1,800円以上の注文で送料無料

52ヘルツのクジラたち の商品レビュー

4.3

1219件のお客様レビュー

  1. 5つ

    524

  2. 4つ

    455

  3. 3つ

    144

  4. 2つ

    28

  5. 1つ

    7

レビューを投稿

2023/06/10

町田そのこさん推しの友人から勧めてもらって読んだ。 社会的弱者や、マイノリティを52ヘルツのクジラに例えた柔らかいけど社会派の小説。 人は支えられ、支え合い生きているものだと実感。 人から与えてもらった優しさを、いつか自分が誰かに与えてあげられるようになりたいと思った。

Posted byブクログ

2023/06/09

ネグレクトや虐待、ヤングケアラーなど、若い人たちの一部が抱える闇や、セクシュアリティにスコープを当てた現代的なテーマの作品。 アンさんの存在は決定的だったけど、真に救いとなったのは、アンさんがいなくなった後もどこまでも共にいようとしてくれた美晴なのだと思う。

Posted byブクログ

2023/06/14

"何事も言葉にしなければ伝わらない"と世間一般に良く言われる。けれど発しているのに誰の耳にも届かない、そんな言葉もあるのかもしれない。もしそんな言葉を発するモノがいたなら、どれだけ辛い思いをすることだろう。ジレンマ、焦燥、孤独、虚しさ・・・。もしそんな言葉が届...

"何事も言葉にしなければ伝わらない"と世間一般に良く言われる。けれど発しているのに誰の耳にも届かない、そんな言葉もあるのかもしれない。もしそんな言葉を発するモノがいたなら、どれだけ辛い思いをすることだろう。ジレンマ、焦燥、孤独、虚しさ・・・。もしそんな言葉が届く相手が見つかったなら。 眼水率100%の物語。

Posted byブクログ

2023/06/10

この本の風景描写、海辺のこととか雨のこととか、風とか、最初の方結構繊細に描かれていたのが良かった。 52ヘルツのくじらのように、声に出しても誰にも気付かれない声とか、声にならない声にも、耳をすませて、それに気付いてそっと寄り添えるような人になりたいなぁ。自分に何か出来る凄...

この本の風景描写、海辺のこととか雨のこととか、風とか、最初の方結構繊細に描かれていたのが良かった。 52ヘルツのくじらのように、声に出しても誰にも気付かれない声とか、声にならない声にも、耳をすませて、それに気付いてそっと寄り添えるような人になりたいなぁ。自分に何か出来る凄い力とか無くても、誰かにとってちょっとでも支えになるような、あたたかさを持てる人にもなりたい。 人はそれぞれどんな人でも、どんな境遇にあっても色んな感情や背景を持っているんだろうなと思った、、

Posted byブクログ

2023/06/09

突っかかる所がなくするすると読めた。 美晴のしなやかで柔軟で強く優しい人間性にとても惹かれた。アンさんの優しさも心に沁みた。 虐待、トランスジェンダー、暴力、束縛モラハラ、自殺、ヤングケアラーと読んでいて自然と眉間にシワが寄ってしまうシーンが多くて、ここまで社会的に辛い要素を...

突っかかる所がなくするすると読めた。 美晴のしなやかで柔軟で強く優しい人間性にとても惹かれた。アンさんの優しさも心に沁みた。 虐待、トランスジェンダー、暴力、束縛モラハラ、自殺、ヤングケアラーと読んでいて自然と眉間にシワが寄ってしまうシーンが多くて、ここまで社会的に辛い要素を詰め込まなくても、、、という気持ちにもなった 希望あるラストでよかった。愛くんときこに幸あれ。 P263 水疱瘡やおたふく風邪と同じで小さな子供の内に覚えておかなきゃならんことを大きくなって知るのはものすごくしんどいものよ このフレーズが個人的に刺さった。自分も辛いことがあったけど、あれは子供の時に経験しておいて良かったと今は思えるから。

Posted byブクログ

2024/02/18

52ヘルツのクジラの存在をこの小説で初めて知った。 52ヘルツという高い周波数で鳴く世界で一頭のクジラ。このクジラの鳴き声は他のクジラが聞き取れないほど高い周波数のため、どんなに鳴いても仲間が近くにいても気づいてもらえない孤独のクジラだという。 何事にも期待しない、というスタン...

