ものがわかるということ の商品レビュー
本のタイトルである『ものがわかるということ』ってどう言う事だろう?と思い、本書を手に取りました。 何でも単純に明確にしようとすれば理解できると思っていましたが、どこかに正解があるはずと思い込み、意味のないものに意味を見出そうとしたり、理解できなくても良いものを理解しようとしたり...
本のタイトルである『ものがわかるということ』ってどう言う事だろう?と思い、本書を手に取りました。 何でも単純に明確にしようとすれば理解できると思っていましたが、どこかに正解があるはずと思い込み、意味のないものに意味を見出そうとしたり、理解できなくても良いものを理解しようとしたりしていたのだなぁと、改めて考えさせられました。 また今までは自我と言う考えに近かったので、心で相手に共感するから心は同じもので、身体が個性であると言う考えは新鮮でした。 身体の感覚に従う、時にはファクトやエビデンスすら疑う。やるべき事をやる忍耐が必要。など、程度の問題では大切ですが、行き過ぎれば良くないのでは?と言う事も書かれたりして面白かったです。
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自分自身の物差しを持って物事を語ることができるようになれるのはいつになるだろうか。 そんなことを感じさせる一冊でした。
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自分で体験した感覚を大事にして、まわりと比較してどうこうという価値観に囚われないようにしようと思った。わかったつもりにならずに変化していく前提を忘れずに自分の変化も他人の変化も喜べるような人間になりたい。
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ものがわかるようになるのかなと思って手に取って読んでみたが、結局わからなくてもいいのかなと思った。現代は都市化、情報化して何でも意識して頭の中で組み立てるから、衰えてしまう感覚を育てるためにも、田舎や森や自然に触れようと訴えていた。「自然に直面し、身体で感じることが大事」というと...
ものがわかるようになるのかなと思って手に取って読んでみたが、結局わからなくてもいいのかなと思った。現代は都市化、情報化して何でも意識して頭の中で組み立てるから、衰えてしまう感覚を育てるためにも、田舎や森や自然に触れようと訴えていた。「自然に直面し、身体で感じることが大事」というところが大事かなと思った。
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ものがわかる、というのは、世界の理みたいなものを自分のコントロール下に置くこと、なのかなと思う。 1+1=2みたいな数字や記号の世界でなら、"わかる"ことはできるだろうけど、それを現実の世界にも当てはめようと、当てはめられるに違いないと、そうやって考えるのは驕...
ものがわかる、というのは、世界の理みたいなものを自分のコントロール下に置くこと、なのかなと思う。 1+1=2みたいな数字や記号の世界でなら、"わかる"ことはできるだろうけど、それを現実の世界にも当てはめようと、当てはめられるに違いないと、そうやって考えるのは驕りですよと、本書の中で養老さんは指摘する。 知るとは自分が変わること。 学ぶとは自分の見方が変わること。 つまり、知れば知るほど、学べば学ぶほど、わかろうとすればわかろうとするほど、 受け手の自分がどんどん変わってゆくのだから、 そしてどう変わるかも、いざ変わってみないとわからないのだから、 ものが"わかる"日はたぶん永遠に来ない。 ましてや相手がいれば、つまり人と人がもがきながら共に暮らしている現実世界では、自分も相手も変わるのだから、わかるわけがない。 「ああすれば、こうなる」どころか、「どうなるかわからない」ことだらけだ。 それでも、わかりたいから、身体と心をつかって対象に触れつづける。 わかったからどうなるでもないし、その先に何があるかもわからないけれど、わかろうとしつづける。 ちょうど子どもの頃のわたしたちが、理由もなく世界の探検家だったように、損得勘定のない好奇心を大人ももっと持ったほうが生きやすいんじゃないか。 世の中難しく考えてしまいがちな方にぜひ読んでほしい、知の巨人による、肩の力を抜くのにぴったりなエッセイです。 ----- 知るとは、自分が変わることなのです。 自分が変わるとはどういうことでしょうか。それ以前の自分が部分的に死んで、生まれ変わっていることです。 p.38 ある朝学問をして、自分がまたガラッと変わって、違う人になった。それ以前の自分は、いわば死んだことになります。それなら、夜になって本当に死んだからって、いまさら何を驚くことがあるだろうか。『論語』の一節は、そういう反語表現だというのが私の解釈です。 p.40 人間はいやおうなく変わっていきます。どう変わるかなんてわからない。変われば、大切なものも違ってきます。だから、人生の何割かは空白にして、偶然を受け入れられるようにしたおかないといけません。 p.40 木や草が生えていても、建物のない空間を見ると、都会の人は「空き地がある」と言うでしょう。人間が利用しない限り、それは空き地だという感覚です。 空き地って「空いている」ということです。ところがそこには木が生えて、鳥がいて、虫がいて、モグラもいるかもしれない。生き物がいるのだから、空っぽなんてことはありません。それでも都会の人にとっては、そこは「空き地」でしかないのです。 p.41 都会には人間の作ったものしかありません。人間の作ったものには設計図があります。子どもは違います。うちの子がなんだか変だと言っても、設計図がもともとないので、どこがおかしいのか、はっきりとわかるものではありません。 