私雨邸の殺人に関する各人の視点 の商品レビュー
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雨目石(アマメイシ)邸に主人である昭吉とその世話係の石塚、小学生の孫のサクラ、その異母兄でダメ人間の烙印を押されている梗介、彼らの従姉妹で父親の会社で働いている杏花、そして雇われ料理人の恋田が週末を過ごすために現れる。ここでは昔殺人事件が起こっていた。大学生の二ノ宮はミステリ同好会に所属し、SNSで昭吉とやりとりする中で、その話を聞き、会長の一条と共に招待してもらう。そこに、雑誌編集者の牧が取材に現れ、誰にも気づかれないうちに帰ろうとしたところに、山歩き中に足を捻挫したという水野が助けを求めて現れたため、共に邸内に招かれることになる。さらに、ほど近い山中で自殺し損ねた自称田中が助けを求めて現れる。 めまぐるしく視点が変わる。誰もが何かを隠している感じだが、事件が起きた後の二ノ宮のはしゃぎっぷりがうっとうしいことこの上ない。一条の反応がまともだろう。 確かに探偵は事件が起きたら関係者の心のなかに遠慮なく踏み入ってくる存在だが、二ノ宮はただのミステリ好きな大学生に過ぎないので、いちいちかんに障る。あくまでも自分は部外者という脳天気さも含めて。
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おすすめです! (※自分語り) クローズドサークルと触れ込みのある作品を見ると心が躍る。何となくそういう作品は本格ミステリのジャンルに多い気がする。 でも本格ミステリと言われるといつも躊躇する。 私はジェンダー論に関する知識がまるでないし、本格ミステリにも全く詳しくない。だか...
おすすめです! (※自分語り) クローズドサークルと触れ込みのある作品を見ると心が躍る。何となくそういう作品は本格ミステリのジャンルに多い気がする。 でも本格ミステリと言われるといつも躊躇する。 私はジェンダー論に関する知識がまるでないし、本格ミステリにも全く詳しくない。だから滅多なことを言えないし言いたくないのだが、本格ミステリの名作と謳われる作品を読むと、 美少女とか美人とかいる?ていうかビジュアルに関する記述いる?ビジュアルは百歩譲ってもスタイルに関する記述いる?このロマンスっぽい何かはいる?となることが少なくとも私の読んだ作品には多かった。どんなにトリックがすごかろうが驚かされようが、そのノイズが邪魔をして作品を十分に楽しめなかった。 だからこの作品を書店で見つけた時とても躊躇した。本格ミステリとは書いてなかったけれど、クローズドサークルだ。多重解決だ。気になる。でもできれば胸が大きくてスタイルが良くてミステリアスな絶世の美女には出会いたくない。 購入の決め手は、以前読んだ著者の渡辺優先生のエッセイがめちゃくちゃ面白かったからで、この人の書くミステリなら美女もオリジナルの宇宙を生きてそうだなと思えたからだった。 そして私ははじめてノイズレスで本格ミステリというかクローズドサークルものを読み終えることができた。 作品自体とても面白かった。でもそれ以上に筋の面白さや仕掛けを純粋に楽しめたことがとても嬉しかった。 くどいようだが私はまるでジェンダー論のことは分からない。それでも今まで感じてきたノイズはきっとそういうもので説明できることで、このノイズとは共存していかなければいけないのだから、なるべくノイズの少ない作品を探すんだ!と思ってきた。 少し泣いてしまうくらい嬉しかった。 自分語り100%で気持ち悪すぎるが、本当にこの作品に出会えて良かった。
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嵐で別荘に閉じ込められたのは、別荘の持ち主の会長とその孫たち、会長補佐、招かれたミステリ同好会の大学生、日雇い料理人、トレッキング中に捻挫した会社員、雑誌編集者、森の中で首吊り自殺に失敗した男の11人。そんな中、持ち主の会長が密室で殺されて… 事件を解決する名探偵がおらず、各人の視点がコロコロ変わりながら事件を紐解いていくのが新しかったです。犯人は予想してなかったし、その後の展開もビックリ。とりあえず大学生の二ノ宮苦手だ…水野も途中から同じようになったけど。
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山中にある私雨邸に集まった11人。 私雨邸所有者の雨目石昭吉が殺される。 犯人は誰なのか? 視点が各人入れ替わりながら物語は進んでいくのが様々な視点で事件をみられるのは面白かった。 素人探偵たちがそれぞれ推理を披露し玉砕していく中、最後に残った意外な探偵役が予想した犯人もまた意外な人で。私は怪しいと思ってなかった人だったから、えっ?!ってなった。 でも私的には犯人より二ノ宮が一番ヤバイ人に思えたなぁ( ̄▽ ̄;)
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これは、気軽にミステリを楽しむ読者へのアンチテーゼなのか!?と思ってしまうほどに、便宜上の探偵役が倫理観欠如で不快だった。「実はシリアルキラー!」みたいな、それ自体が物語の核として組み込まれてるなら話は別だったけど、そんな事もない。ミステリにおける、この手の性格のキャラクターは優...
