的には関係ないのかもしれないけれど、 じゃあそれでいいのかというと、 違う気がして、 ちょっとまたぼーっとしてしまった。 んー、 だからこそ、自分で自分を奮い立たせる必要があるのかも。 自分にしかできないこと、今ここで生きている自分が生き生きと生きること。
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決して新しいことをやっているわけではなく文章でも映像でもできそうなことを、それでもこの形でなければできないと思わせる何かがある。こうでなければ、こんなに心に沁みることはない。
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話題の漫画です。時々クスッとしたり、ナツコに共感したり。独特のテンポで進むマンガは私たちの、ありきたりで特別でない日常です。物語の中では主人公が描くマンガが入れ子になっていて、それが2重層のようになっています。 私もこんなふうに何もない日常を丁寧に生きていきたいです。
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第28回手塚治虫文化賞短編賞受賞作品。 読んだ人が口々に衝撃を受けたと言う本作。 展開を想像し、ある種の覚悟を持って読み進めた。 主人公は32歳・漫画家のナツコ。 昼はドーナツ店でアルバイトをし実家でお父さんと二人暮らし。 と、ここまではいつものミリさんの何気ない日常を描いた...
第28回手塚治虫文化賞短編賞受賞作品。 読んだ人が口々に衝撃を受けたと言う本作。 展開を想像し、ある種の覚悟を持って読み進めた。 主人公は32歳・漫画家のナツコ。 昼はドーナツ店でアルバイトをし実家でお父さんと二人暮らし。 と、ここまではいつものミリさんの何気ない日常を描いた物語と大差ない。 けれど行間から漂う死生観。 日々時間に追われ、その日のノルマを果たす事にばかり気持ちがいく余裕のない心に改めて気付かされる。 17話で衝撃を受け、最終話で涙が溢れた。 明日も生きている保証なんてない。 命は有限である事を突き付けられる。
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好きなものや人、仕事に囲まれてツユクサナツコさんは幸せな人生だっただろうな。 私も今の日常がなくなってしまうことが、急にとても怖くなってしまった。それは幸せだからなんだろうな。
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