1,800円以上の注文で送料無料

魔女の原罪 の商品レビュー

3.7

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の持つ爽やかな真っ当な雰囲気のなか、読み進めるとだんだん不穏な空気になり、引き込まれていく。 鏡沢町には何が起こってるのか、何が隠されてるのか気になって夢中になって読んでしまった。 加害者家族の気持ちもわからないではない気がするけど、行き過ぎ。でも当人たちにしか辛さはわからないんだろうなぁ。 後半はちょっと難しかったけど、考えさられる内容だった。

Posted byブクログ

2023/05/08

私には難しい内容の本でした。 第1章からずっと疑問や違和感を抱えながら読み進めて、最後に向けて母の犯した罪、街に根付いた奥深い罪?闇?が理解できて読者としてもスッキリした。(この表現をしている自分が正しいのか疑問にも思います) 犯罪者の息子と知らずに生きて来た主人公が自分の生い立...

私には難しい内容の本でした。 第1章からずっと疑問や違和感を抱えながら読み進めて、最後に向けて母の犯した罪、街に根付いた奥深い罪?闇?が理解できて読者としてもスッキリした。(この表現をしている自分が正しいのか疑問にも思います) 犯罪者の息子と知らずに生きて来た主人公が自分の生い立ちや立場、母親の考えに気づくまでの流れはよかった。 主人公がずっと街に対して疑念を抱いて、自分自身で真相を探していくその強さに、そして終わりの文章に主人公らしさが出ていた。 現実問題としてこの本を読んで考えさせられることは沢山あるなぁ、と思った。

Posted byブクログ

2023/05/07

原点回帰的と言わんばかりに法廷絡ませたミステリー小説となっていた。元々五十嵐律人さんのファンであれば大好きな部類だと思う。 なぜか法律が重んじられる高校、対立する街の人々、何かおかしいぞという不穏な空気感が漂う感じは最高だ。 なぜ彼女は亡くなったのか、それを明らかにするために主人...

原点回帰的と言わんばかりに法廷絡ませたミステリー小説となっていた。元々五十嵐律人さんのファンであれば大好きな部類だと思う。 なぜか法律が重んじられる高校、対立する街の人々、何かおかしいぞという不穏な空気感が漂う感じは最高だ。 なぜ彼女は亡くなったのか、それを明らかにするために主人公は大一番に打って出る。思いやる気持ちがすれ違いを生む。 今回も一つの法的解釈に苦しみながらも答えを見出す様がとてもスリリングで楽しめた。 次はどんな仕掛けで楽しませてくれるかなぁ。

Posted byブクログ

2023/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023/05/05リクエスト 11(未) 和泉宏哉(コウヤ)と水瀬杏梨(ミナセアイリ)は高校2年生。 2人は週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。生命を維持するために。 その2人の通う高校には校則がなく、入学時に渡された六法を守ればよい。その理由。 第二部は殺人事件が起こってからの話。 ミステリーの謎解きより、加害者家族は被害者ではないのか?という考えと、加害者家族の自助グループによる集団移住などが印象に残る。 一気読み、との、レビューが多いが私はかなり時間がかかった…

Posted byブクログ

2023/05/04

★5 透析治療を受ける高校生が、自身の運命と学校と街の秘密に向合うリーガルミステリー #魔女の原罪 ■あらすじ 主人公の男子高校生の宏哉は、いつも同級生の杏梨と腎臓透析に通っていた。彼女は魔女と魔法使いの違いについて宏哉に問いかける。どうやら彼女には秘めたる想いがあるようだ。 ...

★5 透析治療を受ける高校生が、自身の運命と学校と街の秘密に向合うリーガルミステリー #魔女の原罪 ■あらすじ 主人公の男子高校生の宏哉は、いつも同級生の杏梨と腎臓透析に通っていた。彼女は魔女と魔法使いの違いについて宏哉に問いかける。どうやら彼女には秘めたる想いがあるようだ。 彼らの通っている高校は校則がない自由な校風だったが、ルールはすべて日本の法律に準ずるというものであった。ある日部室で窃盗事件が起きると、犯人は朝礼で発表され、全校生徒に糾弾を受けることになる。 犯行について不審に思った主人公は、独自に事件調査と与えられた罰について考え始めるが… ■きっと読みたくなるレビュー 魂が抉られる… 先生は社会問題を読者に突き付けてくる作品が多いですが、本作もかなりドギツイです。正義感や罪の意識といった追及されたくない微妙な部分を、ぐいぐいと抉ってきます。 いつもながらの法律を基盤にして、現代の歪んだ社会の物語が展開されます。世の中にはびこる犯罪と刑罰。学校、会社、町、ネット社会… 生活するうえで必ず付きまとう人間関係の描写が、あまりに痛烈で胸に刺さる。 違法だからダメ、適法だからすべて良い。 確かに先人たちが頭を捻って作り上げたルールは、常識的で理にかなっているものが多いのでしょうが、考えることを放棄してしまったらどうなってしまうのか… 極論、本書のような世界になってしまうのではと恐ろしさを禁じえませんでした。 本作プロットの出来が素晴らしく、エンタメとしても面白いです。 一見学園ものと思いきや、スモールタウンものでもあり、青春ものでもあり、リーガルミステリーでもある。 謎解き要素もなかなか破天荒で驚愕の真相が待ち受けています。しかし悲しくも納得もできてしまうストーリーでした。 そして物語の後半は、からだじゅうが痺れまくりで、もう何も言えねぇ… 主人公の真面目で実直な心情に対して、とりまく関係者の歪んた想い。血の色のようにどこまでもどこまでも深い不幸さが染み出てきて、読み終わった後は、しばらく戻ってこれなくなってしまいました。 ■きっと共感できる書評 かつて業務手順を作る仕事をしていたことがあります。いかにミスを少なくし、合理的に仕事を進めるか。まずは目標を明確にし、現状を分析、各工程を整理してマニュアル化を進めていく。この業務マニュアルに沿って仕事を進めれば、その会社の業務はすべてがうまくいくはずでした。 しかし現実は甘くありません。関係者から何度もダメ出しや改善要望を受けることになったのです。 実はルールを定義すること自体は簡単なんです。 なにより難しいのは、ルール通りの運用を実現化することなんですよね。 被差別部落の問題を知っていますか? 他にも人種や性別による格差など、難しい社会問題が根強く残っています。 これはダメ、こうあるべきというルールを決めるだけでは何も解決しない。 さらにひとりひとりが我が事になって考え、皆でとことんまで話し合う。おそらくそれでも解決しない。 では、解決するにはいったい何が必要なんでしょうか…? 自分の都合を通すのではなく、まずは相手を信じる、受け入れてあげるということから始める必要があるのでしょう。

