スター の商品レビュー
面白かった! 映像制作会社/youtubeと活躍のフィールドを選んだ2人のそれぞれの苦悩や生き様が描かれていて、すごく良い。と思えば、2人以外の登場人物の葛藤も書かれていて、だいぶ読み応えあった 対局側にいると思われていた2人も、最後は、、 この作品を2023年に書かれている朝井...
面白かった! 映像制作会社/youtubeと活躍のフィールドを選んだ2人のそれぞれの苦悩や生き様が描かれていて、すごく良い。と思えば、2人以外の登場人物の葛藤も書かれていて、だいぶ読み応えあった 対局側にいると思われていた2人も、最後は、、 この作品を2023年に書かれている朝井リョウさんはすごい。
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尚吾が監督に脚本を提出していたときに浅沼から言われていた、多様性に目を向けすぎようとしているという言葉、私が朝井リョウさんの「どうしても生きてる」を読んだ時にまさに感じたことでした。 朝井リョウさんもその葛藤を乗り越えたのかなと、勝手に推察していました。
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ガー 朝井リョウ、2023年にこんな作品も描いていたのかーさすが 私は昔から漫画もアニメも大好きで、小学生の時はひたすら紙の漫画を読んでビデオ屋さんでビデオを借りてアニメを見て、それがどんどんDVDになって、携帯で漫画を読むようになって、いつのまにかサブスクで映画を観て、電子漫...
ガー 朝井リョウ、2023年にこんな作品も描いていたのかーさすが 私は昔から漫画もアニメも大好きで、小学生の時はひたすら紙の漫画を読んでビデオ屋さんでビデオを借りてアニメを見て、それがどんどんDVDになって、携帯で漫画を読むようになって、いつのまにかサブスクで映画を観て、電子漫画に課金して、Kindleを読んで、YouTubeを見るようになった。 時代の流れに乗っていろんなおもしろいモノを享受する側だったけど、この作品を読んで、「作る側」「提供する側」の観点や悩みや葛藤がすごくクリアに分かった。 YouTubeは、不特定多数、完成度が高くなくてもどんどん自分の作品を発信できて見てもらえる。その代わりスピード感や量が勝負で、消費されるエンターテイメント。秩序がない。 映画は、サブスクやYouTube、その他の映像配信サービスが増えて、映画館にわざわざ足を運ぶ人が減った。映画館が潰れた。莫大な費用と、時間と、完成度が求められる、作成側がこだわり抜いた作品のみが形になって世に出る。 尚吾と絋、2人の天才は大学卒業後、自分の感性を信じて違う道を歩んだ。それぞれの場所で活躍し、悩み、時代に流されたり流れなかったりして自分の答えを見つけていく。 良いものは越境する。 結局、自分に嘘をつかず、心や作品に向き合うこと。 この先もっともっと移り変わる時代の中で、尚吾は細部にこだわって作品を撮っていくんだろうし、絋は鐘ヶ江監督の作品に向かう姿勢に魅了されて素晴らしいドキュメントを撮るんだろう。 千紘と帰った帰り道を尚吾は大切な場面で思い出し、作品に取り入れるんだろう。 正解が分からない、正解がない時代だからこそ、若者が自分の心の動きやどうしようもない情熱や悩みに向き合いながら作品を作っていく、そういう未来が想像できて、前向きな終わり方だなと思った。 朝井リョウも、良いものはジャンルを超える、作り続ける、向き合い続ける、って自分に言い聞かせてるんじゃないのかなと思えた。 クリエイターって表現者ってすごいなと改めて思う。
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私はYouTubeを拠点に活動するバーチャル配信者…VTuberだ。 そして同命者(≒私の中の人)は、まがりなりにも、とある別の創作活動をしている。 そんな同命者は、自身もむかしは尚吾のような考えを持っていた……。 そのことを、思い出させられたみたいだ。 「歴史に名を残したい。 一流のものに触れるべき。 クリエイターたるものストイックたるべき。」……。 ただ、大人になった今、作中尚吾に覚えていたのは、ある種の同族嫌悪だったのかもしれない。 あるいは嫉妬だったのだろうか。 その教えをまさしく実行し、実現せんとする一人の青年に対しての。 同命者は、その「べき」を頭の中で盲信しつつ、実行できない自分が苛立たしくて、自縄自縛に陥ってしまっていたのだから。