これは、気軽にミステリを楽しむ読者へのアンチテーゼなのか!?と思ってしまうほどに、便宜上の探偵役が倫理観欠如で不快だった。「実はシリアルキラー!」みたいな、それ自体が物語の核として組み込まれてるなら話は別だったけど、そんな事もない。ミステリにおける、この手の性格のキャラクターは優秀だからこそ許されるんだなと痛感した。 各々が素人推理を披露しては否定されてゆく流れは、ハラハラ感があって面白かった。
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嵐の山の別荘私雨邸、予定と予定外で揃った11人。突然の雨目石会長の殺人事件を発端に張り切るミステリー同好会の二ノ宮。探偵不在で誰もが探偵という状況。時に挟まれる作者視点の指摘。各人の推理に翻弄されながら思わぬ真相にたどり着く。難点は一条さん以外どの人物にも好感が持てなかったこと。
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これもブランチで紹介されてたような記憶です。少し前に読んだので、詳細はあまり覚えてないですが、エンタメとして面白かったです。タイトルがなんかおしゃれですよね。気軽に楽しめるエンタメミステリーです。
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帯にあるように名探偵が出てこないので、登場人物達が好き勝手に推理していく。 ミステリーは好きだけど犯人は誰?と考えながら読むのが苦手なので、登場人物が私でも思いつくような素人推理を披露する様には、私もそう思ったけど流石に違くない!?となり思わず笑ってしまった。 渡辺優さんの特...
帯にあるように名探偵が出てこないので、登場人物達が好き勝手に推理していく。 ミステリーは好きだけど犯人は誰?と考えながら読むのが苦手なので、登場人物が私でも思いつくような素人推理を披露する様には、私もそう思ったけど流石に違くない!?となり思わず笑ってしまった。 渡辺優さんの特色だと勝手に思っているやばい倫理観を持つ人は今回も登場するので、渡辺優さんらしい面白いミステリーでした。
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殺人事件が起きているのにドキドキもハラハラもせず淡々と「犯人は誰?」と探っていられる作品。 各人の心理描写はある。というか数人の視点から成り立っているので、ある、のですよ。 でも、怖くない。 ミステリーが怖くて苦手という方でもいけちゃうんじゃないかな。 脳内配役は、 カバーイラ...
殺人事件が起きているのにドキドキもハラハラもせず淡々と「犯人は誰?」と探っていられる作品。 各人の心理描写はある。というか数人の視点から成り立っているので、ある、のですよ。 でも、怖くない。 ミステリーが怖くて苦手という方でもいけちゃうんじゃないかな。 脳内配役は、 カバーイラストからの印象により、サクラは芦田愛菜がピッタリかも。 牧は江口のりこ。 一条はロザンの宇治原史規。 田中はピースの又吉直樹。 そして、 ミステリが好きすぎて鼻血まで出ちゃう二ノ宮は、YouTuberのあべしぃで。 (お笑いズキなわけではない) (たまたまこんなキャスティング) (二ノ宮は宇治原に合わせて菅ちゃんでもいいけどね)
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渡辺センセイ曰く「あんまり体調のよくない時とかに読める感じのカロリーの低いゆるっとした館モノ」。 とはいえ!コロコロ変わる視点に翻弄されたり、探偵不在の推理合戦にワクワクしたりで、がっつりと本格ミステリに浸ってかなりカロリーは消費されることとなった。
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