スター の商品レビュー
大きな世界が小さな空間に小分けにされていく。ほんとにそうだなぁと。朝井リョウさんは普段何となく感じてることをキチンと言葉で表現してくれる方だなぁと思う。
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誰もが発信者になれて、見つかり、見つけやすくなった今の時代。その中で自分なりの物差しを持って世の中と向き合うことを、尚吾と絋が持つ様々な葛藤から学んだ。 中盤の浅沼さんの言葉、絋と鐘ヶ江が発した同じ言葉、終盤の登場人物の一言一言に鳥肌が立った。 SNSやメディアの見方が変わる1冊...
誰もが発信者になれて、見つかり、見つけやすくなった今の時代。その中で自分なりの物差しを持って世の中と向き合うことを、尚吾と絋が持つ様々な葛藤から学んだ。 中盤の浅沼さんの言葉、絋と鐘ヶ江が発した同じ言葉、終盤の登場人物の一言一言に鳥肌が立った。 SNSやメディアの見方が変わる1冊だと思います。これからの世の中と自分の人生についても考えさせられました。 読んでいてゾクゾクが止まらなかった。 まだ4月だけど2023年読んだ本でベスト10に入る可能性は限りなく高いです。
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作品の質や価値を決める基準は何か、自分は何を信じ何を目指すのか…年齢も立場も異なる映像クリエイターたちの主義主張のぶつかり合いが、とにかく熱かった。今、あざとい投稿動画が世に溢れているのは言うまでもないし、面白い劇場映画が減ったと感じるのも確か。古い価値観に縛られたオジサンにはそ...
作品の質や価値を決める基準は何か、自分は何を信じ何を目指すのか…年齢も立場も異なる映像クリエイターたちの主義主張のぶつかり合いが、とにかく熱かった。今、あざとい投稿動画が世に溢れているのは言うまでもないし、面白い劇場映画が減ったと感じるのも確か。古い価値観に縛られたオジサンにはそう簡単に割り切れるものではないけれど、言いたいことは沢山あるけれど、とりあえず、最後に千紗がたどり着いた〝結論〟は今の時代の模範解答、と言えるのかな。朝井リョウさんの作家生活10周年記念作品、第1弾の本作は「白版」で、未読の第2弾「正欲」は「黒版」とか。読み比べてみたい。
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現代の我々の心を動かすのは一体なんなのだろうか“ こんな背表紙の言葉から始まった本書 私の小さい頃には共通のテレビの話題があった “昨日のごくせんめちゃくちゃ面白かったよな〜“ “ドラゴン桜痺れたよなぁ〜“ これらは自分たちの中に仲間由紀恵や阿部寛という“スター”がいたからだ ...
現代の我々の心を動かすのは一体なんなのだろうか“ こんな背表紙の言葉から始まった本書 私の小さい頃には共通のテレビの話題があった “昨日のごくせんめちゃくちゃ面白かったよな〜“ “ドラゴン桜痺れたよなぁ〜“ これらは自分たちの中に仲間由紀恵や阿部寛という“スター”がいたからだ いつからだろう、そういう話題がテレビでなくなっていったのは 動画配信サービス、動画投稿サイトへ話題がシフトしていった バライティ、お笑い、ニッチな分野に特化したこれらのサービスはとにかく面白いの一言に尽きる。移動時間や待ち時間に時間を潰すことにもってこいだ だがなぜだろう。昨年で流行った動画が数ヶ月後には他の動画の海に埋もれとたんに見えなくなっていく サイト上には残り続けるが“スター“ではない このことに対して自分は一抹の寂しさを感じた。共有できる感動がないというものはそこはかとなく寂しい。 そんな自分の感想に対して本書の中の登場人物である『千紗』がそれに対して意見を述べていた “目につくもの全てを同じ土俵に並べてどっちが劣っているか議論しているようだ そのジャンルで最高峰の場所で学ぶ自分はそのジャンルのすべての欲求を満たせるはずだって勝手に思い込んでいた…(中略)今は誰しも発信できるようになって、少し調べればどんな欲求にも対応してくれるものがある。 欲求が小分けにされ横並びになっている状態でそれらを大きく取り囲んで一つの世界となっている。 自分の関係ない欲求に対して色々思うことはあっても別の欲求はそこだけのルールで成り立っている。 価値や質をその人以外が判断することはできない。 他の人がしていることの悪いことよりも自分がしていることの良いところをしっかり言えるように努力していこうと思う“ コンテンツが多様化し、場所を選ばず自分の好きにアクセスできるようになった。 かつてはコンテンツが限られていたため、共通の“スター“が存在できた 国民的スターは今後さらに減少していくだろう 感動の共有もさらに減少するだろう だがニッチな欲求はどんどん拡大し一つの大きな塊になりその中で感動を共有する意識を持つことが我々にも必要ではないだろうか 気になる問題に鋭く切り込み読者に考えさせる…本当に素敵だと思う
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仕事のことを忘れて読むつもりが、結局は自分の仕事のことを考えながら読んでいた笑。 舞台となっている制作の世界だけに関わらず、現代のビジネス全般に起こっている現象、そこに関わる人達の葛藤をすごく的確に表現できている作品だと思う。 周囲に流されない自分の信念というものがより求められる...
