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魔女の原罪 の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

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  2. 4つ

    21

  3. 3つ

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2023/05/30

五十嵐律人という作家が自分の持つ武器を極限まで研ぎ澄まして生み出した物語 そんな気がしました 「加害者家族」とは加害者なのか?被害者なのか? このテーマは日本社会の持つ特異性の上に成り立つ問いでもあるようにも思いました そしてタイトルの『魔女の原罪』です 少女は問います 魔...

五十嵐律人という作家が自分の持つ武器を極限まで研ぎ澄まして生み出した物語 そんな気がしました 「加害者家族」とは加害者なのか?被害者なのか? このテーマは日本社会の持つ特異性の上に成り立つ問いでもあるようにも思いました そしてタイトルの『魔女の原罪』です 少女は問います 魔法使いと魔女の違いとは何か? それは魔法使いは使う魔法によって善悪が決まる 対して魔女とは存在そのものが悪であると そして魔女の子は生まれながらにして魔女なのか 生まれながらにして罪を背負っているのか その答えは現実の世界にこそあるような気がしました

Posted byブクログ

2023/05/27

私には少し難しかったかな。 17年間も街ぐるみで隠し通したり、宗教的な集まりが行われていたり不気味さと不穏な空気が先を読みたい欲求に駆られるような感覚。自分だけが知らないって怖いし、知りたいと思う主人公の気持ちの複雑さも分からなくない。全ての真実が知らされたとき、血縁とは関係のな...

私には少し難しかったかな。 17年間も街ぐるみで隠し通したり、宗教的な集まりが行われていたり不気味さと不穏な空気が先を読みたい欲求に駆られるような感覚。自分だけが知らないって怖いし、知りたいと思う主人公の気持ちの複雑さも分からなくない。全ての真実が知らされたとき、血縁とは関係のない本人の意思が打ち勝って欲しい、負けるなと応援したくなった。

Posted byブクログ

2023/05/23

法律さえ守ればあとは何でも自由、という学校メインの話ではなく、この街そのものに何かただならぬものがある。西洋の魔女裁判と同じように、本人の行動に関わりなく存在するだけで悪と言われることの理不尽さがテーマ。主人公の高校生、和泉宏哉は正しいと思うことを積極的にやる人物。同級生で人工透...

法律さえ守ればあとは何でも自由、という学校メインの話ではなく、この街そのものに何かただならぬものがある。西洋の魔女裁判と同じように、本人の行動に関わりなく存在するだけで悪と言われることの理不尽さがテーマ。主人公の高校生、和泉宏哉は正しいと思うことを積極的にやる人物。同級生で人工透析を一緒に受けていた少女の死によって大きな壁が立ちはだかるが、立ち向かう姿が頼もしい。責任感の強い大人になりそうで、将来の姿も見てみたい。

Posted byブクログ

2023/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

校則がなく法律を遵守する学園。 「法律違反さえしなければいい」一見自由に感じるが、監視カメラにより徹底的に監視される。 町では「カツテ」と呼ばれる老人達と住人との不和。 この町は何かがおかしい。 主人公が普段感じている違和感により、第1章で学園で起きた窃盗事件に関わっていく。 それをきっかけに主人公の立ち位置がガラリと変わってしまう。 なぜ?と思っている間に友人の同級生が殺される事件が発生。 第2章からは主人公の出生の秘密や、この町の真実などが明らかになっていき、少しずつ謎がわかっていく。 法廷パートではもう読むのが止まらない。 主人公によって全てが明らかになった時、悲しい気持ちになった。 ここまで思い詰めて信じられないほど暴走してしまうなんて。始めはただただ安らぎを求めただけだったのに… 最後の主人公の力強さが救いでした。

Posted byブクログ

2023/05/22

第1章を読む途中、やや退屈だなあと感じていたら突如衝撃の展開が起き、その後答えを探る第2章は夢中になって読みました。ミステリ好きはもちろん、その他の人にもおすすめしたい傑作ミステリです。

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2023/05/14

まるでファンタジーを思わせるようなタイトルも相まって、序盤は全くどのような展開になっていくかわからなかったが、得意なリーガルミステリーに着地したことで、納得して結末まで読むことができた。 ミステリーものにあるようなオカルトな風習に支配されたような街。果たしてこのような街が今の時代...

