赤い月の香り の商品レビュー
調香師小川朔第2弾。前作の主人公若宮一香もちょっとだけ出演。 朔の世界に完全に溶け込んでいた一香と異なり、朝倉はナチュラルハーブや静謐な空間とは相容れず、洋館の中では異分子だ。切れやすく不安定、おまけに備品に手を出す朝倉。物語も全体に猥雑だ。不透明に赤く澱んでいて、底が見えない。...
調香師小川朔第2弾。前作の主人公若宮一香もちょっとだけ出演。 朔の世界に完全に溶け込んでいた一香と異なり、朝倉はナチュラルハーブや静謐な空間とは相容れず、洋館の中では異分子だ。切れやすく不安定、おまけに備品に手を出す朝倉。物語も全体に猥雑だ。不透明に赤く澱んでいて、底が見えない。 今作でも朔の作り出す特別な香りを求める人たちが登場する。いじめの過去に拘束され、今も逡巡する持田くんの求める香りは、彼の求める結果には繋がらなかったが、先へと踏み出すきっかけとなる。その後も洋館を訪れる持田くんと朝倉は直接接するようになり、持田くんは後に朝倉を救う。持田くんは作中では異色のとても良い人だ。 朔は朝倉を雇ったが、朔に彼を救おうとする気持ちがあったのだろうか。結果的に彼を過去の呪縛から解放することにはなるが、朔としてはただの好奇心でしかなかったのだろうか。 過去に向き合って赤い月から解き放たれた朝倉の今後が何となく不安ではある。持田くんもいるから大丈夫かな‥ ジャスミンの収穫のシーンがとても美しかった。 第3作が出るとのことで、その前に2作目を読んでおこうかなと思い手に取った。第3作は初めの物語のようなので、時系列的には今作が最後?なのだろうか
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「透明な夜の香り」の続編 一香さんに代わり「la senteur secrète」に 新しくやって来た若い男性、朝倉満。 飲食店で働いていた満はトラブルを起こし、 ちょうどその場所に居合わせた小川朔に 「この職場は君には合っていない」と言われ、 うちで働くといいと名刺を渡される...
「透明な夜の香り」の続編 一香さんに代わり「la senteur secrète」に 新しくやって来た若い男性、朝倉満。 飲食店で働いていた満はトラブルを起こし、 ちょうどその場所に居合わせた小川朔に 「この職場は君には合っていない」と言われ、 うちで働くといいと名刺を渡される。 前作からのメンバー、朔の相棒であり探偵の新城、源さん、前作の主人公である一香さんも今作に 登場。今回は前作の静謐な世界からうって変わり、 暴力、血、怒り、悲しみ、いじめ、親子間の確執といった人間臭く、生々しいテーマで物語が進んでいく。 それぞれの事情で、香りを求めて来る客たち。 嗅覚を無くした女性の話が印象的だった。 母親から暴力を振るわれてきた女性。母親は亡くなり、もういない。嗅覚を取り戻す香りを作って欲しいと依頼されるが、朔は不可能だと断る。今まで 「作れない香りはない」と言っていたはずなのに、 作れない香りがあるのだと驚く。天才調香師でも 実は完全ではない。彼の不完全な部分が少し垣間 見えて良かった。 どんな香りでも再現できる天才調香師。 相手の何もかもが分かり、深く相手と関わらない ようにしてきた朔が、盗みを働いた満を許し、 一香のために、逃げたくなった時に戻ってこられるよう避難場所として庭を作っておくという。 最後、正しい執着とは何かと問う満に、 赦しだと答える、朔。 深い言葉だなと思う。 朔の纏う香り、わたしも嗅いでみたい。
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前回のよりも朔さんは優しく 人間らしくなっているように感じました。 一香と出会ったからの変化でしょうか。 この本を読むと 花が咲いてたら香りを確認したり ハーブティーは飲む時に いつもより意識してみたり… 香りに対してフォーカスしてしまう。 私が欲しい香りは我が子の新生児期の...