客観的にみれば、滑稽な話だけどね…。 ともあれ、此度は同命者の心のざわつきを傍らに、本書を読み進めた。 当初、「二人の主人公はどちらも厳しい現実を前にして夢破れる」……そんなシナリオを勝手に予感してしまい、身構えていた。 (特に紘と大樹とのやりとりは、その予感を感じてヒリヒリした) けど、蓋を開いてみれば、袂をわかったかに見えた二人の旅路は「心」に収束し、穏やかな再開を果たした。 そして主だった登場人物一人ひとりが、見えざる神の手でジャッジされることなく、それぞれの道を進んでいくことが示唆されるエンディングであると感じた。 (そういえば、大樹ですらも、単なる露悪的なキャラクターではなく、行動に理念とバックグラウンドがあったことが示されたことには舌を巻いたものだ。彼のそれが正しいか、真に実りあるのかはともあれ。閑話休題。) 私も同命者も、共通してることがある。 何かを表現する身であること。 そして……独りよがりであることだ。 需要がなくても、例え誰が見ていなくても、誰にも届かなくても、自分がいいと思ったことならやる。 そんな逆張りで、ふんぞりかえってしまう所がある。 ……少なくとも、昔は今にも増して、確実にそうだった。 今もその嫌いはあろう。 けど、変化もある。 ネットを通して色んな形の表現をするようになって、そこには必ず受け手がいるのだと知った。 自分の表現が誰かに届いて、反応をもらえる。 見守ってもらえる喜びを知ったのだ。 いつだって、作品の向こう側には人がいる。 情報を放った先には、人の心がある。 ……これを読んでくれる方は、決して多くないかもしれない。 でもそれでいい。本当にありがとう。 最後に、私が作中で最も印象に残った台詞のひとつを記して、結びとしたい。 「私の言葉を信じるのではなくて、私の言葉をきっかけに始まった自分の時間を信じなさい。その時間で積み上げた感性を信じなさい」
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自分の好きな作品について、どうかその作者が作りたいものを作れていて、それによって生活も満足に成り立っていると良いと思う。 ただ現実はきっと作りたいものを作っているだけじゃない。 プロとして生活のために制作を選ぶことは、自分の好きなことだけをやれるわけではない。 安定したクオリティ。予算内での模索。定められた期間。 何よりも、売り上げ。 需要を満たし、経済活動となること。 それによって自分が生活していけるということ。 主人公の尚吾と紘は、共作映画で受賞してから方や伝統的な監督路線へ、方やSNS中心のファストコンテンツの方向へと向かっていった。 前者は裏打ちされた信頼があるものの多様化する社会の中で牌の取り合いに苦戦し、後者は急速に需要を集めながらもその信用度は不確かである。 二人は互いに違う道を歩みながら、互いに理想との乖離に出会い、夢破れた先の人物に出会い、互いの進んだ道を理解ないままに羨む。 全く別の道を歩んでいるうに見えて、よく似た道筋になっている仕組みが巧みであった。 自分は素人ながら絵を描くことが好きで、関連して色々作ったりもしているけれど、プロではないので好きなことをしているにすぎない。 本来は作っても作らなくてもいい。 プロは違う。 自分の作りたいものではなくても役割として負ったのなら作らなくてはならない。 どんなに理想があったとしても実力や適正がなければその椅子には座れない。 ただそれは、直面した時は人生丸ごと無駄にしたように絶望するだろうがそうではない。 夢破れて自分に座れる椅子でやっていくことを決めた人。 そのひともまた、そこに至るまでに得た経験は無駄になってはいない。 最終的に彼らは、決断する時に脳裏に過る顔を裏切らない形で進む道を決意していく。 自分の作るものは趣味でしかない。 けれど、自分がしているVtuber活動の中で何をするか選ぶ時に、誠実であるべき対象としてよぎる顔はいつもみてくれるあなたのことですよ、本当に。
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最後がよかった。欲求に上も下も大小もなく、ただそこにある。こうと省吾が後輩泉に言った言葉に、ひどく共感したし気持ちよかった。よく言い負かした!と思った。だから、その後の千紗の言葉にギクッとした。ただひとつ、全ての事象は人の心が動いて起こること、いたずらに弄ぶような真似はしたくない...
