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52ヘルツのクジラたち の商品レビュー

4.3

1165件のお客様レビュー

  1. 5つ

    500

  2. 4つ

    437

  3. 3つ

    133

  4. 2つ

    28

  5. 1つ

    7

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2023/07/01

ずっと読みたかった本です。やっと文庫化したので、購入後、一気に読みました。 町田そのこさんらしい物語でした。クズみたいな酷い人間(言い方悪くてごめんなさい)のせいで、心に傷を追った主人公が、周りの人の優しさや励ましを受けて、最後は希望を持って生きようとする物語。 とても重い出...

ずっと読みたかった本です。やっと文庫化したので、購入後、一気に読みました。 町田そのこさんらしい物語でした。クズみたいな酷い人間(言い方悪くてごめんなさい)のせいで、心に傷を追った主人公が、周りの人の優しさや励ましを受けて、最後は希望を持って生きようとする物語。 とても重い出来事が続く中、美晴や村中の存在が、物語を少し明るくしてくれる。 特に美晴(とその彼の匠くん)はどうしてこんなに良い子なんだ。本気で心配して寄り添ってくれる友人がいることは、とって大きな救いになるなと。 アンさんもとても優しかった。主税とは対照的に、静かにあたたかくキコを見守る様子が、読んでいて少し切なかった。自分のことを本気で思ってくれる人、幸せにしてくれる人ってこんな感じなんだろうな…と漠然と思いました。 誰かにわかってもらうこと、共感してもらうことで、生きる希望が持てるんだなと改めて感じた作品でした。

Posted byブクログ

2023/07/01

52ヘルツで歌うクジラの声は他のクジラには届かないので孤独だ。この事を虐待されていることを誰にも言えない、伝えられない子供に例えている。 メインの登場人物はキナコとアンさん、そして愛。 読みながら、祖母の残した海沿いの家、その街並みが頭に浮かんで来ました。風景など読みながら想像出...

52ヘルツで歌うクジラの声は他のクジラには届かないので孤独だ。この事を虐待されていることを誰にも言えない、伝えられない子供に例えている。 メインの登場人物はキナコとアンさん、そして愛。 読みながら、祖母の残した海沿いの家、その街並みが頭に浮かんで来ました。風景など読みながら想像出来る作品は何だかイイです。 魂の番という特別な存在。 誰かの事を思い、支え寄りそう存在はやっぱり必要だなあ。 自分は誰かのそういう存在になれているといいなあ。

Posted byブクログ

2023/07/01
  • ネタバレ

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救われる側も救ってくれる側も、知らないだけでみんな52ヘルツのクジラなんだなって本を読んで感じました。みんな52ヘルツのクジラというか、いるのかも分からない自分の魂の番に向かって、それぞれの持つ周波数で叫んでる感じ。生きるってやっぱり難しいよね、だけど生きてるからこそ分かり合える仲間に出会えるんだよね、と。キナコが救われる側から救う側になった時にちゃんと「生きてる」を実感したのかなと思いました。私も優しさと愛を感じ、与えられる人間になりたいと思えるそんな作品でした。

Posted byブクログ

2023/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

誰にも届かない52ヘルツの声で歌うクジラ。 親から虐待を受けていたキナコと、ムシと名乗る少年も、52ヘルツの声をあげていました。 二人の声を聞いて、胸が苦しくなり、涙が出てきました。 52ヘルツのクジラの話は、切ないけれど勇気づけられて大好きです。 ただ、それぞれの登場人物たちの抱えるものが多すぎて、戸惑いました。 アンさんは強くて優しい人だったのに自殺してしまったのが信じられなくて、アンさんがトランスジェンダーだという真実も唐突に出てきたように感じてしまいました。 一人一人の声を、もっと深く聞いてみたかったです。

Posted byブクログ

2023/06/30
  • ネタバレ

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なんかもーずっと悲しい話だなぁ… 途中過去エピソードが結構長めに挿入されるので現代編のカタルシスがちょっと弱かったかもしれん。

Posted byブクログ

2023/06/30

52ヘルツの誰にも届かないクジラの声が届いたように貴瑚と愛が巡り合う。暗い闇と強烈な光がとてつもなく寂しく、そして優しい言葉で綴られている。優しくそして力強い描写でいつまでも余韻が残る一冊、浜松で乳児が焼かれる事件や神戸で6才の児童が殺害された事件など心が痛むことが多い世の中だけ...

52ヘルツの誰にも届かないクジラの声が届いたように貴瑚と愛が巡り合う。暗い闇と強烈な光がとてつもなく寂しく、そして優しい言葉で綴られている。優しくそして力強い描写でいつまでも余韻が残る一冊、浜松で乳児が焼かれる事件や神戸で6才の児童が殺害された事件など心が痛むことが多い世の中だけど、沢山の人に52ヘルツの声が届くようにと願いたい。

Posted byブクログ

2023/06/30

2023.6.21-6.29 (9日) 1年半前に図書館で予約した本がやっと届いた。その予約数に相応しい面白さだった。 声を発する。受け取る。愛を与える。受け取る。 人間も含め生き物である以上、他者との関わりは難しいもので、思うようにはいかない。小さな声に気付けた者が手を差し...

2023.6.21-6.29 (9日) 1年半前に図書館で予約した本がやっと届いた。その予約数に相応しい面白さだった。 声を発する。受け取る。愛を与える。受け取る。 人間も含め生き物である以上、他者との関わりは難しいもので、思うようにはいかない。小さな声に気付けた者が手を差し伸べるのが、優しい社会に近づく一歩だと思う。

Posted byブクログ

2023/06/29
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貴湖やアンさん、愛が52ヘルツのクジラであったように、この世界にどれだけの人がそうであるか 世の中には乗り越えることが多すぎる、、 運命の番に出会えた人は本当に幸せなんだなぁ

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2023/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。 貴瑚を救い出してくれたアンさん自身も、誰にも届けられない叫びをあげる52ヘルツのクジラであったように、きっとこの世界には52ヘルツの声を発している人がたくさんいる。そんな人たちに寄り添ってくれる小説だと思う。 誰しも孤独を感じることはあると思うけど、52ヘルツの声を聴いてくれる人にきっと出会えるし、自分も聴いてあげられる人になれる。貴瑚の人生を通して、そういう「希望」を感じることができた。 個人的には貴瑚のそばに美晴がいてくれて本当によかった。優しさに溢れながらも、冷静な視点も持っていて、彼女がいたことで前に進めた部分がたくさんあると思う。

Posted byブクログ

2023/06/29

貴瑚ちゃんに次々と降りかかる不幸。幸せを遠ざける何かがあるのではないかと勘ぐってしまう。貴瑚ちゃんの幸せを願っている人はいた。頼りにしている人もいた。つくづく人は一人で生きられない。貴瑚ちゃんは後悔する。他愛のない会話や真夜中の電話に隠されていた本音には気付かず、大きくてわかりや...

貴瑚ちゃんに次々と降りかかる不幸。幸せを遠ざける何かがあるのではないかと勘ぐってしまう。貴瑚ちゃんの幸せを願っている人はいた。頼りにしている人もいた。つくづく人は一人で生きられない。貴瑚ちゃんは後悔する。他愛のない会話や真夜中の電話に隠されていた本音には気付かず、大きくてわかりやすい声に向かっていってしまった。それが幸せを遠ざけていたのだろう。

Posted byブクログ