私雨邸の殺人に関する各人の視点 の商品レビュー

渡辺優(著者)

2023/12/18

11人が集まった館・私雨邸で起こる殺人とそれをとりまく人物たちの各視点から見る事件と真相。

物語の進行が各視点を切り替えていくことで物事を多角的に見れるのが新しい。
中盤に出る一文で「えっ？！」と思って読んできた内容を振り返ったり、田中の動きの奇妙さに途中「こわっ」と声が出た。
終盤の解決場面では名探偵のいない素人による推理を各人がもっていてどれもどこか欠点がある感じが良い。田中が推理に正解するんかい！と思いつつもエンディングは割と好きなタイプ。
ただ終始二ノ宮が好きになれず読むのがめちゃくちゃ遅れた。みんな人間として欠落しまくってたけどあの環境でのスタンスじゃないだろと思ってしまって推理が外れて笑ってしまった。

2023/12/17

それぞれの登場人物の視点からストーリーを読み進めていくのは斬新でした。
それぞれの視点で話が進んでいくため、登場人物毎の心理描写があり、読者を迷わせる要因のひとつだったように思います。特に梗介の内なる声とか笑
サイコパス二ノ宮と水野の探偵役にはイラっとしてしまった。サイコパス二ノ宮はいつか自分で犯罪を犯してしまいそう。
真の探偵役である田中さんの冷静な推理は見事でした。安心して読んでられた。
この本を読むことでミステリーのトリック、舞台だけじゃなくて探偵役、そして助手の魅力がいかに大事かを改めて突きつけられた気がします。

2023/11/26

あまり推理小説は読まないが、
登場人物が確立していて楽しく読めた。
こんな場面なんか現実には無いけど、密室殺人に持ち込もうとした導きも逆に新鮮でした。

2023/11/21

多重解決ﾐｽﾃﾘ｡嵐の別荘,資産家会長が刺殺される｡探偵不在,外界との接触断絶｡視点が変わると真相も変わる｡多重推理に不慣れで手こずる｡ﾐｽﾃﾘに名探偵は必要｡無職田中,予想外の活躍は番狂わせ｡

2023/11/14

読みやすかった。
犯人は牧、探偵役は田中と読みはバッチリ当たってたけど、糊で指紋誤魔化したのはわからんかった。
梗介の内なる声も何かあるかなと思ったら何もなかった。

キャラクターもそれほど多くなく特徴もあり覚えやすかった。二ノ宮がヤバい奴すぎるのは良いね。

最後は杏花の旅立ち。バイクで颯爽と去っていく姿は彼女のイメージ像からはかけ離れたもの。どんな人生を築いていくのだろう。先にあるのは曇天のようだが…

ここまでで登場人物全員がひとつ嘘をついている　と明かしてくれるのは素晴らしかった。読む側としてもワクワクした。

2024/03/17

章終わりに嘘をついてる人がいる/ここまでで推理可能という言葉がありましたが、全然分かりませんでした！
視点を変えながらも、話がどんどん進んでいくので読みやすくて面白かったです！
二ノ宮くんの推理が外れた時は、気持ちよかった！はずれろ！！って思って読んでました。

2023/10/25

名探偵が「いない」推理小説だったのかー。
（図書館の本だから帯がなくて）
思考がやばい二ノ宮、真打ちと期待させといて戦力外だった一条、
推理力がありそうだった水野、、、
名探偵もどきが現れては消えていきました。
そして本当の探偵はまさかの。

密室のトリックはどうあれ、登場人物みんなキャラが立ってました。

2023/10/24

オモロイ。古今東西ミステリーを読む人は、どこかで物語にサプライズを求めてしまうのが本能だろう。この作品は設定、犯人、動機、これといって珍しくない気がするが、ある一点のみで「えっ！？」と思わせてくれたので満足。いわくつきの豪奢な館で老主人が殺害された。土砂崩れによるクローズドサークルが発生し、犯人は館に残る誰かに絞られる...とストーリーは王道。探偵気取りのサイコパス味のあるミステリ馬鹿のヘッポコ野郎が本当にイライラしたが終盤にこの気持ちは何となく有耶無耶になった。既読の渡辺優さんの作品では一番良かった。

2023/10/11

ここまでのお話で犯人がわかります

という、読者も探偵役になれる楽しみを与えてくれる本と聞いて読みました。
実際に考えながら読むことで、没入感ある読書体験ができました。

ネタバレにはなりますが、
あそこまでの情報で犯人がわかるかというと、情報だけでなく想像力を働かせないと犯人には辿り着けない感じで、スッキリはしなかったです。
(解決できなかった者の僻みかもしれません。)

1回読んで解ける人はいるのかなと、紹介したい・試してみたい本ではありました。

2023/10/05

帯の“事件を解決するはずの名探偵が……いない！”
に惹かれて手に取った１冊

嵐で閉じ込められた別荘で殺人事件が起こるがそこにいるのは素人ばかり(普通そう)であーわかるよ、だよね、うんうんと楽しく読めました。
そうはならんやろ、とまぁそうだろな、のバランスが好みだった。