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あなたの燃える左手で の商品レビュー

3.5

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

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  4. 2つ

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2024/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直言って内容の3分の1ほどしか理解できていないと思う。 そもそも他人の手をそんな簡単に移植できるのもなのだろうか。 それも赤の他人で国すら違う人間のものを。 途中拒絶反応的なものが起きる場面があったが、 あくまでも精神的なものの影響というか、 自分の中での葛藤がありそこに打ち勝つことと 現実を直視することができるようになったことで収まったのか、 妻の死も自分の腕についても受け入れて生きていく。 …という解釈でいいのだろうか。 「日本人は寛容なようで実はとても閉鎖的」というのは 自分自身納得してしまい思わずフッと声がでてしまった。 ここだけは深く同意。 腕を移植されたことと国境のことや内戦のことがごっちゃになっていて これが理解できないというのはやはり私が島国育ち、 しかも平和な日本人だということが関係しているんだろうなと思った。

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2024/11/13

外国人の登場人物の訛りを関西弁など日本の訛りの表現に置き換えているのが面白かった。 現在の話と過去の話がバラバラに出てくるのに意味があったのを終盤で知る。すごい構成。 国境や領土について、日本で生まれ育った自分には思い至れなかった感覚が書いてありハッとさせられた。ウクライナのこと...

外国人の登場人物の訛りを関西弁など日本の訛りの表現に置き換えているのが面白かった。 現在の話と過去の話がバラバラに出てくるのに意味があったのを終盤で知る。すごい構成。 国境や領土について、日本で生まれ育った自分には思い至れなかった感覚が書いてありハッとさせられた。ウクライナのこともっとよく知りたいと思った。 以前に「植物少女」を読んだ時も感じていたが、この方の感情の描き方がすごく好きだ。登場人物が抱える複雑な感情が読者にストレートに伝わる感じ。文章がうまい……。

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2024/11/11

左手の移植をメタファーに、国の併合への苦しみを描いている。国境線のない日本人と常に領土争いに巻き込まれてきた東ヨーロッパの人々の意識の違いを肉体感覚の深い部分で抉ってくる。 最初の意識が朦朧した状態から、徐々に現状が明らかになるストーリー運びもうまい。妻への電話も埋められない喪失...

左手の移植をメタファーに、国の併合への苦しみを描いている。国境線のない日本人と常に領土争いに巻き込まれてきた東ヨーロッパの人々の意識の違いを肉体感覚の深い部分で抉ってくる。 最初の意識が朦朧した状態から、徐々に現状が明らかになるストーリー運びもうまい。妻への電話も埋められない喪失感として左手への幻肢痛とともに描かれてて、なんとも言えないもの悲しさを感じた。 読後感は良くないが、戦争や自国が奪われることの理不尽な不気味さを肌で感じることができるすごい作品だと思う。

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2024/11/06

ロシアのクリミア併合、並行してハンガリーによるウクライナ西部の制圧、実際起こり起こり得ることを、日頃からの西ヨーロッパ目線と対比して考えるチャンスとなった。

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2024/11/04

«左手の移植»に詰まった著者の平和への願い。島国に住む日本人の国民性や、この世界の現状を«左手»を中心に巡り描いた祈願と受け止めた。受け止めるだけで次への有益な行動に移れぬのがもどかしい。純文学はメッセージ性が強いから弱った現在の身にはキツイけれど、今作は150ページを越えた辺り...

«左手の移植»に詰まった著者の平和への願い。島国に住む日本人の国民性や、この世界の現状を«左手»を中心に巡り描いた祈願と受け止めた。受け止めるだけで次への有益な行動に移れぬのがもどかしい。純文学はメッセージ性が強いから弱った現在の身にはキツイけれど、今作は150ページを越えた辺りからのめり込んでしまった。ちょっとしたホラー要素はあるものの移植した左手と会話するファンタジーではない。そこは現実的。とても惹き付ける因子を持った作風。気になるなぁ。

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2024/10/29

紹介動画を見ておもしろそう!と思って読み始めたのですが、思ってたのと全然違いました… 恐らく私は戦争とか国際問題が苦手なようで、最後まで読むのは大変でした。

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2024/10/16

レビューが面白そうで読みましたが、思っていた作品と違い私には少し合わず難しかったです。 個人的にはかなり読みづらく読了にかなり苦戦しました。話も理解したようなしてないような… もう少し大人になってからリベンジしたいです。 他の方のレビューを拝見すると少しだけですが、この本が伝えた...

レビューが面白そうで読みましたが、思っていた作品と違い私には少し合わず難しかったです。 個人的にはかなり読みづらく読了にかなり苦戦しました。話も理解したようなしてないような… もう少し大人になってからリベンジしたいです。 他の方のレビューを拝見すると少しだけですが、この本が伝えたかった事が理解できた気がします

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2024/09/20

幻肢痛や新しい腕への拒絶反応が、失った大切な人の死を受け入れられない(現実の拒絶)や苦しみにも例えているように感じられた。非常におもしろかった。

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2024/09/12

すごい作品だと思いました。 楽しいかと言われると、楽しくはないけどすごい。 硬質で、ドライで、知的。遠藤周作とか、大江健三郎と似たものを感じました。それってものすごい。雰囲気に圧倒されて、ストーリーがどうこう言いたくならない。 これと『受け手のいない祈り』を読んだら結構違っていた...

すごい作品だと思いました。 楽しいかと言われると、楽しくはないけどすごい。 硬質で、ドライで、知的。遠藤周作とか、大江健三郎と似たものを感じました。それってものすごい。雰囲気に圧倒されて、ストーリーがどうこう言いたくならない。 これと『受け手のいない祈り』を読んだら結構違っていた。『受け手のいない祈り』は本作に比べると感情的に思える。作品によって色々変えているのかもしれない(共通しているのはやっぱり医療関係というのと、グロいというかナンセンスというか、ちょっと胸が悪くなるような気持ち悪いシーンが入れてくるということ…)。 デビュー作と芥川賞受賞作も気になる。

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2024/08/20

なかなか読むのが苦痛な感じのタイプの本でした。すごい力があるなという雰囲気だけは感じつつ。後に芥川賞作家になるけれど、この作品もそこに通じる雰囲気を持っているなと思った。 手の移植か…あまり自分ごととして考えたことがないテーマなだけに考えにふけりたくなるテーマではある。

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