食欲人 の商品レビュー
【良かった点】 ・人間は摂取する栄養をどのようにコントロールしているのか、という問いに多様なデータから丁寧に答えている。事例も多く、数値データの羅列は少なめで比較的理解しやすいのではないか。 ・研究が泥臭い作業の連続であるというエピソードを挟むことで、各データの重みも熱意も伝わ...
【良かった点】 ・人間は摂取する栄養をどのようにコントロールしているのか、という問いに多様なデータから丁寧に答えている。事例も多く、数値データの羅列は少なめで比較的理解しやすいのではないか。 ・研究が泥臭い作業の連続であるというエピソードを挟むことで、各データの重みも熱意も伝わる内容になっていた。 【微妙な点】 ・データに対してついている説明文に違和感があり、原文も本当にそうなのか?と思わされる部分が何箇所かあった。バッタはタンパク質欲が支配的という結論に、そこまでこのデータで言えるか?と思って数ページ読み返してしまった。 ・後半の健康への警鐘が長過ぎる。気持ちは分かるが前半との連続性が低いので説教にしか見えない。
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タンパク質とその他栄養素の関係や摂取比率という視点は初めて聞くものだったので、とても興味深く読むことができた。昆虫やら動物は、自然に摂取する栄養素を調整する能力を持っている。人間も本来は持っているものだが、様々な添加物を加えた超加工食品を生み出し、その機能が働かなくなってしまって...
タンパク質とその他栄養素の関係や摂取比率という視点は初めて聞くものだったので、とても興味深く読むことができた。昆虫やら動物は、自然に摂取する栄養素を調整する能力を持っている。人間も本来は持っているものだが、様々な添加物を加えた超加工食品を生み出し、その機能が働かなくなってしまっていることも学びだった。当然のことではあるが、これだけやっていればよい、というような健康法はなく、バランスの良い食事・適度な運動と睡眠といった基本的なことこそやはり大切だと実感した。 内容自体にケチをつけるつもりはないが、文章表現が非常に冗長で、読みにくいところが散見されるのでもっとシンプルだと良いなと思う。感覚的には、内容をそれほど削らなくても、文字数は半分か3分の1くらいにはなるのではないだろうか。あと日本版のタイトル、インパクト重視なのかもしれないが、ちょっと違和感があるのが少々残念。(読み終わるとわかる)
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「「タンパク質欲」を満たすまで私たちはとまらない。」という帯に惹かれて読んでみた。 様々な仮説を作り、いろいろな実験から膨大なデータを取得して検証し、論理的に分析するというサイクルを長年回し続ける姿には頭が下がった。 脂肪と炭水化物の摂取を制御する能力よりタンパク質欲が強いか...
「「タンパク質欲」を満たすまで私たちはとまらない。」という帯に惹かれて読んでみた。 様々な仮説を作り、いろいろな実験から膨大なデータを取得して検証し、論理的に分析するというサイクルを長年回し続ける姿には頭が下がった。 脂肪と炭水化物の摂取を制御する能力よりタンパク質欲が強いから食べ過ぎてしまうということは知らなかった。今回得た知識をダイエットに活かしたい。 <印象に残った点> ・ヒトはバッタ同様、ターゲット量のタンパク質を摂取することを優先させる。このターゲット量を達成するために、炭水化物と脂肪を過剰に摂取し、肥満のリスクを負っている。 ・「低タンパク質/高炭水化物食」で飼育されたハエが最も長生きした。「高タンパク質/低炭水化物食」は早死を招いた。タンパク質比率が高め(高すぎない)で炭水化物比率が低めの餌で飼育されたハエが、最も多くの卵を産んだ。 ・工業的に製造されたトランス脂肪が脂肪の中で最も危険。 ・自分の食環境を自分で管理し、食欲を活用するためのヒント ①自分の「タンパク質ターゲット」を理解する ②超加工食品を避ける ③高タンパク質食品を食べる ④繊維を食べる ⑤カロリー信奉をやめる ⑥空腹のときに食べる ⑦運動時は20〜30gタンパク質を摂る
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人間の食欲において食物栄養素に含まれるタンパク質の比率が重要であるという「タンパク質レバレッジ説」について知りたいならこの本を読んだらいい。 食欲人というタイトルはこのシリーズのために付けられたものだけど、Eat Like The Animalsというタイトルは原題で、本の内容...
人間の食欲において食物栄養素に含まれるタンパク質の比率が重要であるという「タンパク質レバレッジ説」について知りたいならこの本を読んだらいい。 食欲人というタイトルはこのシリーズのために付けられたものだけど、Eat Like The Animalsというタイトルは原題で、本の内容をよく表している。 参考文献と付録をPDFにしてWebサイト上に掲載していたりして、科学啓蒙書として広く読まれるにはこういった体裁のものもありなのかもしれないとおもった。
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生命を維持するために欠かせない食。食を科学的に分析し改善しするアプローチー提示する一冊。 昆虫、動物実験では本能的に食べたいものを食べることでバランスをとっている。しかし人間は超加工食により欲求に任せて食べると健康を害すること、故に健康を意識した食べ方を強いられている状況を認識で...
