正欲 の商品レビュー
多様性の真実。
近年、言われている多様性についてメスを入れた小説でした。それを物語で読者に考えさせる仕掛けがとても面白かった。
多様性を受け入れるって…正解があるんでしょうか?自分で考えるきっかけをくれた小説でした。
猫のひげ
最近の生きづらさをうまく表現している。 ただそれぞれの人物について、その後は想像してください、という感じ。読者任せ感が私はあまり好きではなかった。
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世の中の正しさとはなんだろう 人はこうであることが当たり前と 誰もが同じように思っているはずがない 本当の多様性とはなんだろう 吉道と、夏月はただ 「明日死なないこと」 を心に生きづらい世の中を なんとか生きている なんだか考えてしまう 難しい課題を与えられたような 複雑な気...
世の中の正しさとはなんだろう 人はこうであることが当たり前と 誰もが同じように思っているはずがない 本当の多様性とはなんだろう 吉道と、夏月はただ 「明日死なないこと」 を心に生きづらい世の中を なんとか生きている なんだか考えてしまう 難しい課題を与えられたような 複雑な気分を残して読了
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自分なりの答えとしては「生き物としての人間」 まず感想としての一言としては、「深くて重い」 そして、面白かった一冊。 主人公の夏月は、異性や同性に感じるような性欲とは別のものに興奮するという性癖を抱えている。 夏月と相反する代表として描かれているのが、検事の啓喜。彼は所謂多様...
自分なりの答えとしては「生き物としての人間」 まず感想としての一言としては、「深くて重い」 そして、面白かった一冊。 主人公の夏月は、異性や同性に感じるような性欲とは別のものに興奮するという性癖を抱えている。 夏月と相反する代表として描かれているのが、検事の啓喜。彼は所謂多様性を自分の範疇でしか理解出来ない。 夏月は自分を異端だと考え、その生きづらさ、対する多様性の本質的な理解が物語りの主軸となっている。 それに対する感想はさておき、、、 3人の子供の父親である自分が気になったのは、啓喜の息子への対応である。啓喜の息子が登校を拒否し、啓喜に 「どうして学校に行かなければならないの?」 と問いかけ、その答えが 「普通の道を外れると碌なことにならない。お父さんはそういう人達をいっぱい見てきたんだ。」 では、息子は納得がいかないだろう。私の子供達に説明しても、同じく納得しないだろう。 つい考え込んでしまった。私なら子供達になんと説明するか? その答えが冒頭の「生き物としての人間」である。 多くの生き物が群れを作る。ライオンは捕食の為、シマウマはそれを逃れる為、魚などもそうだろう。 人間も同じであろう。大きな建物を建てる為、効率よく食物を作る為、群れる。 そこにはコミュニケーションは必要だし、その為にも学校というものはあるのだと思う。 学校に必ずしも通う必要は、私も無いと思う。 だが、学校という目的の一つであるコミュニケーション能力の醸成というのはどこかで必要だよ、と私なら自分の子供達には伝える。 まあ、こういう架空の登場人物になれる、というのは、本の醍醐味だよな〜、と思いつつ、読書する自分に満足したりして。
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初朝井リョウ。 読む前の自分には戻れないってこういうことか。 少しズレるかもしれないけれど、流浪の月みたいに、ニュースとかネット記事とかに書かれている犯罪のニュースって実際真実や思いは全く別のところにあるのかなと思った。もちろん矢田部の事例は犯罪なのだが。 作中の八重子に嫌悪感を抱いたが、私も日常で"私は理解ありますよ"みたいな態度、実際とってはないだろうか、八重子と同じムーブをしていないと言えるだろうかとギクリとした。 大学3年生の時セブに留学に行って、さまざまな価値観に触れて、自分は狭い価値観の中で生きてきたんだなと痛烈に思った記憶があるが同性愛や小児性愛だけでなくさらに物質に対してとか正直知らない世界であった。私は異性と恋愛し結婚もし、マジョリティ側なのだろう。こう思ってしまうのは傲慢なのかもしれない。ではどうしたらこういう人たちは救われるのだろうか。こう考えることは正欲を振りかざしているだけの偽善者なのかもしれない。今の想いをすごく言い表すのが難しい。でも確実に考えさせられる一冊であった。
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人には人の苦しみがあるってことを思い出すお話だった。色々な面であまりマジョリティを感じたことがないけど、死にたいと感じることは多々ある。 明日生きていたい人達の為の世の中だなぁとは確かに感じた。 何も考えずに安くなって居るものを買ったりするけど、それが明日生きていくための選択なの...
