恐るべき太陽 の商品レビュー
美しいマルケサス諸島の風景とタナエの作る地元の美味しそうな料理がとても印象的。それと対照的な凄惨な殺人事件。伏線がありすぎてよく意味が分からず途中までは読みづらかったけど、2転3転する結末に最後までハラハラさせられた。ポリネシアンタトゥーの話やティキと呼ばれる彫像の話、ムルロア環...
美しいマルケサス諸島の風景とタナエの作る地元の美味しそうな料理がとても印象的。それと対照的な凄惨な殺人事件。伏線がありすぎてよく意味が分からず途中までは読みづらかったけど、2転3転する結末に最後までハラハラさせられた。ポリネシアンタトゥーの話やティキと呼ばれる彫像の話、ムルロア環礁での核実験の後遺症の話などもとても興味深かった。
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・あらすじ 南国のフランス領 マルケサス諸島にあるヒボオア島が舞台。 作家志望者の女性5名はフランスの有名小説家であるピエール=イヴ・フランソワ(PYF)が開催する創作セミナーに参加することになった。 「4日間のセミナー中何が起ころうと書き続けろ、全てを書き残せ」というPYFからの課題を忠実に実行する5名の女性たち。 そんな中過去にパリで起こった連続殺人との関わりが浮上し、またPYFは失踪してしまった。 大多数の応募の中から選ばれた5人の女性たちの思惑は? ・構成 一人称視点で書かれた5名それぞれの小説とその合間に参加者以外(外部)の人間の視点が差し込まれている。 ・感想 叙述ミステリーということは把握していたし、序盤のくどいほどの注意喚起、また「そして誰もいなくなった」という作品名が頻繁に出てくるから穿って読んでた…のにやっぱり騙された。 参加者5名の日記の合間にヤン(同行者、ある参加者の夫)とマイマ(同行者、ある参加者の娘)の日記なども入ることで物語の流れが分断され、違和感ありつつもこのトリックに気づきにくくさせててこれが超絶技巧かーーと思った。 個人的にはタトゥー彫師のこの土地の歩んできた歴史と軽率に消費される伝統、文化について語るシーンがとても興味深かった。 あとラストのヤンのロマンスはあまり必要なかったように思ったかな…。
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フランス領ポリネシア、ヒオビバ島のペンション「恐るべき太陽」荘で開催されている人気作家ピエール・イヴ・フランソワ(PYF)が講師の創作アトリエ(ワークショップ的なもの!?)。 そこに参加するのは公募から選ばれた5名の作家志望女性、プラス同行者2名(ある参加者の夫ヤン、また別の参加者の子どもマイマ)。 講師のPYFはアトリエの場で意味深な言葉を残したのち、姿を消す。 そこから始まる『そして誰もいなくなった』劇場(参加者が次々に、、、)。 ある参加者が滞在中の出来事を交えつつ書き記した作中作『海に流すわたしの瓶』、マイマの日記、ヤンの独白、3つの交互視点で語られる物語。 どうにも矛盾したり、噛み合わない描写があるくせにそれぞれが正直に語っているとも主張している。 と同時に何か後ろめたい秘密も隠し持っているようで信頼し切れない。 犠牲者が重なるに連れて、誰も彼もが怪しい疑心暗鬼な雰囲気の高まりが、すこぶるサスペンスフルで堪らない。 また、次々と出てくる疑問や不可解事象が積み上がってきて、途中ヤンとマイマがリストアップする場面では、おいおいこれの全てに納得の落ち着き先が提示できるのかい?と思ったほど。 果たしてどんな一枚絵が出来上がるのか。 最後は解説阿津川さんの言う、騙りのテクニックにまんまとやられた。 ちょっと雑だったり、無理矢理感あるとこもあるけど、ちゃんと全てを収束させているところにも感心。 ヒント(違和感)も出しつつ、やり過ごされるよう騙っているところがフェアだなぁとも。 作中、思いっきり『そし誰』に言及し、オマージュ感出している(し、孤島見立て連続殺人で想起させる部分は勿論ある)けど、どちらかと言うと『アクロイド殺し』の発展版。
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なんとなく怪しくて、途中何度もあれっ?となるけれど、まんまとミスリードに乗ってしまってました。 種と仕掛けが巧妙でした。
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2024年本格ミステリ10の海外部門1位の作品。そして誰もいなくなったを彷彿とさせる、孤島での連続殺人の話。作者のトリックに私はしっかり騙されました。やられたーという感じ。
