1,800円以上の注文で送料無料

花に埋もれる の商品レビュー

3.5

41件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/05/28

短編が6本の構成だが、読後感は何かしっくりこない.「なめらかなくぼみ」はアームソファ ノアールを中心にした物語だが、萌花と礼央くんのやり取り、澄香と啓太の生活、離婚した雅美も出てきて、ごっちゃな感じだ.「マイ、マイマイ」はベーグル店を営む父、翻訳家の母の存在、友梨愛と鈴白くんの付...

短編が6本の構成だが、読後感は何かしっくりこない.「なめらかなくぼみ」はアームソファ ノアールを中心にした物語だが、萌花と礼央くんのやり取り、澄香と啓太の生活、離婚した雅美も出てきて、ごっちゃな感じだ.「マイ、マイマイ」はベーグル店を営む父、翻訳家の母の存在、友梨愛と鈴白くんの付き合いに潜り込んでくるハルヒが登場するがアンモナイトのおはじきが主題だ.「ふるえる」では体から様々な色の石が出てくる.こりゃなんじゃ.「マズノリアの夫」では白木蓮に変身してガラスの鉢に潜り込む郁人の話だが、うまく把握できない.「花に眩む」では体に芽が出てくる.ツリガネニンジンやセンニチュウ、ハトムギなどだがそれを摘まんで食べるのが妙だ.「二十三センチの祝福」が最も普通に楽しめた.天海ルルコの靴を直す加納達夫の話だが、達夫の元妻 芽衣子や娘の美月とのつかの間の接触が虚しい感じだ.ルルコはアイドル活動後故郷に帰るが、彼女からの手紙が話をほっこりさせる.全ての話に花がからむが、それが題名の「花に埋もれる」なんだと、勝手に理解した次第だ.

Posted byブクログ

2024/05/16

ちょっと妖艶で不思議な世界の女性視点短編集。拘りのアームソファ、体に潜るカタツムリ、体に埋まっている石、皮膚から生えてくる草等々、寓話的に読むのか、視覚、触覚的に感じとるものののか。

Posted byブクログ

2024/05/10

彩瀬まるさん ベストアルバム的短編集とのこと ストーリーの中に メタファー的(だと思うのだけど)モノや身体変容を独特に差し込んでいる 多少不思議系でもある この短編集集は、ベストと言われるだけあり モノと人、ストーリーがとてもしっくり 「なめらかなくぼみ」 小説新潮2021 選...

彩瀬まるさん ベストアルバム的短編集とのこと ストーリーの中に メタファー的(だと思うのだけど)モノや身体変容を独特に差し込んでいる 多少不思議系でもある この短編集集は、ベストと言われるだけあり モノと人、ストーリーがとてもしっくり 「なめらかなくぼみ」 小説新潮2021 選りすぐったソファの肌触りを愛する女 …というより 自分の愛でるモノを尊重してくれるパートナーが良いんだよね 「二十三センチの祝福」 文芸あねもね2011 同じアパートに住む女の傷んだ靴を直す男 安く傷んだ靴は彼女そのもの 都会で傷つき疲れた女性を優しく送る大人の男 「マイ、マイマイ」 オール読み物2018 大学生同士のそれっぽい恋 好きだったような気がする男の子 いろんな側面を見切ったらさよならでも良いらしい 「ふるえる」 文藝2022 イギリス文芸誌「GRANTA」掲載 誰かを愛しく思うと体内にできる石 石の幻想的な存在と 石について語る登場人物の現実的な言動が相まって面白い あくまで恋愛は現実にある 「マグノリアの夫」 小説新潮2022 マグノリアは木蓮 世界的音楽家のカクシゴの夫 演劇に生きるが裏切られた父親への憧憬と固執 感動的な木蓮の役を演じたあと 木蓮そのものとなる かなり勇気ある設定だけど 木蓮がその生態で語ってくる これが一番好き 「花に眩む」 小説新潮2010 第9回 女による女のためのR-18文学賞 読者賞受賞作 これは この受賞作の中でも異質ですよね わかるようなさっぱりのような 身体に植物が生えるという(全員ね、家族によって植物が決まる)世界観 それが何を著そうとしてるのかわからんかった まあ次行きます

Posted byブクログ

2024/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間の身体から石や植物が芽生える不思議な世界。毛穴から植物生える系は、話の内容どうこうではなく、リアルに想像したらゲー吐きそうで生理的に無理だった。笑 恋すると石が生まれて交換できたら成就という話「ふるえる」が1番よかった。石を取り出して恋を終わりにできたら楽でいいよな。

Posted byブクログ

2024/03/27

「花に眩む」 一緒にいたい、一人になりたい、一つになりたい。 矛盾をいつも、抱えている。 けれど、どれも私のほんものの気持ちで、どれも大事に抱いていたい。私たちはいつだって本当はひとりで、溶け合える日は決して来ない。だからこそ、不意に触れ合う温度に心が踊る。 その刹那を夢...

