スター の商品レビュー
「でももう、自分が見えた星の形を描いて、これが星ですって言っていく時代になったんだよね。昔からあるあの星形を、これが星なんだって言い聞かせなくてもよくなった」 この言葉にすごく納得した。 朝井リョウさんの作品は本当に、的確に表現されていて好き 少し長くて読みにくかったけどこの時...
「でももう、自分が見えた星の形を描いて、これが星ですって言っていく時代になったんだよね。昔からあるあの星形を、これが星なんだって言い聞かせなくてもよくなった」 この言葉にすごく納得した。 朝井リョウさんの作品は本当に、的確に表現されていて好き 少し長くて読みにくかったけどこの時代に必要な本だと思った
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何かを生み出して世の中に自分の創造物を発信するという立場とは程遠いところにいる私には、途中の尚吾や絋の葛藤の部分に共感することが難しく、文字を消化しながら読んでいくのに時間がかかったし、完全には理解できなかった。けれど、終盤にかけて二人がふたりなりの感性を大事にするところに行き着くシーンには心動かされたし、自分に完全に投影できなくても、人それぞれの物差しを持って自分の感性を信じることは現代に生きる私たち全員に必要なことだと実感しました。 最後の千紗の言葉にも心を掴まれました。 自分が普段言葉にできないようなモヤモヤとした悩みとか葛藤を掬い出してくれる朝井リョウさんの本がやっぱり好きです!読んでよかった!
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いまの自分と照らし合わせて読む、心に突き刺さる本だった。特に心に残ったのは、待つということがどんどん下手になっていくということ。すぐ結果に出ないことに不安になって、最終的に自分を待てなくなる。評価されない自分に自信がなくなる。これは特に社会人になってからそうなった気がする。なぜだ...
いまの自分と照らし合わせて読む、心に突き刺さる本だった。特に心に残ったのは、待つということがどんどん下手になっていくということ。すぐ結果に出ないことに不安になって、最終的に自分を待てなくなる。評価されない自分に自信がなくなる。これは特に社会人になってからそうなった気がする。なぜだろう、明確に上下関係が存在するからだろうか、自分のプライドがいつのまにか肥大化していたのだろうか。ちょっと考えようと思った。 あとyoutubeの仕組みとボクシングを重ね合わせた表現はすばらしかった。すごいしっくりきた、まさにその通り。
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難しくて、登場人物たちが言ってることの全ては理解できなかった。 理解できたのは、最後の方で尚吾の恋人の千紗(料理人)が言ってたことで、 「欲求に大小や上下があるんじゃなくて、ぜーんぶ小分けされて横並びになるっていうか」 「頂点っぽい巨大な何かが色んな欲求をまとめて満たしてるように見えてた時代は終わっていくんだな」 「たとえ自分はそのジャンルの頂点を知ってるんだからって思っても、それが本当に頂点だとしても、頂点の場所にある一つの点だけを知ってるにすぎない。」 「誰かにとっての質と価値は、もう、その人以外には判断できないんだよ。それがどれだけ、自分にとって認められないものだとしても」 っていうところ。 解説で、南沢奈央さんが、「誰か一人にでも響けばいいと思ってお芝居している。」「でも一人のためにやってみたら、もっと多くの人に伝わることもある。」と書いてあった。 尚吾が、前半の方で、オリジナルの脚本を書いている時、「色々な方向に目配り」している作品ばかり書いてボツになっていたけど、今は誰か一人に届くような、細分化された欲求に届くものを作り提供する時代になってきている…ということなのかなと思った。 オンラインサロンの、一部の人が積極的で、その他の大勢の人が騙された気分になり退会していくのリアルだなと思った。 私の理解度が低くて、この作品の全ての要素を味わえてないのが悔しい。
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対照的な二人の映画監督が、自身の置かれた環境と相手の環境をお互いに比べ合い価値観の違いを実感していく内容。 自身の価値観で何かを評価できるわけではなく、どこに価値を置くのか、価値を見出すのかは人それぞれ。 多角化したメディアや媒体。誰もが発信できて誰もがスターになれる現在の状況の...
