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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2023/04/26 |
JAN | 9784087718324 |
- 書籍
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赤い月の香り
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赤い月の香り
¥1,760
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商品レビュー
3.9
231件のお客様レビュー
「透明な夜の香り」の続編と言える内容。一連の繋がりはあるものの、前作とは独立した形で満足度の高い一冊。表現描写の細部にいき届く丁寧さと、話しの流れを保ちつつも一定のスピードの展開性があり、全体を通しては爽やかな読後感を感じた。押し付けを感じない程度の教養も得られるお勧めの一冊。
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千早さんの文章は、綺麗で、静かで、ちょっと硬い この作品では静かなのに動きを感じた 香りに翻弄されていく 香りが全くしない世界と、感じすぎてしまう世界 どっちも生きずらいものですね 前作は青 今回は赤 色からも香りがしそうです どちらの作品も読んだことにより私も香りに捕...
千早さんの文章は、綺麗で、静かで、ちょっと硬い この作品では静かなのに動きを感じた 香りに翻弄されていく 香りが全くしない世界と、感じすぎてしまう世界 どっちも生きずらいものですね 前作は青 今回は赤 色からも香りがしそうです どちらの作品も読んだことにより私も香りに捕らわれた感じがします
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「透明な夜の香り」続編。 舞台は同じく、香りを生み出す天才調香師・小川朔が住む屋敷。 人間関係の構成も基本的に同じだけど、前作で家事手伝いだった若宮一香はべつのフェーズに移り、新たにカフェ店員だった朝倉満がとあるきっかけから屋敷の家事手伝いとなるところから物語が始まる。 今作も...
「透明な夜の香り」続編。 舞台は同じく、香りを生み出す天才調香師・小川朔が住む屋敷。 人間関係の構成も基本的に同じだけど、前作で家事手伝いだった若宮一香はべつのフェーズに移り、新たにカフェ店員だった朝倉満がとあるきっかけから屋敷の家事手伝いとなるところから物語が始まる。 今作も香りの世界を堪能できる。 とくに終盤あたり、夜に咲くジャスミンを摘む場面は光景が浮かぶようでひどく美しい。 ジャスミンの白、森の緑、月の赤、闇の黒など、目に映るような色の描写も、この小説の美しさや透明感を引き立てる要素になっている。 香りの依頼は相変わらず独特で、「小学校の教室の香り」の依頼の章では、依頼者がそれを頼んだ理由の意外さに、思いがけない人間の執着を感じた。 執着が向かうのは愛とは限らず、恨みや憎しみもあるということ。 いずれにしても、何の香りとはっきり言えない、さまざまなものが混ざり合う香りに人は郷愁を感じるのかもしれない。 朝倉はとある重い秘密を抱えていて、それが朔とも重なる。 朝倉の闇は「赤い月」と関連していて、最後少しだけその闇の出口が見えかけたとき、朝倉は「正しい執着の仕方」について朔に訊ねる。 それに対する朔の答えが秀逸というか、私も深く納得してしまった。 正しい執着は、いつかはフラットな思い出に変わっていくのだろう、ということを思った。
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