前回のよりも朔さんは優しく 人間らしくなっているように感じました。 一香と出会ったからの変化でしょうか。 この本を読むと 花が咲いてたら香りを確認したり ハーブティーは飲む時に いつもより意識してみたり… 香りに対してフォーカスしてしまう。 私が欲しい香りは我が子の新生児期の 香りです。 あの一時期の香りを嗅ぎたい…
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今回も静かで穏やかな雰囲気が心地よかった。 丁寧な暮らしと穏やかな日々をベースに、時折生じる彼の心情の乱れ。 そして、最終章で今までの小さな違和感達が回収されつつ、 場面も物語もとても華やかに展開されて、とても素敵だった。 締めの余韻もとても綺麗だった。
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続編だけど、今回の主人公は一香ではなく新キャラ朝倉くん。 朝倉くんが雇用されたことにもわけがあったけど、なかなか情緒不安定な彼は読んでいてハラハラした。 朔と一香のその後が垣間見られたのは嬉しい。一香を第三者目線で見るのが新鮮。
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匂いの世界。 依頼人の希望に添いオーダーメイドの香りを調香する朔。 怒りなどの感情も匂いとして感じる彼のもとに、唯一無二の香りを求めてやってくる客たちとの物語。 とても静かな、香りが漂ってくる月夜の雰囲気があって好きかも。 これにつながる物語があるようなので読んでみたい。
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前作、透明な夜の香りから連作で読みました。 千早茜さんの作品は描写が丁寧で、わたしも草花の香にまみれたいといつも考えながら読み進めます。 前作とはまた違う主人公の目線から、調香師朔の身の回りで起こることが見られて面白い。 前作の主人公だった一香も登場する。 前作同様一香と朔の間に...
前作、透明な夜の香りから連作で読みました。 千早茜さんの作品は描写が丁寧で、わたしも草花の香にまみれたいといつも考えながら読み進めます。 前作とはまた違う主人公の目線から、調香師朔の身の回りで起こることが見られて面白い。 前作の主人公だった一香も登場する。 前作同様一香と朔の間には彼らの独特な恋愛とも違う距離感で描かれている。 私の個人的に好きな花、ジャスミンに焦点が当たっている場面が夜の闇の中、白い花から芳醇な香りが流れてくる様が想像して綺麗だなと思った。(夜に咲くのは初めて知りました⋯) 朔の幼少期のことが少しずつ見えてきた。今年4月に次作の燻る骨の香りが出版されるようなのでまた引き続き読んでみたい。
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続編が出ていたのを知って飛びつきました! やっぱり雰囲気が好き。…とはいえ、今回の主人公は最初の作品と違う人物の満。なんだか1作目よりは少し生々しい感じがした。でもずっと気になっていた一香と朔の柔らかな関係も覗き見ることができて嬉しかった。新城は相変わらず可愛かった。 次回作が近...
続編が出ていたのを知って飛びつきました! やっぱり雰囲気が好き。…とはいえ、今回の主人公は最初の作品と違う人物の満。なんだか1作目よりは少し生々しい感じがした。でもずっと気になっていた一香と朔の柔らかな関係も覗き見ることができて嬉しかった。新城は相変わらず可愛かった。 次回作が近々と知って楽しみです!!
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天才調香師は、人の欲望を「香り」に変える―― 特に、一香が度々、登場してくれたことが嬉しい! 実際に、私も、調香師・小川に、石鹸、シャンプー、化粧水とか。 全部提供してもらいたいなぁと思った。 本作は、すべての章のタイトルに「Moon」がついている。 タイトルのオシャレだなぁと感じた! 表紙の美しさにいつ見ても、惚れ惚れしてしまう♡ 「香り」シリーズ最終作 『燻る骨の香り』が来月発売ですね! 次作は、調香師・小川の20代の頃を描いた前日譚ということで今から発売が楽しみ。 最終巻発売に先駆けて、「香り」シリーズ2作を読んでみませんか…?
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前回に引き続きとても魅力的な物語でした。 朝倉くんとの話かと思いきや、一香さんも出てきて小川さんとの関係性も分かって...胸が少し痛くなる場面もありましたが、やさしく寄り添うとはまた違った物語のかたちがあるのではないかと感じました。 読み終わったあとはなんだかふわふわしている気分になれる本でした。
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