1,800円以上の注文で送料無料

魔女の原罪 の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/06/22

犯罪者の子供は犯罪者になるのか? 一見不合理な話だが、社会に阻害され追い詰められた加害者家族達の思考が偏っていくさまは、カルト宗教にも似た様相を呈していた。 社会に存在する様々な歪みについて問題提起しているように感じられた。 集団無視は学校ではイジメとされるが、社会では罪にならな...

犯罪者の子供は犯罪者になるのか? 一見不合理な話だが、社会に阻害され追い詰められた加害者家族達の思考が偏っていくさまは、カルト宗教にも似た様相を呈していた。 社会に存在する様々な歪みについて問題提起しているように感じられた。 集団無視は学校ではイジメとされるが、社会では罪にならない。 加害者家族に罪がないのに、社会的に罰せられる(時には加害者本人より過酷に) 親の間違いを正せない子供と、子供を信じられない親 考えが異なる集団との対立 それらを正そうとする人が犠牲になる社会 などなど 何重にも重なる伏線と謎を解き明かそうとする高校生が法廷を使って真相に迫るラストの展開に引き込まれた。

Posted byブクログ

2023/06/18

校則がなく、唯一守らなければならないのは法律だけという特殊環境下の設定と街に漂う不気味な違和感をこのような形で結びつけるとは予想外でした。ただやっぱりテーマがちょっと重かったかなと。 主人公はとある街の高校生で、その高校には校則がなく唯一守らなければならないのは法律だけ。その法...

校則がなく、唯一守らなければならないのは法律だけという特殊環境下の設定と街に漂う不気味な違和感をこのような形で結びつけるとは予想外でした。ただやっぱりテーマがちょっと重かったかなと。 主人公はとある街の高校生で、その高校には校則がなく唯一守らなければならないのは法律だけ。その法的根拠として、学校には監視カメラが多数付けられているといった環境。そんな中、窃盗を犯した後輩が吊し上げられ、それに違和感を抱いた主人公が謎を探るというストーリー。 作者さんが弁護士ということもあり、必然的に探偵も弁護士だったり、裁判の描写があるのはやはり特徴的であると同時に、この物語のテーマもやはり弁護士として働いてる作者さんだからこそ書けるテーマだったのかなと思いました。 最初はただの学園もの的な話かなと思っていたので、後半に連れて気味の悪い描写が増えて、そのギャップが少し嫌だったので、評価は普通です。

Posted byブクログ

2023/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜか校内中に仕掛けられている防犯カメラ。ちょっとでも法律に背いた場合は全生徒の前で罪状が明らかにされる。恐ろしい高校だ。 でもよく考えてみたら、学校に通っている内は謹慎で済むが、社会に出たら犯罪になる。 子どもだから謹慎程度で許されるのかもしれないが、犯した罪の程度は大人でも子どもでも同じなんだよなぁ…。 物語は主人公の透析仲間である女子高生が死体となって見つかったところから動き出すのだけど、意外とあっさり容疑者が見つかる。動機には驚かされた。 憎しみでも恨みでもない、血の浄化のための犯行なんて誰が予測できただろうか。 犯罪者の子は犯罪者になると断言はできないが、犯罪者ではない親から生まれた子どもより、犯罪者になりやすい気はしてしまう。実際は知らないが。 そう考えると静香の気持ちも分からないではないのだ。行き過ぎてはいるけども。 犯罪者の家族が暮らしていくのに世間の目が気にならない場所なんて、存在しないのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/06/13

その高校には校則が無い。代わりに監視カメラがあり、罪は法律によって裁かれる。この町にはそうする理由がある。その秘密は暴いてはならないものだった…

Posted byブクログ

2023/06/10

とある地方都市に住む高校生・宏哉。校則の代わりに全ては法律に則るという変わった高校。昔からの住人と新たに移り住んできた住人。主人公の宏哉の感じる街の異常さを発端にこの街の暗部があぶり出されていきます。中盤以降明らかになるその秘密は非常に重い問題。法律の専門家らしいするどい問題提起...

