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魔女の原罪 の商品レビュー

3.7

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2023/10/13

前半と後半の印象がガラリと変わる。 とても面白いし、とにかく凄かった。 複雑な事情が絡み、話が展開していき、読む手が止まらなかった。 主人公の前向きさを応援したくなる。

Posted byブクログ

2023/10/07

五十嵐律人さんの「法廷遊戯」にハマったので図書館でこちらの作品を貸し出しました。 今年4月に出た長編。 10月といえばハロウィンなのでタイトルからしてこの時期に読むのにぴったりと思った(笑) 舞台は鏡沢町--読んでいくとちょっと特殊な町と感じる。 中世にあった魔女狩りや魔女裁判...

五十嵐律人さんの「法廷遊戯」にハマったので図書館でこちらの作品を貸し出しました。 今年4月に出た長編。 10月といえばハロウィンなのでタイトルからしてこの時期に読むのにぴったりと思った(笑) 舞台は鏡沢町--読んでいくとちょっと特殊な町と感じる。 中世にあった魔女狩りや魔女裁判のことに触れながら、物語の中でいま起きている事件がうまい具合に絡んでる。 血が苦手な人は気分が悪くなるかもです。 第1部と第2部で構成されていて、個人的には第2部からペースが早くて展開もいくつかあっておもしろかった。 法律と医学の勉強になりました。

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2023/10/07

和泉宏哉と水瀬杏梨は高校2年の同じクラスで、2人とも週3回人工透析を受けている。 そして、通う高校は生徒の自主性が尊重される自由闊達な中高一貫校であるのだが…。 始まりからどんな展開になるのだろうと気になり仕方ない。 第一部・異端の街から第二部・魔女裁判と二部構成で話は進む。 ...

和泉宏哉と水瀬杏梨は高校2年の同じクラスで、2人とも週3回人工透析を受けている。 そして、通う高校は生徒の自主性が尊重される自由闊達な中高一貫校であるのだが…。 始まりからどんな展開になるのだろうと気になり仕方ない。 第一部・異端の街から第二部・魔女裁判と二部構成で話は進む。 学校の自由さに少々、疑問を持ちながらも次第にこれはこの街全体がおかしいことに気づく。 終盤で人工透析を2人が受けるという意味がわかるが、血液を利用した遣り方に何故⁇という怒りすら感じた。 18年前の殺人犯の手記「魔女の原罪」と同じような事件が起こると周辺は騒つき… この繋がりに気がついたとき、和泉宏哉自身の気持ちを思うと言葉も出ない。 言いようもない結末に心が暗くなる。

Posted byブクログ

2023/09/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

ちょっと奇抜なルールというか校則のある学校で、そのルールを逸脱しないように行われる陰湿な「いじめ」。それを主人公が解決しようとして・・・まではふむふむと普通に読んでましたけどね。急に主人公がわけもわからずにいじめの対象になって街の秘密みたいなものが示唆されつつ変死事件から母親の逮捕のスピード感にびっくり。よくあるスクールミステリくらいに思っていたもので。先が気になって一気に読み進めてしまいました。 とても面白かったんですが、真相の「血の入れ替え」はどうもなあ。ちょっと突飛すぎるかな。それまでの精神状態とかを考えたとしても医療従事者がそんな選択するとはあんまり思えないというか。急に現実味が薄れてしまいました。 そもそも「加害者家族だけの街」というのも・・・教師をはじめとした働いている人たちとかもそうなんですかね。そんな記述はなかったしそもそもそんなに都合のいい人材が集められるとも思えないし。みんな通いなのかな。でもそれにしたって街の秘密を知らずに勤めてるのは難しいだろうし。。。ちょっとメインアイデアと設定に齟齬があるような。

Posted byブクログ

2023/09/17
  • ネタバレ

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『法律を守る』以外の校則が存在しない学校という特殊な設定下で起きる盗難事件をきっかけに、学校のあり方、街のあり方について疑問を抱き初め、その中で親友が死体として発見される物語。 学校だけではなく、街自体がほぼほぼ加害者家族で構成されているという二重の特殊設定。 物語の中で『人は遺伝のみによって決まるものではない』という明確な主題が伝わってきて、また言葉としても『子供は親の正しさを疑わなくてはいけない。親は子供の正しさを信じてあげなければいけない』と明確に表現されていてよかった。 また、『不作為の自由』という法の抜け穴的な考え方も非常に面白かった。 前半の盗難事件から後半の事件にどんどん広がっていく展開は不気味さが相まってとてもよかった。