その意味で、子どもは不合理な存在です。都会には不合理な存在を相手にしたくない人が大勢います。子どもをもう産みたくない。子どもを持ってもしょうがない。それが少子化です。 p.47 生まれてきたら、もうそこには世の中があった。言い方を換えれば、私たちは全員、世の中に遅刻してきています。世の中を生きていくということは、その中に巻き込まれていくことです。だったらえまく巻き込まれていくしかありません。 p.94 自分とは「創る」ものであって、「探す」ものではありません。それが大した作品にならなくたって、仕方ない。そもそも誰が「大した作品」かどうか判断するんでしょうか。 p.97 自分の行動は、すべて自分でコントロールできていると思っている。そんなものは驕りです。 p.106 人のことをわかりたいというのは、裏を返せば自分のことがわからないということです。わかるわけがありません。自分は変わるからです。いや、自分だけじゃなく相手も変わる。自分のことさえわからないのだから、他人のことがわからないのは当たり前です。 p.119 結婚しない人が増えているのも当たり前で、結婚はノイズと障害を共にするようなものです。少子化も同じ理由です。子どもはノイズそのものですから。 p.142 大人は、子どもが好きなことをやっているときに、それが何のためかという無意味な質問を繰り返す動物です。 p.187
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久々の養老先生だった。 色々なことが、とても府に落ちた。 産まれたときに、世の中ができていて、 遅刻してきたのだから、とりあえず、受け入れるしかない。 好き嫌い関係なく、とにかくやってみることが大事。 何度も繰り返しているうちに、「型」が身に付く。 新社会人に読んでほしい本...
久々の養老先生だった。 色々なことが、とても府に落ちた。 産まれたときに、世の中ができていて、 遅刻してきたのだから、とりあえず、受け入れるしかない。 好き嫌い関係なく、とにかくやってみることが大事。 何度も繰り返しているうちに、「型」が身に付く。 新社会人に読んでほしい本。 空いた時間にちょこっとずつ読める。 現代はあまりにも情報化社会の為、 あまり自分の頭で考えることが少ない気がする。 コスパ、タイパを求めるあまり、 じっくりと物事を見ることも少ない。 「不自由な暮らしをすれば、本当に必要なものは大して多くない」 自然や里山で、もっと自分の感覚を磨き、自分の感覚を信じる事。 個性は身体そのもので、心に個性はない。 心は共通性があるから、理解しあえたり感動したりできる、はとても納得。
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世の中は、私のためにあるわけじゃない 好き嫌いと関係なく、世の中はすでに存在している。 自分とは「創る」ものであって、「探す」ものではない。自分に合った仕事とか考える前に、ともかくできそうな自分を「創ってみる」しかない。そのために必要なことは、身体の世界や感覚の世界を、身をもっ...
世の中は、私のためにあるわけじゃない 好き嫌いと関係なく、世の中はすでに存在している。 自分とは「創る」ものであって、「探す」ものではない。自分に合った仕事とか考える前に、ともかくできそうな自分を「創ってみる」しかない。そのために必要なことは、身体の世界や感覚の世界を、身をもって知ることのみ。 自分は固定されたものではない。自分が変わることで、世界の見え方が変わる。だから面白い。
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タイトルを見て、自分のものの見方が根底から覆るかもと期待して読み始めた。 序盤に知るとわかるの違いが書いてあった。知るは具体的な一面を知って、わかるは応用ができるようになるようなことだった。その先はワクワクする知りたいことがなくて読み進めなかった。
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p108 いつも私は別に伝わらなくていいと思って喋っています。私が書いた本を読んだ人から、「先生、なんかぶつぶつ言ってますね」と言われたことがあります。この「ぶつぶつ」が面白いと。私の文章は、理屈や論理がすっと通っているわけじゃありません。 まさにこの文章通りの本でした。 残念...
p108 いつも私は別に伝わらなくていいと思って喋っています。私が書いた本を読んだ人から、「先生、なんかぶつぶつ言ってますね」と言われたことがあります。この「ぶつぶつ」が面白いと。私の文章は、理屈や論理がすっと通っているわけじゃありません。 まさにこの文章通りの本でした。 残念ながら、私はこの「ぶつぶつ」を面白く感じることが出来ませんでした。
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『ああすればこうなる』 この運動を10回3セットすれば1か月で3㎏痩せる このエアコンのスイッチを押せば、室温が下がる。 世の中は “ああすればこうなる” であふれている。 でも違うんだよな~、自然は不確実に変化し、自身もそれに合わせて変化する。 変化した自信を感じてまた...
『ああすればこうなる』 この運動を10回3セットすれば1か月で3㎏痩せる このエアコンのスイッチを押せば、室温が下がる。 世の中は “ああすればこうなる” であふれている。 でも違うんだよな~、自然は不確実に変化し、自身もそれに合わせて変化する。 変化した自信を感じてまた変化する。『考えるな、感じろ』てことですかね。
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