とある地方都市に住む高校生・宏哉。校則の代わりに全ては法律に則るという変わった高校。昔からの住人と新たに移り住んできた住人。主人公の宏哉の感じる街の異常さを発端にこの街の暗部があぶり出されていきます。中盤以降明らかになるその秘密は非常に重い問題。法律の専門家らしいするどい問題提起の作品。

Posted byブクログ

2023/06/08

終始、暗い話で、メンタルが荒んでいる時にはおススメしないが、謎が謎を呼ぶ展開にページを捲る手が止まらない作品。 宗教二世問題なんかを考えさせられる。 最後無理に明るくしようとして、ああいう風にしたのかもしれないが、あの状況は普通に希望が持てない。

Posted byブクログ

2023/06/06

なんともやるせない小説である事と訳の分からない小説であった。小生からすればこんな町でも住み続けて生きていくと言ってのける主人公が本当に正しいとは思わない。魔女の原罪から追い出されるのではなく自らこんな街に見切りをつけるべきだ。それが現代の人の考え方だと思う。

Posted byブクログ

2023/06/05

六法で禁止されている行為(刑事法上罰せられる行為)をやらないのであれば自由な高校。 そんな高校で窃盗事件が起きるのですが、その窃盗事件が高校の秘密、更には街の秘密にまで繋がっていくというミステリー。 登場人物紹介で書いてあるとおり、主人公は人工透析を受けている高校生で、私は血...

六法で禁止されている行為(刑事法上罰せられる行為)をやらないのであれば自由な高校。 そんな高校で窃盗事件が起きるのですが、その窃盗事件が高校の秘密、更には街の秘密にまで繋がっていくというミステリー。 登場人物紹介で書いてあるとおり、主人公は人工透析を受けている高校生で、私は血が苦手で、血の話になるとなかなか読み進めることができず読むのが遅くなりました。 それくらい、血の話が頻繁に出てくるので、その辺の話が苦手な方は注意が必要です。 さて、そんな本作、何かを書くとネタバレになりそうなので、どんなことを感想にどう書こうか非常に悩ましいのですが、本作はある社会問題がテーマになっています。 その社会問題の中で更に1つの議論が出てくるのですが、これ、私も大学の講義で学んだ話で、なかなか興味深いところだなと思うものも描かれています。 ただ、舞台設定は面白いし、扱っているテーマも面白い、何なら『魔女の原罪』というタイトルに相応しい、現在の魔女感もあるのですが、いろいろテーマが詰め込まれすぎていて、薄いというか、散らばっているというか、話があちこちとんでいく印象で個人的には正直読み辛い印象がありました。 そういうことも思いつつ、もう少し深掘りして感想を書きたいところ、私のポリシーでミステリーはネタバレになる内容はなるべく書かないようにしてますので、テーマに対する感想すら書けないのがもどかしいのですが、日本独特の魔女とは何者なのか、そして、私はただ、その魔女裁判を傍聴している人なんだろうなと思う、そんな作品です。 あなたは魔女裁判で魔女を弁護する勇気はありますか。

Posted byブクログ

2023/06/04

異端の街、鏡沢町に住む高齢者はカツテと呼ばれていました。その反対は他の町からの多数の入居者たちです。 鏡沢高校は中高一貫校でクラスは各学年に二クラスづつ。 高校二年生17歳の和泉宏哉(こうや)はクリニックを開業している父の和泉淳と手伝っている母の静香の息子で、人工透析患者で、週...

異端の街、鏡沢町に住む高齢者はカツテと呼ばれていました。その反対は他の町からの多数の入居者たちです。 鏡沢高校は中高一貫校でクラスは各学年に二クラスづつ。 高校二年生17歳の和泉宏哉(こうや)はクリニックを開業している父の和泉淳と手伝っている母の静香の息子で、人工透析患者で、週に三回、人工透析を自宅クリニックで受けています。 宏哉が透析を受けるときはいつも隣りに同級生の水瀬杏梨(あいり)も一緒に透析を受けていました。 杏梨は、オカルト系の本が好きでよく読みながら透析を受け「魔女狩り」について話したりする少女でした。 宏哉の担任教師の佐瀬は年齢は宏哉の父くらいですが、3年前に鏡沢町にやってきて教師になりました。教師になる前は弁護士だったという経歴の持ち主です。 そして、杏梨がしばらく透析に来なくなり、宏哉は心配をしますが、土砂降りの雨の日、土砂の中から杏梨の遺体が発見されます。 そしてその二週間後、和泉静香が殺人容疑で逮捕されてしまいます。果たしてその真相は…? ここまでが第一部。 第二部は『魔女の原罪』という少女の手記から始まり、宏哉と静香の弁護を頼まれた佐瀬の交互の語りになります。 宏哉の出生の秘密が明らかになり、途中これはオカルトかとも思いましたが、宏哉と佐瀬が探偵役となって事件の核心に迫るミステリーです。 最後の法廷シーンの宏哉と佐瀬の対決シーンが読まされました。

Posted byブクログ

2023/06/04

今回の本は、理解しやすかったが、読むのに時間がかかった。周りの目、取り巻く環境が、ちょっとしたことが、遺伝に結びつけられるかもしれない。何かのせいにしてしまいがち。強い意志を貫き通すことは難しいかもしれない。

Posted byブクログ