「花に眩む」 一緒にいたい、一人になりたい、一つになりたい。 矛盾をいつも、抱えている。 けれど、どれも私のほんものの気持ちで、どれも大事に抱いていたい。私たちはいつだって本当はひとりで、溶け合える日は決して来ない。だからこそ、不意に触れ合う温度に心が踊る。 その刹那を夢見て、今日もひとり、矛盾を慈しみ、生きていく。

Posted byブクログ

2024/03/25

短編集。 読み進めるごとに不思議が強まっていく。幻想的な世界観で描かれる感情は艶かしくて、切なくて、儚い。読んでいると自分までどこか違う世界にいるような気持ちになりました。「ふるえる」が一番好き。

Posted byブクログ

2024/03/10

人間だとか、恋だとか とても幻想的に描かれているのに 胸に迫ってくるのは、リアルで飾り気のない 人の心だ。 自分の心や身体を持て余したり、コントロールできなくてもがいても 花も人もいつかは枯れて、大地へと帰っていく。 耽美的な世界を漂うように、ゆらりゆらりと物語を楽しみました。

Posted byブクログ

2024/01/27

短編集。嫌らしくない官能小説、だけどちゃんと艶かしくて惹かれる、描写が好き。あと、人の弱さとか脆さとか愚かさの表現が好き。ちゃんとして見える人も一皮剥ければそんな聖人みたいな人はいなくて人間でしかないのだなあと思う。「マグノリアの夫」がとくにうつくしくて好きでした。切なくて残酷で...

短編集。嫌らしくない官能小説、だけどちゃんと艶かしくて惹かれる、描写が好き。あと、人の弱さとか脆さとか愚かさの表現が好き。ちゃんとして見える人も一皮剥ければそんな聖人みたいな人はいなくて人間でしかないのだなあと思う。「マグノリアの夫」がとくにうつくしくて好きでした。切なくて残酷で。

Posted byブクログ

2024/01/14

不思議な世界観。 ふわっと時空を飛び越える感覚がある。 5篇からなるベストアルバム的短編集 ・なめらかなくぼみ ・二十三センチの祝福 ・マイ、マイマイ ・ふるえる ・マグノリアの夫 ・花に眩む 特に『マグノリアの夫』『花に眩む』が好き 何の物語を読んでるんだっけ?主人公は一体...

不思議な世界観。 ふわっと時空を飛び越える感覚がある。 5篇からなるベストアルバム的短編集 ・なめらかなくぼみ ・二十三センチの祝福 ・マイ、マイマイ ・ふるえる ・マグノリアの夫 ・花に眩む 特に『マグノリアの夫』『花に眩む』が好き 何の物語を読んでるんだっけ?主人公は一体何なんだっけ?と何度も確認したくなる不思議な感じがどちらもある。 当たり前な事を当たり前として読み進めているとハテナがいっぱいになるので、素直に受け入れて読み進めるのが大事。 それがおもしろい! 人間の感情って見えない物なんだけど、もしも見えたらという視点でこんな表現で書けるのは本当にすごい! 綾瀬まるさんが表現する人間はいつも生々しく艶ぽい。 でも綺麗な生々しさで、嫌悪感なく読めるから好きです。 個人的に、村上春樹みたいな空気を感じる SF空想的な村上春樹って感じ 淡々と進んでいく感じがどちらも好き

Posted byブクログ

2023/12/17

読み進めるたびに不思議な世界に入っていくような、本当に不思議な短編集でした。 二十三センチの祝福は、普通にいい話だなぁと言う感じだったのですが、マイマイ、マイから「おやおや?」と言う何とも言えない世界観に引き込まれ、マグノリアの夫、花に眩むは温かくもどこか寂しい感じがして、ゆっ...

読み進めるたびに不思議な世界に入っていくような、本当に不思議な短編集でした。 二十三センチの祝福は、普通にいい話だなぁと言う感じだったのですが、マイマイ、マイから「おやおや?」と言う何とも言えない世界観に引き込まれ、マグノリアの夫、花に眩むは温かくもどこか寂しい感じがして、ゆっくりともう1回読んでみたいなぁと思う。1回では咀嚼しきれない感は否めない笑

Posted byブクログ