仕事のことを忘れて読むつもりが、結局は自分の仕事のことを考えながら読んでいた笑。 舞台となっている制作の世界だけに関わらず、現代のビジネス全般に起こっている現象、そこに関わる人達の葛藤をすごく的確に表現できている作品だと思う。 周囲に流されない自分の信念というものがより求められる時代になったのかな。 それには、自分の感じたことをありのままに大切に扱うこと、今を全力で取り組むこと。 でも、人は世界に単体で存在しているものではなく、必ず周囲と影響し合うものだから、それがすごく難しいことなんだけどな笑
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考え方、価値観、それぞれ色々なものがあるけど、若い主人公だからこそしっくりくる内容。 読み方によって捉え方も変わるかも。
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表現する側も見る側も、心が大事だし、磨いていくことが大事だと思った。 あと社会を見ることも。 時代変わっていくから、自分が発信することを良いと心から嘘偽りなく思えつつ、技術を磨くこと大事やねんなと思った。 私はロボ団の発信もその気持ちからやっているか? 私自身の写真もその気持...
表現する側も見る側も、心が大事だし、磨いていくことが大事だと思った。 あと社会を見ることも。 時代変わっていくから、自分が発信することを良いと心から嘘偽りなく思えつつ、技術を磨くこと大事やねんなと思った。 私はロボ団の発信もその気持ちからやっているか? 私自身の写真もその気持ちから発しているか? 私の写真はその気持ちからである。「心」が発信源である。 それをどう届けるかであるよな。 例えば私でいうところの写真で言うと、写真表現の極め方として私がやってきたことこそ最上だし、それ以外の写真表現は稚拙であると思い込みたいから批判しちゃう的な文章あってんけど、私はそういう風に思っているところも思っていないところがある。 私がやっていることって極めているプロとは言い難くて、私以上にやってる人はごまんといるから私が認められない理由もわかる。だから私がやっていることこそ最上とは到底思えない。 しかし私よりも歴が浅い人とか、私よりアマチュアな人の表現見ると、この表現はまだ評するに値しないなと無意識的に判別してしまっている。言い換えると私より苦労や努力をしていない人に対して評価をしないというやり方で批判している。 わたしがやりたいと信じること。あなたの素敵さを引き出すために散歩して対話しながら、その時にしていた魅力的な表情を写真という形で提供すること。それに対しては自分の感覚に正直に居よう。と思った。
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時代への違和感。 映画とYou Tube。クオリティが高く有料のものと、質はこだわらずに無料で消費されるもの。それに対して自分の物差しを、価値観をどう揺るがせずに生きていけるか。 日々生きてる中でなんとなく感じてる違和感を言語化することが著者は長けている。口にできないモヤモヤ...
時代への違和感。 映画とYou Tube。クオリティが高く有料のものと、質はこだわらずに無料で消費されるもの。それに対して自分の物差しを、価値観をどう揺るがせずに生きていけるか。 日々生きてる中でなんとなく感じてる違和感を言語化することが著者は長けている。口にできないモヤモヤを明示される。 今読むことに意味がある。 数年後、10年後、この作品はどのように受け止められるのだろうか。
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朝井リョウの書き方、文章表現が本当にすごいと思う。 人間観察をしているがゆえに、言語化できる能力、見習いたいw
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初めて読んだ朝井リョウさんの作品(ハードカバー版で読了)。 一つ一つの描写の表現が素敵で、心に残った表現をたくさんメモしてしまった。恋心の芽生えを表現するのに、「ホットケーキを焼き始めるときみたいに、自分の心の表面が…ぷつぷつと膨らみ始める予感を抱いた」って普通表現できますか!?...
初めて読んだ朝井リョウさんの作品(ハードカバー版で読了)。 一つ一つの描写の表現が素敵で、心に残った表現をたくさんメモしてしまった。恋心の芽生えを表現するのに、「ホットケーキを焼き始めるときみたいに、自分の心の表面が…ぷつぷつと膨らみ始める予感を抱いた」って普通表現できますか!? 才能がなくても世界に発信できる今の時代、何が本当に「価値」がある作品なのかわからない、そもそも今まで自分が信じていた「価値」って本当に価値があるものなのか、受け手と発信者のどちらの「心」を重視した作品にすればいいのか、正解のない問いに、尚吾と紘という正反対の路線をいって悩み苦しんだ二人を通じて向き合わされる本。 まさに、浅沼が、「答え」を持っている人間と思われたがっていた尚吾に対して言っていた、”答えよりも問いをくれる作品”が、この『スター』という小説だと思う。
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