人には人の苦しみがあるってことを思い出すお話だった。色々な面であまりマジョリティを感じたことがないけど、死にたいと感じることは多々ある。 明日生きていたい人達の為の世の中だなぁとは確かに感じた。 何も考えずに安くなって居るものを買ったりするけど、それが明日生きていくための選択なのかなぁとか、そっち方面に思うところがあって色々考えるお話だった。 多様性になりつつあるだけでLGBTに対しても完璧ではないしもっと少数派の人達には、そりゃ優しくない世の中だよなぁと感じた。 でも資本主義である以上多数派に便乗する方が利益が生まれやすいし、社会主義である以上ある程度型にはめ込まないと、最大多数の幸福は守れないよなぁと感じる。 冷酷かもしれないけど、そんな風に感じてしまった。 自分がまだマイノリティ側に居られるからかな、、。 あとは割と新しいお話なのにやっぱりいい歳で結婚してないってデメリットになりうるんだなぁ、、。 また数年後とか、自分がマジョリティ側になった時読んでみたいな。
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凄く長く感じた本。 セリフとセリフの間に1行挟まないといけないルールでもあるのかと思った。 朝井リョウさんらしく、SNSなど流行りを取り入れた作品だった。 性的少数者の人達が生き辛さを抱えながらも、同じ性癖を持つ者同士で繋がりを持とうとした先に起こる事件の前後を、様々な立場の人物の視点から見るストーリーだったが、どの登場人物にもあまり感情移入できなかった。 別に異常性癖の人がおかしいと思わないが、性癖一つでこんなにも社会からはみ出していると感じる状態になるのか?という疑問が終始あった。 異性が好きなフリして下ネタを適当に受け流す人、世間の目が気になるからとりあえず結婚する人なんて世の中にたくさんいると思うが、対象が人間ではないからなのか、登場人物があまりにも自身の性癖を異常だと思い込みすぎではないかと思った。 結局、最悪の結果になってしまったが、性癖に悩みを抱えていたキャラたちは、八重子の言う通り、SNSででも何ででも周囲ともっと語り合うべきだった気がする。 あと、もっと趣味とか仕事を中心に生きるべきだとも思う。 作品のテーマだから仕方ないかもだが、あまりにも性欲が生活の中心にありすぎる生き方をしてる人ばかりに感じた。 会社やサークルの人たちとの交流は、別に普通の性癖の人も嫌々でも参加して「自分はこのグループに属していきます」って表明するための場だと私は思っていて、それに属そうともせず「自分は異常性癖で辛い…」みたいに思い込んでるって登場人物たちはあまりに同情しづらい。 むしろ、どれだけ社会が多様性に寛容になっても、啓喜みたいな考え方の人が一定数いないと社会は回らないのではと思った。 これからも生き辛い人のことを分かったフリしないで生きていこうと再確認できた作品だった。
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正しい欲で「正欲」。 目から鱗が落ちる話だった。 この話で言えば、自分の正欲は日々や社会の流れの中に存在していて、それだけで大きなものに肯定されているんだと知った。 この世には自分の想像に及ばない正欲や性癖があり、LGBTなんて他者が想像できる多様性の一つでしかないことに衝撃をう...
正しい欲で「正欲」。 目から鱗が落ちる話だった。 この話で言えば、自分の正欲は日々や社会の流れの中に存在していて、それだけで大きなものに肯定されているんだと知った。 この世には自分の想像に及ばない正欲や性癖があり、LGBTなんて他者が想像できる多様性の一つでしかないことに衝撃をうけた。 そんな社会でネットは肯定してくれる希少な存在を探して繋がることができる一方、犯罪に繋がるリスクも多く、規制する側が思う性的なことしか規制されない。 理解されることをすっかり諦めてしまっている人々が楽しく生きるにはどうしたらいいんだろう。 お互いに自分の正欲に基づく狭い視野で生きていることをまずは理解したいし、この本を多くの人が読んだらいいなと思う。
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人には勧めにくいけれども心が揺さぶられた良い本だった。知らず知らずのうちに他人に自分の正欲を押し付け、傷付けてしまっていたかもしれないと思った。
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初めての朝井リョウさん。 難しかったなぁ どの感情も違う気がしてしまう… そういうことじゃないってまた否定されそうな気がする…
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