街とその不確かな壁 の商品レビュー
父親の本棚から借りてきました。 著者の作品はエッセイが面白く、小説はむしろ苦手です。 本作も、独特な言い回しは心地よくスラスラ読めるんです、でも、読後何が言いたいのかが結局よくわからない。 観念的で受け手の読み方次第、というのが苦手です。どうしても中途半端に感じてしまう・・・ ...
父親の本棚から借りてきました。 著者の作品はエッセイが面白く、小説はむしろ苦手です。 本作も、独特な言い回しは心地よくスラスラ読めるんです、でも、読後何が言いたいのかが結局よくわからない。 観念的で受け手の読み方次第、というのが苦手です。どうしても中途半端に感じてしまう・・・ 現実の世界で出会った少女やイエローサブマリンの少年は陰だったのか、そもそも街は現実の世界にうまく適応できなかった人たちの癒しの場所(楽園ではないけど)なのか、色々考えますが正解は・・・ないですよね。 頭がかたいのでこういう作品はやっぱり苦手です。
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結局、あの日の彼女と再会することは出来なかったのかな?本体と影を持つ世界での二つの世界での出来事。それぞれの持つ記憶は交差しているのだけれど、「私」は元いた世界へと戻っていったのだろうか。コーヒーショップの店員との細やかなやり取りが好きでした。心地良くて美しい文章は読んでいて清々...
結局、あの日の彼女と再会することは出来なかったのかな?本体と影を持つ世界での二つの世界での出来事。それぞれの持つ記憶は交差しているのだけれど、「私」は元いた世界へと戻っていったのだろうか。コーヒーショップの店員との細やかなやり取りが好きでした。心地良くて美しい文章は読んでいて清々しかった。
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もうとりかえしのつかないこと。 戻れない場所。 閉じられた心の世界。 出られない、という呪縛。 自ら望んでそこにとどまり続けている。 しかし、現実の「影」と壁の中の「本体」は、しっかりとお互い影響しあっている。 壁の中の心が変化し動き出すのは、現実を生きる「影」の経験や生活や努力...
もうとりかえしのつかないこと。 戻れない場所。 閉じられた心の世界。 出られない、という呪縛。 自ら望んでそこにとどまり続けている。 しかし、現実の「影」と壁の中の「本体」は、しっかりとお互い影響しあっている。 壁の中の心が変化し動き出すのは、現実を生きる「影」の経験や生活や努力のおかげなのだ。 心と肉体とが生きるということのもつ力、バランス。 そういったことを感じさせる物語だった。 世界の終わりと~とは少し違った印象。
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2024年4月 読了。 安心する村上春樹感。加筆されているとはいえ、初期から村上春樹ワールドが確立されてたんだなあと実感。
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・村上春樹さんがコロナ禍にほぼ引きこもって書いた長編小説。 ・そのためか、とても内省的な作品。 ・現実と異世界を交錯するハルキ・ワールド全開。 ・「壁の街」は、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「世界の終わり」に酷似。春樹さんが二度もほぼ同じ世界観を使ったのには理...
・村上春樹さんがコロナ禍にほぼ引きこもって書いた長編小説。 ・そのためか、とても内省的な作品。 ・現実と異世界を交錯するハルキ・ワールド全開。 ・「壁の街」は、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「世界の終わり」に酷似。春樹さんが二度もほぼ同じ世界観を使ったのには理由がありそう。 ・春樹さんの心象風景なのだろうか? ・春樹さんの心の底に降りていくイメージ。
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現実的な社会?に住む私と変化する壁に閉じ込められた時間のない街に住む私。私と私の影、それぞれに住む?ストーリーが交互に綴られる。現実の方にも幽霊などやリアルにありえないことが出てくるので、ファンタジー? 面白いとか面白くないとかではなく、[はい。村上春樹さんの世界でしたね。]という読了感。 本編、8pから始まって655pまで。
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村上春樹の小説は、ノルウェーの森に続き2冊目になるが、かなりファンタジーな独特の世界観と予想のつかない展開で、気持ちよく読み進めることが出来た。 自分は、基本的に物語の伏線を回収していきながら、はっきりとした結末を迎える筋書きの小説が好きであるが、その点でいえば白黒はっきりと...
村上春樹の小説は、ノルウェーの森に続き2冊目になるが、かなりファンタジーな独特の世界観と予想のつかない展開で、気持ちよく読み進めることが出来た。 自分は、基本的に物語の伏線を回収していきながら、はっきりとした結末を迎える筋書きの小説が好きであるが、その点でいえば白黒はっきりとした筋書きの小説ではなかった。しかし独特の世界観と描写が大変魅力的な小説であった。
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凄く評価の高い小説なんですが、やっぱり村上春樹は自分には難しい(^_^;) 『騎士団長殺し』よりは理解出来たけど、独特の仮想の世界観をイメージするのが難しくて、なかなか読み進めるのに時間が掛かりました。 パラレルワールドの様な、自身と影の二つの人格が交差する話しですが、恋愛小説な...
凄く評価の高い小説なんですが、やっぱり村上春樹は自分には難しい(^_^;) 『騎士団長殺し』よりは理解出来たけど、独特の仮想の世界観をイメージするのが難しくて、なかなか読み進めるのに時間が掛かりました。 パラレルワールドの様な、自身と影の二つの人格が交差する話しですが、恋愛小説なんですね。何とか頑張って読み切りました。
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「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を平行して再読しながら読み進めた。壁に囲まれた街の図書館で出会う少女との「実際の世界」でのつながりが明らかになり話全体の流れがかなり明確になった。最後にイエローサブマリンのヨットパーカーを着た少年の「ぼくはもともとあなたであり、あなたはもともとぼくなのですから(p.618)」のセリフには戸惑い、いまだにうまく理解できない。もう一度、読んで確認したい。
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久しぶりの村上春樹さんの長編で楽しみにしていました。パラレルと現実の微妙な描き方は独特のものがあり、楽しく読めました。
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