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夜空に浮かぶ欠けた月たち の商品レビュー

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222件のお客様レビュー

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2023/08/22

誰だって無理を重ねたら、心が疲れて しまう。自分の人生に完璧でありたい。 それは心が、止まれの注意信号を出して いる。ほどほどでいいんだ。 人生長いんだから。 注意散漫?、忘れっぽい?、社会のルールが守れない?。注意散漫は好奇心旺盛のしるし、ルールが守れないのは創意工夫のほう...

誰だって無理を重ねたら、心が疲れて しまう。自分の人生に完璧でありたい。 それは心が、止まれの注意信号を出して いる。ほどほどでいいんだ。 人生長いんだから。 注意散漫?、忘れっぽい?、社会のルールが守れない?。注意散漫は好奇心旺盛のしるし、ルールが守れないのは創意工夫のほうが上手だと思いたいよね。 忘れっぽいのは、ものごとを根に持たない人。どれもポジティブに考えよう! 椎木メンタルクリニック、この本では 心の病を持った人々がここに通う。 診療内科、というと最初は通うことに抵抗を感じる人が多い。でも、このクリニックは少し違った。優しさに溢れ、事務 的なところはない。けれども―― 旬先生、さおり先生には乗り越えてきた 過去があった。それがあったから、今の クリニックがある。 それはとても・・・・・ この本には、そのお話ごとに幾つかの 絵画が登場する。そのひとつにピカソの 「パイプを持った少年」という絵があった。私は、ピカソの絵は個性的な変わった絵が印象強かったので、Googってみた。良い絵だった。ピカソの絵は変わった絵ばかりではなかった(笑 人は皆、満月ではなく大なり小なり 欠けている。肥満体の三日月や、痩せた 三日月も夜空に浮かんでいるのだろう。 ものごとは考えこまない! 明日になったら忘れてしまおう! 自分が思う程、人は自分に興味など 示してはいないのだから・・・・・ 2023、8、20 読了

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2023/08/21

心温まる作品。 人は、生きていると色々な事で立ち止まる瞬間がある。 そこから、どう立ち上がってゆっくりと歩みを進めていく人達の物語。 こんな時代だから、人との交流だったり人に甘えて生きても良いと思える話だ。 短編集になっているが、全編通して一つの作品になっているので読みやすい。

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2023/08/15

短編集。 どの話も私は涙なしには読めませんでした。 完璧な人はいない。 なんて自分はダメな人間なんだというところへ思考が陥りがちな私。最近その思考の癖に気づいて、陥る前に唱えてます。 一見、完璧そうな人も何かしら抱えてる。 二作目のADHDの人の話は、一番泣けました。その...

短編集。 どの話も私は涙なしには読めませんでした。 完璧な人はいない。 なんて自分はダメな人間なんだというところへ思考が陥りがちな私。最近その思考の癖に気づいて、陥る前に唱えてます。 一見、完璧そうな人も何かしら抱えてる。 二作目のADHDの人の話は、一番泣けました。その尖った才能に気づいて認めて、足りないところを補ってくれる彼女に出会っていて、ホントに良かった。

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2023/08/13

うつ病になる可能性は誰にでもある世の中。昔よりは心療内科を受診することに抵抗がなくなってる人も多いけど、やっとの思いで受診しても相性の悪い医師だと途中で治療を辞めてしまう人もいるようです。 ここに登場する椎木メンタルクリニックのような心療内科なら安心して治療が出来そう。医師の旬...

