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正欲 の商品レビュー

4.2

1391件のお客様レビュー

  1. 5つ

    540

  2. 4つ

    524

  3. 3つ

    191

  4. 2つ

    37

  5. 1つ

    19

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2024/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人はひとりでは生きられない。誰もひとりでいないといいね。 「水」をテーマにしていることと、「そのまともには輪郭すらないのに。」という言葉選びの関係が朝井さんっぽい気がして、良い

Posted byブクログ

2024/09/25

私には無理でした 今までたくさんの書籍を読んできました この本はなかなかに特殊であり、私には「無理」でした 批判はしません 「私には合わないな」という感想自体が、この本を読んだ意味があるものだからです ……と書いても意味がわからないかもしれません

Posted byブクログ

2024/09/25

今更ながら朝井さんの作品を初読み。別に避けていた理由はなくなんとなく。 問題作品だ。 自分も少数派の人間だと思っていたが、まだまだ人間というのは奥が深い。 明日死にたくない。そんな事を考えながら生きていたのか、と気付かされる。無意識の領域だ。 いなくならないで。夏月と佳道の疑...

今更ながら朝井さんの作品を初読み。別に避けていた理由はなくなんとなく。 問題作品だ。 自分も少数派の人間だと思っていたが、まだまだ人間というのは奥が深い。 明日死にたくない。そんな事を考えながら生きていたのか、と気付かされる。無意識の領域だ。 いなくならないで。夏月と佳道の疑似性行為の後のまま終わっていたら、大也を見送る八重子のシーンで終わっていたら、ただの純愛小説のまま終わっていた気がする。 でもやはり、いなくならないで。この言葉に尽きる。愛情ではなくても必要な存在、繋がり。 しばらくはモヤモヤしてそうだ。

Posted byブクログ

2024/09/23

私はたまたま多数派に生まれた。そして多数派は無意識に正義となる。 異性を好きになり、結婚し子どもを儲ける。失恋したり、結婚が破談になったり、子どもが出来なかったり、多数派にも泣いて悩む日ももちろん多くあるが、それは「正しい欲」に向かう過程での出来事なのだと感じた。 しかし、多...

私はたまたま多数派に生まれた。そして多数派は無意識に正義となる。 異性を好きになり、結婚し子どもを儲ける。失恋したり、結婚が破談になったり、子どもが出来なかったり、多数派にも泣いて悩む日ももちろん多くあるが、それは「正しい欲」に向かう過程での出来事なのだと感じた。 しかし、多数派ゆえの悩みならば周囲の人と共有できる、共感し合える。 少数派と呼ばれる、例えば同性愛者の方々が顔を出し同性婚裁判をする場面は、テレビでも見るようになった。 私は多数派の一人として「生理的にはどうしても理解しがたい部分はあるが、頭では理解する」という本音を胸に抱きながらも、特に周囲にそのような方がいないのもあり(いるかも知れないが)、その部分を誰からも突っ込まれる事なく過ごしてきた。 しかし、この本を読み頭を殴られたような衝撃を受ける。 私の知っているのは、少数派の中の多数派なのだと。 本当の少数派は、息をひそめて生きているのだと。 夏月と佳道の、お互いに自分を守りながらも少し距離が縮まり「人間の重さって、安心するんだね」と夏月が言った時、これまでの孤独を突きつけられたようで、静かながらも深い悲しみの淵を私も見たような気がした。 「明日、死にたくない」とはとても思えなかった時間を過ごしてきたのだろう。 夏月も佳道も大也も繋がっていて欲しい。 誰もが、明日も生きようと思える世の中であって欲しい。

Posted byブクログ

2024/09/23

「多様性」 「自分にはわからない、想像もできないようなことがこの世界にはいっぱいある。そう思い知らされる言葉のはずだろ」 「無知の知:自らの無知を自覚することこそが、真の認識に至る道であるということ」

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2024/09/21

面白かった〜けど息苦しい話だった( ; ; ) 始まりと終わりと同じ事件の話なのに中身を知ってるのと知らないのでは全く別物に感じる、

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2024/09/20

世の中には理解されるべき不理解があって、その反面理解される必要性がないとマジョリティに判断される不理解もある。 多様性が表立って叫ばれる世の中だけれど、その中にも除外されるような多様がある。わざわざ排除する必要があるならば最初から誰も叫ばずに細々と己の性を発散してれば良かったのに...

