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青瓜不動 の商品レビュー

4.3

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

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2023/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋変調百物語シリーズ9作目。 4つの物語があるけれど、恐ろしいあやかしが出てくる話もありつつも、ほっこり、じんわりと心が温かくなるような話が多かった気がする。 『だんだん人形』が富次郎ばりに一番ワクワクしたお話だった。最後の『針雨の里』も、事の真相がわかってくるうちになるほどそうだったのか、としんみりしてしまった。 表題の『青瓜不動』は、この時代の思想や価値観で幸せになれない女性たちが奮闘したり、いよいよおちかの出産が迫り富次郎が思いがけず活躍したり、連作の流れの中で要になる物語だとは思ったけれど、他も良かったからインパクトが薄くなったかも。 この本で、絵を描くことを一度はやめた富次郎が、早々にまた描きたいってなってる(おそらくまた描き始める?)くだりは大切な要素なのだろうか? なかなかいつまでも、どこか子どもっぽい富次郎が成長した、ということかな?

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2023/10/25

三島屋シリーズ第9弾。 4編の、短編というよりは中編集。 安定の面白さ。ちょっとページ数が多い気もするけど。 青瓜不動 行くあてのない女のための駆け込み場所になった庵。その瓜の畑から不動明王が出てくる。 おちかの出産との関係がちょっとよくわからなかったかな。 だんだん人形 ...

三島屋シリーズ第9弾。 4編の、短編というよりは中編集。 安定の面白さ。ちょっとページ数が多い気もするけど。 青瓜不動 行くあてのない女のための駆け込み場所になった庵。その瓜の畑から不動明王が出てくる。 おちかの出産との関係がちょっとよくわからなかったかな。 だんだん人形 決死の脱出劇は映画のよう。 生き残った娘が作った土人形。 最後に二世代ほど後の土人形に関する続きの話があった。 自在の筆 いつもとは違って黒白の間ではなく、たまたま聞くことになってしまった話。 このシリーズらしく人間の欲を魔物が狙った話が怖い。 針雨の里 孤児が集められた山里はなんと… その伏線がしっかりと語られているのはさすが。

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2023/11/06

待ちに待った続編、第九弾。 百物語の聞き手がおちかから三島屋の次男坊、富次郎になってから退屈した巻もあったけれど、八、九とますます面白くなっている。 中堅のお店の次男坊、というお気楽な立場というだけじゃなく、富次郎のもともと持っている資質が花開いていっているような気がする。 『...

待ちに待った続編、第九弾。 百物語の聞き手がおちかから三島屋の次男坊、富次郎になってから退屈した巻もあったけれど、八、九とますます面白くなっている。 中堅のお店の次男坊、というお気楽な立場というだけじゃなく、富次郎のもともと持っている資質が花開いていっているような気がする。 『青瓜不動』 最近読んだ『THE FIVE切り裂きジャックに殺されたのは誰か』でも感じたけれど、昔は女性がよほど虐げられていたなと怒りさえ覚える。嫁に行ったらいびられても耐えなくてはいけないし、子が出来なくてそれがたとえ男性側に原因があったとしても、当時はそんなこと考えもせず、子が出来ないのは女のせいと石女呼ばわり、追い出されてしまうし。でもよくよく考えたら現代だってさほど変わりはないのだ。 一途な気持ちで始めたことを周りの目を気にせず一心に突き進んでいると、共感してくれる人や手助けは必ずあらわれるものだ。 ハッピーエンドなのも良かった。 『だんだん人形』 いつの時代でも私腹を肥やすために民を蔑ろにし、高笑いをする役人はいるものだ。まるで現在の日本のようだ。重苦しい話だった。悲惨な話だった。けれど、「悪がどれほど幅をきかそうとも、善は滅びない。だんだん人形はその証だ」と言うように、非道で残酷な話だったけれど、その中で生き抜こうとする人の強さ、強い意思があって、それが救いだった。 『針雨の里』 胸に迫るようにせつない話だった。 人ではないが人の心を持つ化身たち。人以上に人を想うそれは確かな命。 この話は終わったが、続きがありそうで、次巻が楽しみ。

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2023/10/15

安定の面白さ。このシリーズ大好き。 おちかとは違う富次郎ならではの味が出てていい。 この中では風舞さんのお話がいい。切なくて泣ける。

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2023/10/15

ストーリーと違うところから言えば、今作はいつもよりかなり多めに挿絵があってよかったです。今回のお気に入りは『だんだん人形』前半は悲しいエピソードでしたが、後半の人形さまの活躍が痛快でした!第3話の物語は、珍しく黒白の間以外の場所で語られるストーリー。第4話では、黒白の間に戻ります...