うつ病になる可能性は誰にでもある世の中。昔よりは心療内科を受診することに抵抗がなくなってる人も多いけど、やっとの思いで受診しても相性の悪い医師だと途中で治療を辞めてしまう人もいるようです。 ここに登場する椎木メンタルクリニックのような心療内科なら安心して治療が出来そう。医師の旬先生とカウンセラーのさおり先生の過去を描いた「夜のカフェテラス」は辛かった。娘を亡くすというのはどんなに耐え難い事だったでしょう。 人って辛い経験をしていると人の痛みがわかるようになりますよね。そして、優しくされた経験がある人は手を差し伸べる事が出来る。私も人の気持ちに寄り添える人でありたいと思いました。

Posted byブクログ

2023/08/13

窪作品としては、意外なテーマ、意外な語り口。これを読んだ人が、他の作品に手を伸ばした時に、疲れてしまうのでは?とちょっと不安になるぐらい、優しい空気の1冊でした。 2023/6/26読了

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2023/08/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

「つきあっている人がいて、あ、いえ、もしかしたら、それは私だけがそう思っているのかもしれなくて……相手に迷惑だと思うのに、 LINEでたくさんメッセージを送ってしまって。……多分、私のことをうざいと思っているのはわかるんです。だから、返事も来なくて……それがつらくて……」言いながら鼻の奥がつん、とした。「そっか……」言いながらさおり先生がティッシュの箱を差し出してくれる。私は頭を下げて、ティッシュを一枚手にした。 「今の恋愛は大変だよね。私たちの若いときと違っていろんなものがあるから……でも、そういうツールがたくさんあるのはいいことよね。だけど、それを使いこなすのが難しいこともあるよね」 「有馬さんは LINEの返事が来ないとどんな気持ちになる?」「自分は愛される資格のない人間なんだって。その人にとっていてもいなくてもいい人間なんだって。……自分なんてこの世にいなくてもいいんじゃないかって」「そっか……でも、ただ単に相手の人が忙しいだけかもしれないよ?」「でも、以前はちゃんとすぐに返事をくれたんです」 「昼間も働いているのに、夜も働かせるの!」  裕樹のあの言葉が今も棘のように心に刺さっている。育児 =働くと思っているなんて思いもしなかった。なんか、がっかりだった。正直なところ、軽く失望してもいた。 「母親になるのに、正しい理由なんて、ないんじゃないかな。それに、産んだ子どもをかわいいと思えないということ、それすらも異常なことじゃないの。極端なケースだけれど、お母さんの心の病でどうしても赤ちゃんを愛せなくて、その子を施設に預けたこともあった。だけどね、私、こういう仕事をしていると、そういうお母さんと子どもが不幸だ、とも思えないのよ。それに、最初から、子どもがかわいい、かわいい、と思える人なんて、むしろ少数派なんじゃないかな。どんなお母さんだって、いつもいつもかわいいって思ってるわけじゃなくて、ふとした瞬間に感じるものなんじゃないかな……」 「私も」さおりが口を開いた。僕と彼女は思わずさおりの顔を見た。「私も散歩の帰りに、このお店でコーヒーが飲みたいです。あの絵みたいに」  さおりの指がゴッホの絵をさしていた。「いつかそうできたらいいと思っています……」そう言って女性は目を伏せる。  驚いたのは、さおりが何かしたい、と自らの口で告げたことだった。  進んだり、退いたりしながらも、さおりの心は回復に向かっているのかもしれない。そのことが心からうれしかった。 人は自分の内側に入ったまま、外に出られなくなってしまうときがある。それも精神科医の勉強をして、知ったことだった。けれど、時期が来れば人は自分の殻をそっと壊して外に出てくる。純さんにもそういう時期がきっと来るはずだ。僕とさおりはそれを辛抱強く待つつもりでいた。 「私ももう一度勉強がしたい。人の心のことを。ううん。まずは自分の心のことをもっと知りたいの。カウンセラーになりたい。自信はまったくないけれど、私みたいにすぐに心がへたっちゃうカウンセラーがいてもいいような気がするの」  さおりがそう言い出したのは、僕の後期研修があと半年で終わる頃だった。  純さんの店で働くことになってから、いつかさおりがそんなことを言い出すのではないか、という予感はあった。僕が精神科医で、さおりがカウンセラー。まるで夢のようだが、あながちありえない夢でもない。あまねが亡くなってから時間を経て、さおりの心は凪の状態を保っている。医師になろうとする僕を支えてくれたさおりを、今度は僕が支えればいい。そうして、さおりは翌年の春から臨床心理士になるために大学院に通い始めたのだった。 「純、どんな仕事をしていてもコーヒー一杯飲む余裕がないと続かないぞ。突っ走ってばかりだといつかポキンと折れてしまう」  父は私の顔を見ないで言った。どこか遠い目をしていた。父自身のことでもあるのかな、とそのときふと思った。 「それで私を置いていったの?」「そうじゃない。芽依を生かすために、私は家を出たの」「生かす、ために?」「それくらいあの頃の私の心の状態はひどかった。でも、芽依がかわいくなくて、あの町に残したんじゃないの」「でもひとりぼっちにしたんだよね。私を……」

