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52ヘルツのクジラたち 中公文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2023/05/25 |
| JAN | 9784122073708 |

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52ヘルツのクジラたち
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52ヘルツのクジラたち
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商品レビュー
4.3
1747件のお客様レビュー
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2021年「本屋大賞」を受賞した町田そのこ、初の長編小説。 SNSで著者の名前は時々お見かけしていたのだけれど今まで読んだことが無かった作者さんでした。「52ヘルツのクジラたち」はブクログのオススメに上がってきた作品です。フォロワーさんの感想を読んでみたら私も読んでみたくなりま...
2021年「本屋大賞」を受賞した町田そのこ、初の長編小説。 SNSで著者の名前は時々お見かけしていたのだけれど今まで読んだことが無かった作者さんでした。「52ヘルツのクジラたち」はブクログのオススメに上がってきた作品です。フォロワーさんの感想を読んでみたら私も読んでみたくなりました。 児童虐待・家庭内DV・介護・トランスジェンダー・毒親・家族の不理解などの社会的問題が盛り込んである作品とのことで、かなり及び腰で読み始めました。「重たい問題を一つずつ積んでいくようなストーリーだったらどうしよう……足の上に一つずつ積まれていくみたいに……」と心配していたのですが、そんな江戸時代の拷問みたいなことは無かったです。 むしろ、絡み合っている社会的問題をストーリーで追っていくうち、茫洋とした不安に見通しがつき、だんだん気持ちが解れていくような気分になっていきました。 フィクション小説らしく「現実、なかなかそうはいかないだろう」という部分は大いにあります。ストーリーが進むと問題が出てきて、その問題を解決する人物に主人公がうまい事行き当たったりするわけです。でもそれが「都合よく」とは思えないように、ちゃんと偶然出会うことができた奇跡として書かれていました。 悲惨さを積み重ねる書き方ではなく、小さな解決を重ね、細かに昇華していきます。話を前に進めよう、進めようという推進力が先を読ませる力になり、テーマは重いけれどぐいぐい読むことができました。 「52ヘルツの鯨」という鯨は本当に太平洋で泳いでいる鯨なんだそうです。ウィキペディアに音声データもあるのでその鳴き声が聞けます。普通、シロナガスクジラは10〜39ヘルツ、ナガスクジラは20ヘルツで鳴くけれど、この「52ヘルツの鯨」という個体は非常に珍しい52ヘルツという高音で鳴きます。 水中マイクの近くをたまたま通りかかった鯨が、その時だけちょっと高い声を出したという訳ではありません。この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、「世界でもっとも孤独な鯨」と言われています。他の鯨には高音すぎてその声が届かないのです。 この鯨は奇形であるか、あるいはシロナガスクジラとほかの種の鯨との混血であると推定されているそうです。 52ヘルツの鯨はこの物語における重要なモチーフです。声が周りに届きにくい人たち。 自分と全く違う境遇を生きてきた人間のことを理解することは難しい。そんなことは小説を読むまでもなく感じていることではあります。しかし、登場人物たちの事情が少しずつ開示されていき、少しずつ絶望していた状況から事情が動いていく様子を読んでいると自分の気持ちが上向きになっていくのを感じました。 52ヘルツの鯨は他の鯨には気がつかれない存在かもしれませんが、全く別の種族であるところの人間に声を録音され、存在を認識されています。それもまた希望を感じるモチーフだな、と思いました。
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本屋大賞でいつも気になっていた本。想像していた内容と違っていたのですが、とても奥の深い話で、すぐに引きこまれました。ストーリーには⭐︎5を付けたいのですが、虐待など心苦しい場面があって気持ちが暗くなったこともあり、⭐︎4にしました。
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