対照的な二人の映画監督が、自身の置かれた環境と相手の環境をお互いに比べ合い価値観の違いを実感していく内容。 自身の価値観で何かを評価できるわけではなく、どこに価値を置くのか、価値を見出すのかは人それぞれ。 多角化したメディアや媒体。誰もが発信できて誰もがスターになれる現在の状況の中で、古き良きものと新しいもの、それぞれが混ざり合って正解を模索する2人の主人公の葛藤や考えが面白かった。
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尚吾と紘、二人の映像クリエーターは良き友人だが、異なる成育環境と感性からすれ違いが生じる。 二人を取り巻く人たちとの会話や、ものをクリエイトすることに対する思いの吐露から、相手の心との関わりの大切さや、異なる価値観とどう交わるべきかなど、深く考えさせられた。 特に尚吾の恋人、千...
尚吾と紘、二人の映像クリエーターは良き友人だが、異なる成育環境と感性からすれ違いが生じる。 二人を取り巻く人たちとの会話や、ものをクリエイトすることに対する思いの吐露から、相手の心との関わりの大切さや、異なる価値観とどう交わるべきかなど、深く考えさせられた。 特に尚吾の恋人、千紗が語る場面では頷くことが多かった。 心に刻まれたことば 答えのないことを考えていられる時間って本当に贅沢だ。 作品を発表するというのは、作品を通して相手の心と関わることと同じ。そしてそれは人間関係と似ている。 内容より制作過程の新しさが評価され、完成度より社会を反映しているかが問われる。その中で変わらないように努力する事が出来るものは心。 作品を提供する速度と自分を把握する時間が反比例していくなんて、そんなの本来はおかしいはず。 ご飯を食べるというのは、生きるための栄養補給というよりも一緒にいたい人と時間を共有出来ること。本当は比べられないものを比べ続けてたら、いつか、本当は切り捨ててはいけないものを切り捨ててしまいそう。 そもそも欲求には大も小も上下もなくて、色んな種類があるだけ。 誰かにとっての質と価値は、もう、その人以外には判断できない。たとえそれがどれだけ自分にとって認められないものだとしても。
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大学時代に共に映画を撮り、フィルムフェスティバルのグランプリを受賞した尚吾と絋は、卒業後、別の形で映像作りに携わった。それぞれの立場でもがきながら前に進もうとし、やがて「心の問題」に着地する。尚吾と絋の物語を交互に対照的に描いている点が面白く、エンタメを取り巻く現代的な問題に切り込みながら彼らの物語が進む点も読み応えがある。 「ある人にとっては無名の人間が、ある人にとっては唯一無二のスターになる」 尚吾と絋の大学時代の後輩で、オンラインサロンを経営する泉のセリフだ。大学時代は助監督として尚吾と絋の才能の影にいた泉は、光の当たる場所を見つけていた。泉の言葉は、彼の現在の姿そのままを表す。 本作のテーマは今読んでも新鮮に響くが、単行本が刊行されたのは2020年11月だということに驚いた。ここ数年、なんとなく自分が感じていてモヤモヤしていた現代社会の構造が言語化され、問題提起されている。尚吾の恋人・千紗の言葉を借りれば、「小さな空間」で自分を見失わず生きていくこと、その力がこれからますます求められるのかもしれない。
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朝井リョウさんの本は初でした。 時代を切り取る、もしくは汲み取る洞察力が優れてる作家さんなのかも。 画一的なスターなき時代、あらゆる方面に気を遣う世代、より細分化された価値観。 とはいえ私には言葉が上滑りしてうまく入ってこなかった。...他も読んでみますー!
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確かにYouTubeとかってなんか嫌なのに見てる。そういう穿った見方もしてる。道は違ったけど目指しているところは同じかもしれない。いいと思うものは自分で決めていけるといいなと思った。
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主体的にではなく。なんか付けらみられるyoutubeを、コンテンツをぐうたら見てる自分が生産性がなくて嫌いなのに、やめられなかった。でも、それが今の、私なんだ。時代にのみのまれてもいいから、受け入れる入れないとか、自分の芯だけは探し続けようと思えた作品
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