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2023/08/08

年を重ねながら、様々なライフイベントを迎えていく近い将来。大きな暗闇に迷い込んでしまった時に、1人1人のエピソードを思いかえして、自分の選択肢にしていこう。そういえばあんな人がいたな、あの人はこんな風に乗り越えていたなって思い出そう。困った時の人生の選択肢を少しだけ豊かにしてくれ...

年を重ねながら、様々なライフイベントを迎えていく近い将来。大きな暗闇に迷い込んでしまった時に、1人1人のエピソードを思いかえして、自分の選択肢にしていこう。そういえばあんな人がいたな、あの人はこんな風に乗り越えていたなって思い出そう。困った時の人生の選択肢を少しだけ豊かにしてくれる1冊。

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2023/08/05

優しい温かなお話でした。 タイトル「夜空に浮かぶ欠けた月たち」 人は皆、完璧だという人はいないから どこか弱い部分や哀しい過去とか抱えて生きている存在だからか、「欠けた月たち」となったのかな。 でも、私は「欠けた」というより、 時々として、 陽のあたる部分と影の部分が変化し...

優しい温かなお話でした。 タイトル「夜空に浮かぶ欠けた月たち」 人は皆、完璧だという人はいないから どこか弱い部分や哀しい過去とか抱えて生きている存在だからか、「欠けた月たち」となったのかな。 でも、私は「欠けた」というより、 時々として、 陽のあたる部分と影の部分が変化していくもの、と とらえたいかな。 人生という時間の流れの中で 陽が多くあたっている時もあれば、 影が大きくなる時もある。 影が大きくなってしまった時に (=心が疲れ切って悲鳴を上げてしまった時に) 「椎木メンタルクリニック」や「純喫茶 純」が 私の側に存在してくれたら良いなーと思いました。 そういう優しい居場所って大切だなぁって心から思います。

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2023/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自己肯定感の低い若者、大人の発達障害、偏向恋愛、育児ノイローゼなどなど、現代の疲れに悩む人々を弱者の視点からやさしく描かれています。 メンタルクリニックに通うようになり、前向きになるという流れがやや単調で、なかなか読み進まず、あと一章というところであきらめました。

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2024/09/07

背中をそっとおすのではなく、やさしく支えるような感じが心地よく、これから転機を迎える方というより、休息が必要な方向けの作品なのかもしれない。 心が疲れているときは十分な時間と、すぐそばにいる方の支えできっと良くなる。この作品を通じて、そう思わせてくれた。 欲を言えば、多くの作品を...

背中をそっとおすのではなく、やさしく支えるような感じが心地よく、これから転機を迎える方というより、休息が必要な方向けの作品なのかもしれない。 心が疲れているときは十分な時間と、すぐそばにいる方の支えできっと良くなる。この作品を通じて、そう思わせてくれた。 欲を言えば、多くの作品を読んだわけではないが、窪さんらしさがもう少し感じられたら良かったかな、と思う。また、とあるシーンで、自分の中でどうしても消化できないところもあった。 とはいえ、登場人物ごとの視点で章をまとめ、関係性をうまく整理しながら話を作り上げる巧さは今作も健在といえる。 ★3.7

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