夜空に浮かぶ欠けた月たち の商品レビュー

窪美澄(著者)

2024/01/17

心が苦しいとき、そばで寄り添ってくれる人がいるだけで前に進むことができる。時間がかかっても、回り道してもいい。辛いときは素直に助けてと言えばいいし、大切な人が辛いときは今度は自分ができることをすればいい。誰かを想う優しさが繋がる社会であればいいなと思った。

2024/01/14

体や心の反応が具体的に見えた。

私は今までメンタルクリニックに行った事は無いけれど、行くべき時があったのかもしれない。一人で耐えるべきでは無かった時があった気がした。

人に言えないって事が辛いのは、本当によく分かる。言えたなら、すぐには解決しなくても、それだけで少しだけホッとしたり、心の重さが変わる気がする。

いろいろな状況で心が疲れた人たちが出てくる。その人からは周りがどんなふうに見えたり、感じたりしているのかが、具体的に見えて息苦しさが伝わってきた。

我慢したり頑張りすぎたりしちゃいけないなーと改めて思った。でも辛い時は自分だからこそ、自分の事が見えなくなる時があるから、避難できる場所を持っていたいなと思った。
そして私も誰かにとっての避難場所になれたらなと思う。

2024/01/07

こんな街どこにあるんだろう。

誰でも心が疲れる時がある。
そんな時にこんなクリニックや純喫茶があったら、どんなに癒されることだろう。

私の周りにも鬱になって休職して実家に帰った人、薬を飲みながら仕事を続けてる人がいる。
私が知らないだけで、苦しんでいる人はもっといっぱいいるんだろうな。
でも、こんなクリニックがあったら、こんな喫茶店があったら、心が少しは落ち着くのかなって思ったりする。

旬先生やさおり先生のような心温かい先生がいるクリニックが増えてくれればいいなとも思う。
でも、そんなクリニックが必要ない世の中になるのが一番なんだけど…

2024/01/04

うつは「誰でもなり得る、よくあること」って言われるけど、当事者は本当に辛い。相性の良いメンタルクリニックに出会えないと、出口が見えなくなりそう。そんな辛さを抱えた人に、こんな優しい居場所があるといいよね。

2023/12/30

心の病気は、誰にでも可能性があり、私自身もならずによく仕事を続けてこれたなって思います。
こんなクリニックは、きっとどこかにあると信じれば少し気持ちが軽くなる、と心があったかくなる作品でした。

2023/12/28

この本のような一見普通の住宅に見える、話しやすいメンタルクリニックが近くにあってほしい。
みんな多少なりとも悩みがある。
順風満帆に行っている人のほうが少ないのだろうと、この本を読んで余計思った。
産後うつのことでは涙が頬をつたった。
ワンオペ育児で大変だったときのことを思い出して、胸が締めつけられるようだった。
とても読みやすく良いお話でした。

2023/12/24

メンタルクリニックと 純喫茶に集う人々のこころの再生を描く連作小説。と言っても医療的な観点とか、お仕事小説的なアプローチよりも、もちろんそういう要素はあるんだけども 、もっと 物語としての面白さに満ちている。 前半で 助けていた側が 後半に 自分たちのことを語る構成となっていて 一つの作品として繋がってくる。 タイトル通り 人間は 完全な まるではない 、 だから補いあって …と教えてくれる。

2023/12/18

東京の片隅にある一軒家のような佇まいのメンタルクリニックと、蔦の絡む煉瓦造りの純喫茶が舞台の連作短篇集。
『避難所みたいな人や場所はいくつか作っておくといいよ』かかりつけの内科があるように、かかりつけの心療内科があるといいのにな。そして、その心療内科がこんなところならいいなと思わせてくれる話し。

2023/12/13

パニック障害やＡＤＨＤ、うつ、心が疲れてしまった人達と「純喫茶・純」と椎木メンタルクリニックがかかわってくる7つのお話し。
それぞれの主人公の悩みは私自信にも経験した事があったり悩んだりした事もあって、クリニックにお世話になることはなかったけど、近くに椎木クリニックの旬先生やさおり先生がいて話を聞いてもらえたら、子育てにこんなにイライラしなかったかもしれないなと思いました。

この物語の様に良い方向に全ていく訳ではないけど、悩んでいる主人公達には良い方向に行ってほしいから、まぁいいかって思いました。

自分の心が壊れてしまった時にこの本を読むのは辛いと思いました。

2023/12/11

うまく生きることができなくなった人たちのお話。人生うまくいかない時もあって、そういう時に寄り添ってくれる人がいるってそれだけで素晴らしいことだよな。
心に寄り添ってくれるような一冊。文章も難しくないし、サラッと読めてあったかい気持ちになる。