ストーリーと違うところから言えば、今作はいつもよりかなり多めに挿絵があってよかったです。今回のお気に入りは『だんだん人形』前半は悲しいエピソードでしたが、後半の人形さまの活躍が痛快でした!第3話の物語は、珍しく黒白の間以外の場所で語られるストーリー。第4話では、黒白の間に戻りますが、やっぱりこのほうが落ち着くなぁと感じました。でも第3話の物語も、話は短めでしたが、人間の欲が現れたギュッと詰まったストーリーで、中身は濃かったです。今回も楽しく読めました^_^

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2023/10/14

毎回楽しみにしている三島屋のシリーズ。おちかさんの後を継ぐ富次郎さんの気持ちが愛おしく切ない。家族の一員の様に三島屋を応援している自分がいる。まずはおちかさん、おめでとう。

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2023/10/14

2023年発行、KADOKAWAの単行本。4編。1編を覗いて不思議が中心にあるのではなくて、本筋とは少しはずれたところに不思議があるお話。『自在の筆』は中心に不思議がある話だが怪奇談としては時々あるパターンのような気がして長くはならないだろう。他の話も「おそろしい」よりも江戸時代...

2023年発行、KADOKAWAの単行本。4編。1編を覗いて不思議が中心にあるのではなくて、本筋とは少しはずれたところに不思議があるお話。『自在の筆』は中心に不思議がある話だが怪奇談としては時々あるパターンのような気がして長くはならないだろう。他の話も「おそろしい」よりも江戸時代の庶民の暮らしの中の話という感じである。 収録作:『青瓜不動』、『だんだん人形』、『自在の筆』、『針雨の里』、他:『序』、初出:「公明新聞」にて2021年8月2日~2022年7月30日に連載されたものを加筆修正の上、単行本化、

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2023/10/12

三島屋変調百物語 第九弾。 私の“抱えている”数あるシリーズ物の中でも、とりわけ個人的にお気に入りの当シリーズ。 今回は四話構成(+序)となっております。 “変わり百物語”の二代目聞き手である、富次郎の兄・伊一郎が三島屋に戻り、早速商いの手腕を発揮して頼もしさを見せています。...

三島屋変調百物語 第九弾。 私の“抱えている”数あるシリーズ物の中でも、とりわけ個人的にお気に入りの当シリーズ。 今回は四話構成(+序)となっております。 “変わり百物語”の二代目聞き手である、富次郎の兄・伊一郎が三島屋に戻り、早速商いの手腕を発揮して頼もしさを見せています。 富次郎も店先でファッションショーのモデル(人台)をやらされるなど、伊一郎のお手伝いをしつつ、自身の今後の身の振り方を考えてしまう・・そんな悩める“小旦那”のもとにやってくる“語り手”達の物語とは・・。 安定のクオリティで、今回も不思議な物語の世界に浸らせて頂きました。 表題作の第一話「青瓜不動」では、行く当てのない女たちの駆け込み寺のような場所となった洞泉庵と彼女達を守護する不動明王“うりんぼ様”のお話で、富次郎も物語とリンクした夢の中で、畑の大量の“うりんぼ”達を大百足から助けることによって、おちかの安産祈願に繋がる展開となっております。 その甲斐あってか、おちかも無事に“小梅”(某一発屋芸人にあらずw)という可愛い女の赤ちゃんを出産して、いやぁよかったですね。おめでとうございます! 第二話「だんだん人形」は鬼畜のような悪代官によって悲惨な目にあった少女・おびんの作った土人形の不思議な物語でこちらも読み応えがありました。 この話の語り手・文三郎は富次郎と馬が合うようで、この後も富次郎の友人として再登場してほしいですね。 第三話「自在の筆」は話としては短いですが、内容が凄惨なので、こちらもインパクトありました。 これによって富次郎が絵師を断念するという決断をし、そんな心情で第四話「針雨の里」に進む流れです。 個人的にはこの「針雨の里」が物語として好みでした。孤児を引き取って貴重な鳥の羽毛と卵で生計を立てる、村全体が家族のような狭間村に引き取られた少年の成長と、その平和な暮らしが突如終わりを迎え、村人の正体が判明した時に、何とも言えない切なさと温かさが胸にみちてくる感じがしました。 ただ、この物語を聞いていた富次郎に“ある思い”がこみあげてきたところで、第四話自体が終わってしまうのが何だか唐突な印象を受けてしまいました。 あれからナナシ達がどうなったのか・・・語られていた“物語”が途中で終わった感があるのがちょっと残念でしたが、それだけ話にのめり込んでいたということですね。 次の巻では富次郎も決意も新たに、聞き手を務めることができそうですかね・・小梅ちゃんの成長と共に続きを楽しみにしております~。

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2023/10/09

三島屋変調百物語の九之続 味のある四話。 出産間近のおちかのために奮闘する一話。 とても切なくて泣ける二話。 富次郎の生き方を揺るがす三話。 温かい気持ちが残る四話。 どれもてとも良かった。 そして富次郎の今後の成長を応援したくなる様な読後感。

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2023/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋変調百物語第9弾。「青瓜不動」他所の父娘のありようみて自分の父の心をおもんぱかることができるようになったお奈津。黙って譲り合い、思いやり合いながら生きていくしかない。駆け込み寺だ。大百足は出産の難儀さでしょうか。おちかが無事出産できてよかった。「だんだん人形」復讐を守りにかえて人形にこめる。この世のどんなものよりも尊いのは人の念だ。けっして、勇気を失うな。「自在の筆」富次郎が描けなくなるくらい呪わしい。「針雨の里」風舞の化身が子を守っていたんだ。富次郎が筆を折らずに描きたい気持ちが出てきてよかった。

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