まるでファンタジーを思わせるようなタイトルも相まって、序盤は全くどのような展開になっていくかわからなかったが、得意なリーガルミステリーに着地したことで、納得して結末まで読むことができた。 ミステリーものにあるようなオカルトな風習に支配されたような街。果たしてこのような街が今の時代に部外者に知られることもなく存在できるだろうかという違和感はさておき、謎解きとも言える最後の法廷シーンは作者の本領発揮と言えるくらい緊張感とリアリティがあって圧巻だった。 この街の住人たちがなぜこんな極端で非科学的な思考に支配されていったのか理解しがたいが、弁護士である作者の経験から感じたことが元になっているのかもしれない。コロナ流行時にあった差別など、独善的な人々と閉塞感に満ちた社会を思い出させるようだった。

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2023/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の持つ爽やかな真っ当な雰囲気のなか、読み進めるとだんだん不穏な空気になり、引き込まれていく。 鏡沢町には何が起こってるのか、何が隠されてるのか気になって夢中になって読んでしまった。 加害者家族の気持ちもわからないではない気がするけど、行き過ぎ。でも当人たちにしか辛さはわからないんだろうなぁ。 後半はちょっと難しかったけど、考えさられる内容だった。

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2023/05/08

私には難しい内容の本でした。 第1章からずっと疑問や違和感を抱えながら読み進めて、最後に向けて母の犯した罪、街に根付いた奥深い罪?闇?が理解できて読者としてもスッキリした。(この表現をしている自分が正しいのか疑問にも思います) 犯罪者の息子と知らずに生きて来た主人公が自分の生い立...

私には難しい内容の本でした。 第1章からずっと疑問や違和感を抱えながら読み進めて、最後に向けて母の犯した罪、街に根付いた奥深い罪?闇?が理解できて読者としてもスッキリした。(この表現をしている自分が正しいのか疑問にも思います) 犯罪者の息子と知らずに生きて来た主人公が自分の生い立ちや立場、母親の考えに気づくまでの流れはよかった。 主人公がずっと街に対して疑念を抱いて、自分自身で真相を探していくその強さに、そして終わりの文章に主人公らしさが出ていた。 現実問題としてこの本を読んで考えさせられることは沢山あるなぁ、と思った。

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2023/05/07

原点回帰的と言わんばかりに法廷絡ませたミステリー小説となっていた。元々五十嵐律人さんのファンであれば大好きな部類だと思う。 なぜか法律が重んじられる高校、対立する街の人々、何かおかしいぞという不穏な空気感が漂う感じは最高だ。 なぜ彼女は亡くなったのか、それを明らかにするために主人...

原点回帰的と言わんばかりに法廷絡ませたミステリー小説となっていた。元々五十嵐律人さんのファンであれば大好きな部類だと思う。 なぜか法律が重んじられる高校、対立する街の人々、何かおかしいぞという不穏な空気感が漂う感じは最高だ。 なぜ彼女は亡くなったのか、それを明らかにするために主人公は大一番に打って出る。思いやる気持ちがすれ違いを生む。 今回も一つの法的解釈に苦しみながらも答えを見出す様がとてもスリリングで楽しめた。 次はどんな仕掛けで楽しませてくれるかなぁ。

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2023/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023/05/05リクエスト 11(未) 和泉宏哉(コウヤ)と水瀬杏梨(ミナセアイリ)は高校2年生。 2人は週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。生命を維持するために。 その2人の通う高校には校則がなく、入学時に渡された六法を守ればよい。その理由。 第二部は殺人事件が起こってからの話。 ミステリーの謎解きより、加害者家族は被害者ではないのか?という考えと、加害者家族の自助グループによる集団移住などが印象に残る。 一気読み、との、レビューが多いが私はかなり時間がかかった…

Posted byブクログ