最後がよかった。欲求に上も下も大小もなく、ただそこにある。こうと省吾が後輩泉に言った言葉に、ひどく共感したし気持ちよかった。よく言い負かした!と思った。だから、その後の千紗の言葉にギクッとした。ただひとつ、全ての事象は人の心が動いて起こること、いたずらに弄ぶような真似はしたくないこと、今決めているのはそれだけ。
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同じ場所からスタートした2人が別々の道を歩み、そこで違う世界を見て、感じて、考えて、出した答えがまた2人を繋げる。 「細かいところまでしっかりこだわる」尚吾と「自分の目で見て良いと思ったものを撮りたい」鉱。 どっちが良くて、どっちがすごくて、どっちが本物かなんて比べることができ...
同じ場所からスタートした2人が別々の道を歩み、そこで違う世界を見て、感じて、考えて、出した答えがまた2人を繋げる。 「細かいところまでしっかりこだわる」尚吾と「自分の目で見て良いと思ったものを撮りたい」鉱。 どっちが良くて、どっちがすごくて、どっちが本物かなんて比べることができないのに、勝手に上か下かを決めて優越感に浸ったり、相手を嫌いになったり、自分を信じれなくなったりするのは本当に勿体無いと思った。 千紗が言ってた通り 「そのときのために、私は、誰かがしてることの悪いところよりも、自分がしてることの良いところを言えるようにしておこうかなって、思う」 この言葉の通り誰かと比べて勝手に優劣を決めたりするんじゃなくて、自分は自分の突き進みたい道を行くのが1番だと思う。 人と比べていいことなんてないよね。 個人的に朝井リョウ作品4作目にして初めて読後の感想をしっかり言語化できる気がする。今までは感情を掻き回されてもそれをどう言葉にすればいいのかわからないそのモヤモヤが心地よくて、誰かと語り合いたくなるのが好きだったからこれは1人で納得できちゃって少し寂しい気もする。
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「そのときの自分にとっての百点が求められてるわけじゃない。毎日投稿してること自体をすごいって言ってくれる人がいる。動画長くして広告いっぱいつければ実入りは増える。ないものをあるように見せられるし、そういう奴でも勝ち続けられる」 「尚否は初めて金銭が発生する映像仕事だって喜んでましたけど、俺はその金銭がなんか怖かったんですよね。俺にきた依頼じゃなくて、賞の名前とかその賞が持ってる歴史とか、そういう、俺自身とは関係ないところにある文脈に金が払われてる気がして」 紘は、声に出さずに繰り返してみる。 「どんな世界にいたって、悪い遺伝子に巻き込まれないことが大切なんです。一番怖いのは、知らないうちに悪い遺伝子に触れることで、自分も生まれ変わってしまうことです」
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冒頭にあった「人は選択することに多大なエネルギーを費やしている」というスティーブ・ジョブズ的思考のとおり、彼らの選択への苦悩が痛いほど理解できる。ただこの苦悩を経ることも必要なんだ。
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2025/10/06 正統派の映画にこだわる尚吾と、今の時代にフィットした動画編集をする絋。自分と違う土俵に立つ相手のことを羨み認めたくない気持ちで揺れる。尚吾と鉱のいいとこ取りする泉の事も認めない理由を探す…みんな得意なことが違い、それぞれのファンを持てばニッチな人たちのスターになり得る。話の本筋ではないがユーチューバーは限られた一部の人ではなく、その人にとってのスターになればいい、そのユーチューバーは手の届かない超高収入の人ではなく会社員的な稼ぎでやっていく人もいる、そんな見方は知らなかった。私も偏見で凝り固まってる。そんな知らない世界を朝井リョウの本ではいつも見せてもらえる。 千紗の、自分はしないと決めたことをしている他人を糾弾する、その作業をしない まさにそのとおりだと思った。いつももやもや思っていることの言語化が本当に素晴らしい。 今ごろ遅いけど、朝井リョウ強化期間!
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