少年と犬 の商品レビュー
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多聞が5年もかけて探していた人は光くんだったんだ。犬ってやっぱ第六巻みたいなのがあるんだろうなぁ。5年の間にさまざまな人との出会いがある。 一篇一篇は犬と出会って去るまでのごく僅かな期間だけど、全く繋がりのない関係ない人達の人生があって、そのごく僅かな断片でしかないのだけれど、そこにそれぞれの7つの人生の物語が凝縮されているような気がした。
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偶然ですが、この本を読み終えたのは、飼っているフェレットが息を引き取った日のことでした。その子は里子に出されたのをうちで引き取った子でした(アイコンの子とは別の子です)。 私はずっと、自分がその子の面倒を見ているのだと思っていました。でもその子が天国に旅立ったとき、まったく逆だと...
偶然ですが、この本を読み終えたのは、飼っているフェレットが息を引き取った日のことでした。その子は里子に出されたのをうちで引き取った子でした(アイコンの子とは別の子です)。 私はずっと、自分がその子の面倒を見ているのだと思っていました。でもその子が天国に旅立ったとき、まったく逆だということに気がつきました。その子が私の面倒を見てくれていたのです。 ご飯をあげたり、おもちゃで遊んだり、トイレの始末をしたり、その子は私にそういう役目を与えてくれたのです。なあ、お前はそのために私のところへ来たんだろう? この小説はフィクションですから、いくら犬が賢いといっても、現実にはこんな奇跡は起こらないでしょう。でも、奇跡というのは何も特別なことではないのです。 私がこの家に引っ越してきたとき、自分がペットを飼う可能性なんて考えたこともありませんでした。だから私がその子をお迎えしたことは、たくさんの偶然が鎖のように連なりあった結果であり、もしそのどれかひとつでもかけ違っていたら起こり得なかったことなのです。 つまり、犬がひとりの少年を守るために日本を縦断することも、日常のありふれた出来事も、確率的には同じように起こっているのです。奇跡とは、その偶然性を発見したときに、私たちの前に奇跡として現れるのではないでしょうか。
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お酒を飲まない人は人生損をしているって言うけれど、犬を飼った事が無い私は人生損をしているのかも知れない。孤独の匂い・死の匂いを嗅ぎ分ける多聞。出会う人々は人生も最期も壮絶で、驚きの展開も。どんどん読み進んだ。ラストの少年にはホッコリしたが、この本の終わらせ方としては綺麗過ぎ。「そ...
お酒を飲まない人は人生損をしているって言うけれど、犬を飼った事が無い私は人生損をしているのかも知れない。孤独の匂い・死の匂いを嗅ぎ分ける多聞。出会う人々は人生も最期も壮絶で、驚きの展開も。どんどん読み進んだ。ラストの少年にはホッコリしたが、この本の終わらせ方としては綺麗過ぎ。「そんなに納得しなくていいよ」と少年に言いたくなった(笑) 多聞の手触りや体温・向けてくる表情・ちょっとした動作を私も欲していると感じた。
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多聞の表情や動きがとても鮮やかに伝わってきました。短編小説を読んでいるようで、それぞれの物語も背景は違えど、多聞との出会いに色々な人生観が変わっていく様がよく描かれていたと思います。
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映画化すると聞いて。 多聞は守り神だね、と救われている人たちが結局死んでいくのを見ていると、いいえ、厄病神、死神でしょうと思ってしまったけど。 死ぬとき、決断するとき、人生一区切りのタイミングで、自分ひとりじゃないって思えるって大切なのかも。 「少女と犬」の少女が、いつ武さんに裏切られるかとハラハラしたけど、大丈夫だった。よかった。
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ご都合主義の描写が多くて興醒めする箇所がしばしば。小説というか、連続ドラマの脚本にちょうど良さそう。と思ったら直木賞受賞してたのか…へぇ…
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震災で飼い主を失った1匹の犬が様々な人間と関わり時に助け時に助けられながら信頼関係を築き出会いと別れを繰り返しながら5年もの歳月をかけて岩手から熊本まで渡り探し続けた少年と運命的な再会を果たす物語。 多聞は守り神と呼ばれたけど死神という見方もできる。飼い主になった人たち結構死んじゃうし。良い行いをした人には優しく寄り添うけどそうじゃないと相応の最後を迎える。多聞と触れ合うことによって飼い主となったヒトたちの行動や想いが変化していく過程と結果が淡々と描かれていて興味深い。 昔犬を飼っていたので思い出して読み進めるうちにウルウルしてきてやはり最期は号泣してしまった。犬がいることによって心が癒されたりその存在だけでセラピーになるということを改めて思い知らされた作品。たとえ物理的に居なくなってしまったとしてもいつもそばに居る。少年の言葉が胸に残った。
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偶然が重なり、この本を読むことになりました。自分ではまず手に取ることのない本なので、偶然の出会いというか、運命の出会いというか。 無慈悲だなぁ、と。当人達は後悔してないかもしれませんが、見てるこっちからするとどこか寂しくて悲しい終わりがたくさんありました。もっと救いは無かったのかな。どうにもならないことはどうにもならないままで。唯一の救いは、あの子が一時でもそばにいてくれたことでしょうか。 「泥棒と犬」が特に好きでした。幸せになって欲しかったなぁ…多聞、いい子すぎる。切実に生きていてほしかった。 読み終わる頃には多聞のことが大好きになっていました。猫派ですが犬派になりそうです。多聞は今でもずっと光のそばにいて、幸せなのでしょうね。
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ラストは号泣しました。 犬(多聞)は、人が辛い時に、傍で寄り添って心を癒してくれたり、助けてくれたり愛が溢れているなと感じました。 すごく、心に染みる作品でした。
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多聞(わんこ)が東北から九州までの距離を 長い年月をかけて 本当に会いたい人に会いに行く壮絶な旅の物語です。 旅の途中に出会う人々はみんなクセがありますが みんな優しくて 魅力的な人ばかり 人と犬お互い会話が出来なくとも 心が通じ合う不思議な 繋がりがあるんだなと 思いま...
多聞(わんこ)が東北から九州までの距離を 長い年月をかけて 本当に会いたい人に会いに行く壮絶な旅の物語です。 旅の途中に出会う人々はみんなクセがありますが みんな優しくて 魅力的な人ばかり 人と犬お互い会話が出来なくとも 心が通じ合う不思議な 繋がりがあるんだなと 思います。 ラストは涙溢れました。 とても おススメです。
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