花に埋もれる の商品レビュー
憧れ、執着、嫉妬__ 恋にまつわる感情が形を持つことで、なんとも言えない幻想的で切ない世界を創りあげていく。妖しげで芳しい香りを放つような短編たち、少しざらっとした読了感が残るのも魅力かなと。装画が世界観にぴったりで素敵
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- ネタバレ
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お洒落で綺麗な雰囲気の文章で、読んでいて気持ち良かったです。 短編の最初の2つがリアルな内容だったから、3作目の「マイ、マイマイ」で急に違うタイプでびっくりしました笑。 身体から石とか花とか面白かったです。 「本当にあったら自分は梅か桃を咲かせたて、実をならして食べたい」と考えています。 一番好きだったのは「なめらかなくぼみ」で、もし特に大きな事件が起こらない人の人生が小説になるのなら、こういう部分が切り取られるのかなと思いました。 母親との確執を多く語りすぎないところは、この作者の上手な表現方法なのかとも思いますが、この主人公の辛いことを振り返らずに、したいように生きるっていう性格も現しているように思いました。 「花に眩む」は、はなとしまのその後の関係がすごく気になります。 一緒にいたいときに一緒にいられるのって凄く良いけど残酷ですね。 しかし、どの作品も濡れ場がすごく官能的で読んでいてドキドキしました。 タイトルから仄暗い話たちなのかなと思っていたら、花は植物の生殖器だからそういうことか、って理解しました。
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久しぶりの彩瀬まるさん。不思議な世界。「ふるえる」が1番好き。石を交換し合うなんて、嫌いになったら、どうするんだろう。あと、振られちゃったら。ストーカーみたいに体から石を取り出すことができなくなって、、などさらに考え進めても面白い。 私の中から石が出るなら、真綿色がいいかな。
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ちょっと不思議な感じの短編集。人体の一部が植物や石がになっていくところが、不思議でした。その不思議さがとても印象に残っています。
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幻想的な世界でありながら、男女の心の機微はリアルに描かれ、胸に迫る。随所に触覚が特徴的に描かれ、しっとりとした妖艶な空気感を作り出している。
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どのお話もじんわり好きだった。 特に「二十三センチの祝福」が良かったな。これからも追いかけたい作家です。
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短編集。恋愛物でいいのかな? 出会い、別れがある。別れの時の主人公たちの 想いが読んでていいなと思った。人との関わりで、自分自身のことを考え、自分がどうありたいのかを気付く。別れの時を迎えても、前を向いて進んでいく姿がよかった。 普通の恋愛物かと思って読んでると、少し変わった話...
短編集。恋愛物でいいのかな? 出会い、別れがある。別れの時の主人公たちの 想いが読んでていいなと思った。人との関わりで、自分自身のことを考え、自分がどうありたいのかを気付く。別れの時を迎えても、前を向いて進んでいく姿がよかった。 普通の恋愛物かと思って読んでると、少し変わった話もでてくる。変わった話が不思議と引き込まれた。引き込まれるのだけど、私にはよく分からなかった。最初の2話はよかったんだけど、残りの話が申し訳ないけど私には、??でした。 私は『二十三センチの祝福』が好きです。
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とても妖艶で官能的な短編集。モノが何かのメタファーというか、その不思議な世界の「核」になってた。それぞれが、自分の大切なものが何なのかと悩みながら、小さな幸せを求める感じが良い。 まあ、非現実の話なんだけど、怖い。ゾッとしてしまうほどの表現力だった。俳優の夫が、役に入り込みすぎて...
とても妖艶で官能的な短編集。モノが何かのメタファーというか、その不思議な世界の「核」になってた。それぞれが、自分の大切なものが何なのかと悩みながら、小さな幸せを求める感じが良い。 まあ、非現実の話なんだけど、怖い。ゾッとしてしまうほどの表現力だった。俳優の夫が、役に入り込みすぎて木になっちゃうとか。切ないね。
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全編好きだったけど特にふるえるが好きでした 私の石は何色なんだろう、本当にあったらいいのになあと何度も思いながら読みました たまに描写が想像しづらくて、でもいろんな場面で綺麗な画が想像できてそんなところも好きでした 創造のものなのにリアリティがあってたまにゾッとするような瞬...
全編好きだったけど特にふるえるが好きでした 私の石は何色なんだろう、本当にあったらいいのになあと何度も思いながら読みました たまに描写が想像しづらくて、でもいろんな場面で綺麗な画が想像できてそんなところも好きでした 創造のものなのにリアリティがあってたまにゾッとするような瞬間もあり楽しかったです
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短編が6本の構成だが、読後感は何かしっくりこない.「なめらかなくぼみ」はアームソファ ノアールを中心にした物語だが、萌花と礼央くんのやり取り、澄香と啓太の生活、離婚した雅美も出てきて、ごっちゃな感じだ.「マイ、マイマイ」はベーグル店を営む父、翻訳家の母の存在、友梨愛と鈴白くんの付...
短編が6本の構成だが、読後感は何かしっくりこない.「なめらかなくぼみ」はアームソファ ノアールを中心にした物語だが、萌花と礼央くんのやり取り、澄香と啓太の生活、離婚した雅美も出てきて、ごっちゃな感じだ.「マイ、マイマイ」はベーグル店を営む父、翻訳家の母の存在、友梨愛と鈴白くんの付き合いに潜り込んでくるハルヒが登場するがアンモナイトのおはじきが主題だ.「ふるえる」では体から様々な色の石が出てくる.こりゃなんじゃ.「マズノリアの夫」では白木蓮に変身してガラスの鉢に潜り込む郁人の話だが、うまく把握できない.「花に眩む」では体に芽が出てくる.ツリガネニンジンやセンニチュウ、ハトムギなどだがそれを摘まんで食べるのが妙だ.「二十三センチの祝福」が最も普通に楽しめた.天海ルルコの靴を直す加納達夫の話だが、達夫の元妻 芽衣子や娘の美月とのつかの間の接触が虚しい感じだ.ルルコはアイドル活動後故郷に帰るが、彼女からの手紙が話をほっこりさせる.全ての話に花がからむが、それが題名の「花に埋もれる」なんだと、勝手に理解した次第だ.
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