Posted byブクログ

2023/09/12
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もう内容がミステリーというよりもホラーなんじゃないかと思った。他人と血液を交換されてたとかどうやったら思いつくんだよ。相変わらず五十嵐先生は社会的な命題を物語として取り上げることが好きだな。感想はさておき、この犯罪者の子どもは潜在的犯罪者であるのかどうかというのは現在においても科学的根拠がないものの、人々が信じてやまない事実のように思われている。特にこの本の中では加害者家族に焦点が当てられている。世間的に見ても加害者家族は加害者とは関係はあるものの実際に犯罪を起こしたわけではありません。しかし、この日本という国では最も身近にいたという理由だけで、加害者だけでなく家族にも世間から非難されます。これを当然であるように思う人間がいるようなほどです。本作品の中においては少々過剰に表現されていましたが、それでも書かれていることに概ね間違いはないでしょう。そして現在ではないが中世の西洋では魔女裁判といった言葉が生まれたように理解できない物事を魔女のせいにしてその罪を清算させようとした。このことからも人は理解できなこと(中世西洋では災害など、現在の日本では犯罪者家族など)を恐れ、可能性を排除しようとする。推定有罪の思考をしている。これは論理的・科学的には全く破綻している考え方である。しかし、理解できないわけでもない。他のもので例えると、汚れた服を洗っても何か汚い感じがしてしまう、そういう感覚だ。もちろん人と物は根本的に異なる存在であるが、それでもこの意識に関しては共通のことが言える。「何か汚い感じがする」という感覚だ。加害者の家族であれば加害者と同じ思考をしていて犯罪を起こすのではないか、ということと、前まで汚れていたのだから洗ったとしてもこの服はまだ汚いのではないか、ということ。これらはどちらも思い込みに過ぎないことですが、しかし可能性として否定できないことである以上存在する可能性もある。それらへの恐怖忌避観こそがこのような非科学的で賛同は出来ないが、心理的な心情を鑑みればかろうじて理科は出来る状態を作り題しているのだ。しかし、加害者家族も被害者であることが大抵であるのだ。それでも日本では加害者家族は被害者的な目線では見られない。それが弱みとなってしまうからだ。人は社会的な生き物であるため、公共性を帯びているときは人訴動的・倫理的なものを重視した体を保つ。弱者救済こそがこの国の美学であるからだ。しかし、これは社会観念的に想像された美学であり、絶対的な価値観とは個人間では思われていない。その証拠こそが加害者家族(社会的弱者)というものへのバッシングなのであろう。また警察になるにしても二親等以内に前科持ちがいると、警察になることができないのだ。国がこのような差別的な思考を未だに持ち合わせているのだから、国民は大手を振って加害者家族を叩くことができる。社会システムから間接的に加害者家族が保護されていないのだ。これは差別であるとしか思えない。もちろん犯罪者が身内いると世間からの非難はある程度避けられないと思うが、そもそもとしてこういう風潮を許しているが日本社会のシステム、つまりは国であるのだ。世間が許さないから許さないのでなく、国がその加害者家族という存在の正当性を彼らに与えていないのだ。このことこそが、根本的に問題であると自分は思う。この国は想像以上に縁を大事にしすぎる。それが良い意味であるときもあるし、悪い意味であるときもある。今回などは後者だ。縁は大切にしなければならないが、それでも必要であれば切れるようにしなければならない。人を集団の一人でなく個人としてみなさなければこの根深さは取り除かれることはないだろう。しかし、そのような意識改革がされることはないだろう。加害者家族も加害者のように見なすこの現在の状態ではそもそも意識に挙げることすらなさそうだ。

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2023/09/02

思わせぶりな、街を支配するルール想像できず、もどかしい思いで読んでいると、いきなり霧が晴れたものの、想像を絶する展開に唖然。「犯罪者の家族は加害者ですか?被害者ですか?」おぞましい世間、歪んだ愛情。人はここまで愚かではありませんよ五十嵐サン、と喉まで出たが、よくよく思い返して見れ...

思わせぶりな、街を支配するルール想像できず、もどかしい思いで読んでいると、いきなり霧が晴れたものの、想像を絶する展開に唖然。「犯罪者の家族は加害者ですか?被害者ですか?」おぞましい世間、歪んだ愛情。人はここまで愚かではありませんよ五十嵐サン、と喉まで出たが、よくよく思い返して見れば…アリか…。

Posted byブクログ

2023/08/25

あまりにも非現実的な話に うーんと唸りながら読み終えた。 加害者家族の苦悩を書くとともに違う意味で侮辱してる気がする。

Posted byブクログ

2023/08/18

校則が無い代わりに法律が絶対視される学校。 ありそうで無かった特殊設定が面白い。 このルールに疑念を抱いた宏哉と元弁護士で高校教師である“私”の問答も興味深い。 何故鏡沢高校は法律にこだわるのか。 そして、この街に隠された秘密とは何なのか。 真相を探るうち、事態は思わぬ方向へ転が...

校則が無い代わりに法律が絶対視される学校。 ありそうで無かった特殊設定が面白い。 このルールに疑念を抱いた宏哉と元弁護士で高校教師である“私”の問答も興味深い。 何故鏡沢高校は法律にこだわるのか。 そして、この街に隠された秘密とは何なのか。 真相を探るうち、事態は思わぬ方向へ転がり出す。

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2023/08/14

シチュエーション・スリラー(ミステリー)と呼ぶべき作品。特異な状況下(鏡沢町)で起こる死体損壊・遺棄事件に潜む問題を鋭く抉った作品なんだと思う。加害者家族の抱える問題を落とし込むには、この特異な設定は有効だとも思う。 しかし、ミステリー部分の肝となる「血液交換」については、いろ...

シチュエーション・スリラー(ミステリー)と呼ぶべき作品。特異な状況下(鏡沢町)で起こる死体損壊・遺棄事件に潜む問題を鋭く抉った作品なんだと思う。加害者家族の抱える問題を落とし込むには、この特異な設定は有効だとも思う。 しかし、ミステリー部分の肝となる「血液交換」については、いろいろな点で首を傾げてしまった。私は、医療分野に詳しい訳ではないので、本書に書かれたことは医学的に「あり」なのかもしれないが、普通は「そんなこと、あんの〜?」って思うのではないだろうか。そもそも和泉と水瀬の血液型の適合が前提になると思うが、そこの記述はなかったように思う(そこを書くと肝がわかってしまうからだろう)。 この非常に暗く重い作品も、最後に一筋の光明を見せてくれはするが、鏡沢町の問題=加害者家族の抱える問題の深刻さが今後少しなりとも改善する希望が持てるものにはなっていなかった。

Posted byブクログ