生命を維持するために欠かせない食。食を科学的に分析し改善しするアプローチー提示する一冊。 昆虫、動物実験では本能的に食べたいものを食べることでバランスをとっている。しかし人間は超加工食により欲求に任せて食べると健康を害すること、故に健康を意識した食べ方を強いられている状況を認識できた。 健全な体を保つにはタンパク質を年齢に応じて適性な摂取料を考慮して摂る必要性や、脂肪や炭水化物とのバランスを保つことの重要性を学べた。換言すれば超加工食品を極力避けた上で本能のまま食べると健康を維持できるとも解釈できるが現代の食品環境においては難しいとも感じる。 超加工食品を避け、タンパク質や食物繊維を積極的に取り、食べない時間を意識的に作るなどで健康を維持したい。
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昆虫から始まり科学的に食欲を解説しているので非常に面白い。 現代においてなぜ肥満が増えているのかも納得のいく理由だった。 タンパク質の適切な摂取がとても大事だと感じた。 タンパク質を適切に取ることで自分の食欲のコントロールもしやすくなることを学んだ。
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日本語のタイトルは絶対に変えた方が良いと思いますが、内容は非常に興味深いものでした。海外の学者の方々の35年に亘る研究成果ですが、分かりやすく面白く読むことができました。我々生き物の食がこの様な原理に支配されているとは全く思いもよらず、今まで健康のためとか、老化を防ぐとか、ダイエ...
日本語のタイトルは絶対に変えた方が良いと思いますが、内容は非常に興味深いものでした。海外の学者の方々の35年に亘る研究成果ですが、分かりやすく面白く読むことができました。我々生き物の食がこの様な原理に支配されているとは全く思いもよらず、今まで健康のためとか、老化を防ぐとか、ダイエットとか言っていたことは何だったのだろうとガックリしました。 これからは食欲を信じて、不健康なカロリー増加につながらない様な低タンパク質食を摂っていこうと思いますが、いったい何をどのくらい食べたら良いのでしょう。分からなくなってしまいました。今日のお昼に食べようと思っていたカレーパンはやっぱりダメでしょうか?プロテインは飲んで良いのでしょうか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少し前に話題になっていたので読んでみた。 35年以上の研究を経て、食欲の謎に迫った本。 結論から言うと、もっと早く読んで食生活を改善しておけばよかった。 本の9割はさまざまな事実の解明とそれに至ったあらゆる実験について書かれてあるので、途中で少し飽きてしまったけど、根拠を示すという意味では重要だし、科学的なアプローチに興味がある人には面白いのかも。 結論だけ見たい人は、最後の1割読めば実生活に活かせそう。 ★一番のポイント タンパク質は大事だけどとにかくたくさん摂ればいいというものではなく、ターゲットを決めて摂るのが大事。また、人生のフェーズによってターゲット分量も異なる。低タンパク・高カロリーな食事ばかりしていると、タンパク質欲を満たしたいがためにどんどん食べてしまってカロリー過多になる。 ★個人的なメモ ・タンパク質が乏しいカロリーが豊富な食環境では、ヒトはタンパク質の摂取ターゲットを達成しようとして、炭水化物と脂肪を過剰摂取する。だが高タンパク質食しか得られない場合は、炭水化物と脂肪を過剰摂取する。 ・子ども時代の食の嗜好は一生ついてまわり、そのまた子どもにも引き継がれる可能性がある。 ・子どもは「マーケティング担当者」の格好の餌食。ジャンクフードを親しみあるゲームやキャラクターと絡めて食べさせようとする。 ・タンパク質ターゲット:ハリス・ベネディクト法で一日のエネルギー必要量を計算→子ども・青少年は0.15、若年成人は0.18、妊婦・授乳婦は0.2、成人(30代)は0.17、中年(40-65歳)は0.15、老年(65歳超)は0.2を掛ける→その数値を4で割って、一日に摂取すべきタンパク質のグラム数を計算
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昆虫やイースト細胞、マウスや霊長類を長期・個体観察してわかったこと。生物はタンパク質・炭水化物・脂肪・ナトリウム・カルシウムの5種の比率が一定になるように食べている。高タンバクは繁殖に有利だが長生きしない。高炭水化物は長寿。工業製品となった超加工食品には高価な材料であるタンパク質...
昆虫やイースト細胞、マウスや霊長類を長期・個体観察してわかったこと。生物はタンパク質・炭水化物・脂肪・ナトリウム・カルシウムの5種の比率が一定になるように食べている。高タンバクは繁殖に有利だが長生きしない。高炭水化物は長寿。工業製品となった超加工食品には高価な材料であるタンパク質が少ないため、過食になっている。 食べる時には、タンパク質レバレッジ、と唱えなければなりませんね。
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バッタからヒトまで30年以上にわたる細かな気の遠くなるような実験ではあるが、ヒトの寿命からすればまだ短いのか。それでも核心をついているように思われる。興味深い内容だった。 手元にある食品の原材料名を見ればNOVA超加工食品群に特徴的な成分がしっかり書かれている。何をどう選択して食...
バッタからヒトまで30年以上にわたる細かな気の遠くなるような実験ではあるが、ヒトの寿命からすればまだ短いのか。それでも核心をついているように思われる。興味深い内容だった。 手元にある食品の原材料名を見ればNOVA超加工食品群に特徴的な成分がしっかり書かれている。何をどう選択して食べるかを問われている。
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