Posted byブクログ

2023/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

デビュー作が鮮烈で、ずっと注目している作家さんですが、この作品はまた攻めてますねぇ。 ページをめくる手が止まらないとはこのことかと。 過酷な人生を生きる主人公が切なすぎる。

Posted byブクログ

2023/05/02

Amazonの紹介より 法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。 一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッ...

Amazonの紹介より 法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。 一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。 僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。 髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、〝法律〟だけは犯してはいけないのだ。 一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。 なかなかネタバレをしない範囲で、感想を書くのが難しいほどでした。というのも、ネタバレとなるキーワードを書かないと、うまく感想が広がらないからです。もしかしたら、書いていくうちにネタバレとなる言葉を書くかもしれませんので、ご注意を。 前半は、透析治療や校則のない学校、防犯が厳重という特殊な設定に謎だらけで、時々この設定って必要?と思うばかりでした。 しかし、設定の理由がわかると、あらゆる事が繋がれていき、結果的にそういうことなんだといった驚きとスッキリ感が味わえるので、面白かったです。 ただ、それと同時にその行為をしていることの不気味さやそれに至るまでの状況を判断すると、何とも複雑さを感じました。 その大元となったある一つの事件があるのですが、それによって、あらゆる人達の人生を狂わせることに犯罪や世間の怖さを感じました。 他人事と思っている犯罪も、もしかしたら間接的に関わっているかもしれません。誹謗中傷が招く関係者たちの人生に真剣に考えなければいけないなとも思いました。 被害者だけでなく、加害者にも家族がいます。事件に何も関係ない「第三者」は、そっと見守ることが大切であり、加担しないことが重要だと感じました。 主人公が、全てを知った時、どんな感情になるのか。想像だにできないのですが、きちんとあらゆる出来事と向き合っている姿に、頑張ってほしいと思いました。 特殊なことが次々と登場するのですが、それぞれに意味があってのことであり、それがわかった時の爽快と絶望、やるせなさが、何とも読了後も後を引く余韻だったので、色々考えさせられた作品でした。

Posted byブクログ

2023/04/29

幻告より好きだった。 最近、魔女裁判や魔女狩りの本がよく目に留まって調べたりしていて関心があったので、より楽しく読めた。よくできていると思った。

Posted byブクログ

2023/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「魔女」と聞いてオカルト的なものかと思いきやきちんと「人間がこわい系」の小説で面白かったです。 漂流都市のような、この街は何かがおかしい系が好きな私にはたまらなく面白かったです。 以下ネタバレです。 過疎のニュータウン鏡沢町に転入してきた大量の子育て世代は、みな「犯罪加害者の配偶者と子ども」だった。(かがいしゃ、かがみざわ、で掛けているのでしょうか) 町の元々の住人たちが転入組を忌み嫌う理由もすっきりとわかる。 加害者家族たちは、犯罪者の子どもが犯罪者とならないように、法律を遵守する異様な学園を作り出す。 タイトルの魔女の原罪とは、魔女は生まれながの罪があったのか(犯罪者の子どもはどんな環境で育ててもまた犯罪を犯すのか)という住民たちのテーマからです。 血を入れ替えることで、犯罪者の遺伝子(魔女の原罪)が取り除けると思った主人公の母親が、主人公と、犯罪者の子どもではない別の女の子の血を、透析治療と称して入れ替えることを試みた結果、女の子が死亡してしまう。 犯罪加害者の息子と知らずに育った主人公が、町と自分の生い立ち、母親の動機に気づくまでの過程が面白く一気に読んでしまいました 法学部出身なので、担任でもある弁護士の先生の法律解説や、刑事裁判パートも違和感なく読み進められましたが、まったくの初見だと少し難しく感じるのかな…?

Posted byブクログ

2023/03/30

【変死事件で暴かれる町の秘密】僕らの通う高校では?法律?が唯一のルールだ。だが、ある変死事件をきっかけにこの奇妙な?常識?が作られた秘密が暴かれる――。

Posted byブクログ