世の中には理解されるべき不理解があって、その反面理解される必要性がないとマジョリティに判断される不理解もある。 多様性が表立って叫ばれる世の中だけれど、その中にも除外されるような多様がある。わざわざ排除する必要があるならば最初から誰も叫ばずに細々と己の性を発散してれば良かったのに、と思ってしまうのは僕が多様性の中でも最も一般的な方だからであろうか。

Posted byブクログ

2024/09/20

自分の言動が当然のように相手から受け入れられることを信じて疑わない。 性的嗜好性においてマイノリティである、主人公たちがマジョリティと言われる人に対して繰り返し使うこの言葉が強く記憶に残っている。 セックスにより性欲が満たされる。 なぜそう言えるのか、突き詰めて考えることも...

自分の言動が当然のように相手から受け入れられることを信じて疑わない。 性的嗜好性においてマイノリティである、主人公たちがマジョリティと言われる人に対して繰り返し使うこの言葉が強く記憶に残っている。 セックスにより性欲が満たされる。 なぜそう言えるのか、突き詰めて考えることもこれまでなかったと思う。 これ以外にも無条件に受け入れているものはたくさんある。どんなときに怒りを感じるとか、働き方についてだとか。 一つ一つに疑問を挟んでいては頭がおかしくなるから、「他のみんなもそう思っているから」という理由で片付ける。 でもその、みんなとは具体的に誰で、何人なのかはすごく曖昧だ。 嫌なことがあったとき、愚痴を漏らしたくなるのは、相手からの共感や同意を得て安心したい気持ちがあると思う。 自分の考えは他の人も同じように考えている。 自分だけの特殊な嗜好性じゃない。 みんなと同じ。 だから正しい。 いつだって多数派から外れないか不安だから、 確認して安心したいのだ。 共感の輪から外れた人は、 自分の想いを内に閉じ込める。 マジョリティの共感できることは、マイノリティの人にとって共感不能なことだから、 飲み会や合宿などの場は地獄だ。 性的快楽を得る道具も需要が少ない分だけ限られている。 一方で常に共感、同意の輪の中で生きてきたマジョリティ側の人はいつの間にか、自分の考えは正しいと傲慢にも信じて疑わなくなる。 登場人物のひとり、検事として働く男性は、 学校に行かず動画配信に勤しむ引きこもりの息子やそれをそばで見守る妻から頻繁に「どうせあなたに言ってもわからない」という顔をされる。 その男性は、学校に通うことが正しいことだと信じて疑わないから、 息子や妻の言葉に対して、反論する前提でしか聞くことができない。 自分が当たり前に感じていることが、当たり前でない人が必ずいること、そういう考えは常に頭の片隅においておきたい。

Posted byブクログ

2024/09/19

読んでいて思わずハッとさせられるようなことが多くあった。 問題とひとまとめにするのは難しいというか、どうしても抽象的になることをここまで言語化して物語に落とし込めるってすごいなと。 思考や行動がこの作品を読むだけで変わることは当然ないけれど、何か自分の理解できない範疇のものが目の...

読んでいて思わずハッとさせられるようなことが多くあった。 問題とひとまとめにするのは難しいというか、どうしても抽象的になることをここまで言語化して物語に落とし込めるってすごいなと。 思考や行動がこの作品を読むだけで変わることは当然ないけれど、何か自分の理解できない範疇のものが目の前に現れたとき、ただ否定や忌避をするのではな、まずは立ち止まって考えようと思える一つのきっかけになるかもしれない。もちろん理解してあげよう、受け入れてあげようなどと独りよがりにならないように。

Posted byブクログ

2024/09/19

正しさは、相対的なものでしかない 「自分と違う」は間違いか、「みんなと違う」の母集団は結局主観ではないか、客観的と主観的の線引きとは、普通とは 思うのは自由、振りかざすのは暴力、諦めもまた暴力、そして孤独 愛を持って、繋がりつづけたい

Posted byブクログ