52ヘルツのクジラの存在をこの小説で初めて知った。 52ヘルツという高い周波数で鳴く世界で一頭のクジラ。このクジラの鳴き声は他のクジラが聞き取れないほど高い周波数のため、どんなに鳴いても仲間が近くにいても気づいてもらえない孤独のクジラだという。 何事にも期待しない、というスタンスで生きてきた私にとって、この小説内でキナコに対するアンさん、52に対するキナコのような全力で助けようとしてくれる姿はとてと心を動かされた。傷ついている人に手を差し伸べ、助けようとしてくれるのは“あの時こうして欲しかった、助けてほしかった”という自らの過去の経験があるからなのだろうか。 「52ヘルツの声」をあげる人はきっとこの世界にたくさんいるのだろう。でもそれに気づくことができるのは同じ「52ヘルツの声」をもつ傷ついた人たちや孤独な人たちだけかもしれない。ただ、自分はその声に気づけなくても、その人にとって“いい人”と思ってもらえるような存在になりたいと思う。

Posted byブクログ

2023/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私が近年読んだこのような作品ではどちらかが死んでしまうか、お互い離れてしまうかの2パターンでした。その点「52ヘルツのクジラたち」は貴瑚も愛くんも前向きで希望のあるラストで救われる思いでした。 ちょっとした温かい言葉で目が潤んでしまったりこれ以上傷つかないように最初から諦めている愛くんの仕草1つ1つに熱いものが込み上げてきました。

Posted byブクログ

2023/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

待望の文庫化。 家族から虐待を受けるキナコが、アンさんに助けられ、 そんなキナコが見つけた愛も、実は虐待されていることがわかり、今度はキナコが助け出す。 考えられないような虐待の仕打ちに思わず息を呑んだ。 本屋大賞なだけあって、誰もがサクサク読める小説だと思う。

Posted byブクログ

2023/06/08

これは、わたしだ。誰にも届かない52ヘルツの声だったんだ。​─────── 流れるように、主人公の視点で進んでいく。だからこそ、彼女の感情の動きや、波がダイレクトに伝わりました。自分と同じだろう孤独の匂いがする、少年と会い、自分と照らし合わせながら、奮闘する夏。 読んでいくごと...

これは、わたしだ。誰にも届かない52ヘルツの声だったんだ。​─────── 流れるように、主人公の視点で進んでいく。だからこそ、彼女の感情の動きや、波がダイレクトに伝わりました。自分と同じだろう孤独の匂いがする、少年と会い、自分と照らし合わせながら、奮闘する夏。 読んでいくごとに、胸が苦しくなる場面が何度もあって、涙腺があぶなかったです。それでも一気読みできるくらい、引き込まれます。 最後の最後で涙腺は崩壊しました。 あまり読まないジャンルですが、とても楽しめました!

Posted byブクログ

2023/06/08

小説っぽい小説で、刺さる人にはめっぽう刺さる作品だと思った。 これは生理的な部分だと思うので仕方ないが、アンさんのセリフ回しが、ちょっとお芝居のセリフっぽすぎて個人的に好みでなかった。が、その違和感みたいな部分も伏線になっていて「やられた!」感は気持ちよかった。もし映像化したらキ...

小説っぽい小説で、刺さる人にはめっぽう刺さる作品だと思った。 これは生理的な部分だと思うので仕方ないが、アンさんのセリフ回しが、ちょっとお芝居のセリフっぽすぎて個人的に好みでなかった。が、その違和感みたいな部分も伏線になっていて「やられた!」感は気持ちよかった。もし映像化したらキャストは誰だろうと考えを巡らせるのも楽しい重要人物。 他にも魅力的な人物が周りを固めていて、登場人物も多すぎず少なすぎず、良いお話でした。

Posted byブクログ