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読み終わった。完全に騙された。でも、面白かった。とにかく、ストーリーの展開が上手いと感じた。例えば殺人事件が起こる度ごとに、又は何か大事な出来事が発覚する度ごとに1度、間をおく感じでページを変えたり*や太文字を入れたり、1行開けて完全に場面を変えたりして、興味が続くようにしている。また島の美しい風景を綺麗な文章で表現したかと思うと、鬱陶しいジャングルや泥道、不気味な石像ティキの描き方も上手いと思うし、とにかく表現力が豊かだなと思う。走って逃げる場面など、海外サスペンスドラマを見ているような感じさえなる。 本の紹介にアガサ・クリスティに挑戦とあったが、確かに本文中に何度も『そして誰もいなくなった』と言う有名な小説の題名が出てくる。でも、最初に『アクロイド殺人事件』に関する話が出ていたので、けっこう「注意して読んでいた」つもりだったのだが、見事に騙された。『そして誰もいなくなった』より『アクロイド殺人事件』に挑戦ではないだろうか。でも、「推理小説」はこうでなければ!と思う。いかに「上手く騙してくれるか」が、少なくても私には「面白い推理小説」の条件の1つ。読み終わって、何か爽快感があった。「いやぁ~!騙された、騙されたぁ~!」と。 ただ☆を4つにしたのは、19年前のレイプ殺人事件がより深くこの殺人事件と関わってくるのか、より複雑な様相を見せるのかと期待したのだが、そこまでではなかったので。
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メモを残しておらず、なぜこの作品を手に取ったのか忘れてしまった・・・あまり海外作品は積極的に自分で情報収集して読んだりはしないので、きっとブクログのユーザーさんのおすすめか、お気に入り書評家さんのおすすめなのだとは思うけど苦笑 アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」の...
メモを残しておらず、なぜこの作品を手に取ったのか忘れてしまった・・・あまり海外作品は積極的に自分で情報収集して読んだりはしないので、きっとブクログのユーザーさんのおすすめか、お気に入り書評家さんのおすすめなのだとは思うけど苦笑 アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品とのこと。 叙述ミステリー自体が読み慣れていないので、そもそも見破れるわけがないのだけど、、すっかり騙された。 トリックが分かってから読み返すと、そう言えば違和感たっぷりだったよな、と思い当たるのに!
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面白かったです。 謎が謎を呼び、もう謎だらけ!全員怪しい! 伏線が回収されていく時はスッキリしました。 しかし… 本の裏筋…書きすぎじゃないかな? 『叙述トリックの巨匠』だとか『クリスティへの挑戦作』だなんて…ネタバレだと思います(ノᗝ˂。)
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出版社が主催する南の島での人気作家との創作アトリエ参加当選者5名は違うタイプの美人揃い。しかし、皆、何かを隠している気配がある。パリ主任警部のファレイーヌだけが夫婦で訪れ、マリ=アンブルは娘連れ。作家、参加者五名、随伴2名、宿泊所オーナー、その娘二人。あとは庭師とタトゥー彫師が登...
出版社が主催する南の島での人気作家との創作アトリエ参加当選者5名は違うタイプの美人揃い。しかし、皆、何かを隠している気配がある。パリ主任警部のファレイーヌだけが夫婦で訪れ、マリ=アンブルは娘連れ。作家、参加者五名、随伴2名、宿泊所オーナー、その娘二人。あとは庭師とタトゥー彫師が登場人物。まず作家が行方不明に。そして一人ずつ殺されていき、残った人たちは疑心暗鬼に。警察も呼んですぐ来る環境ではない。生き残るのは誰?真犯人は?作家は生きているのか?ファレイーヌが追っていた事件の犯人はこの殺人と関係あるのか? この本、私はすごく相性悪かったです。読んでいて語り手がすぐわからなくなり、そこで寝落ち…。また読み始めてまた、あれ?これは誰?と寝落ち。ああ、もう海外ミステリー読むの止めようかな。 最後スッキリ終わるのが救いでした。 作家が当選者に迫ったりするのと殺人シーンありで、中学校以上。
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タイトルとあらすじに惹かれて読みはじめた作品。 物語の中で感じていた違和感、ミステリーをあまり読まないながらに私がたてていた仮説に近くとも遠からずな結末に大変満足した。 個人的には、この本を翻訳語として読むことに意味があるなと思った。
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