ものがわかるということ の商品レビュー
この本で、一番、印象に残ったのは、「人は変わり続けるものである」ということでした。 どうして、自分のことを勝手に決めつけられて、あんな言われ方されないといけないのだろうと、腹を立てたり、悲しい思いをすることもありますが、自分でさえ、昨日の自分と今日の自分は違って、同じ人ではないの...
この本で、一番、印象に残ったのは、「人は変わり続けるものである」ということでした。 どうして、自分のことを勝手に決めつけられて、あんな言われ方されないといけないのだろうと、腹を立てたり、悲しい思いをすることもありますが、自分でさえ、昨日の自分と今日の自分は違って、同じ人ではないのに、他人のことなどなおさら分かるはずもないと、そうすると、その人の発言は、その人のその時点の気持ちを述べたものにすぎないのであって、言われたこちらが一喜一憂するものではないと、受け流せる気がしました。 本書のテーマ「ものがわかるということはどういうことか」とはずれていますが、「人は変わり続けるものだ」ということを意識するだけで、心がより穏やかになるので、読んでよかったです。 あと、頭で考えるだけでなく、実際に体験することが重要だとも思いました。頭でっかちな人間にならないように留意していきたいです。
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「ものがわかる」ということは、自分が変わるということ この考え方を随筆のような形式で語った本です。 養老さんのお話は興味深いものが多く、よくyoutubeにアップされている対談などを聞いたりします。改めて、非常に賢く視野が広い方だと思わされました。 思考に偏り過ぎずに身体と頭両...
「ものがわかる」ということは、自分が変わるということ この考え方を随筆のような形式で語った本です。 養老さんのお話は興味深いものが多く、よくyoutubeにアップされている対談などを聞いたりします。改めて、非常に賢く視野が広い方だと思わされました。 思考に偏り過ぎずに身体と頭両方で世界に触れ、生涯通して自身を創っていくということは、言い換えると常に擬似的な生死を繰り返して自身を更新していくことであり、生きていく上でとても大切な考え方だと思います。
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養老先生の言うことは説得力があるなといつも思う。もちろん簡単に「わかった」ような気持ちになってはいけないだろうけど。 共鳴。 わからなくていいし、理由や目的も求めなくていい。これ、心に留めておきたい。
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養老先生だからこその文章の端々から感じる知的な色気。この態度や思考を自分が反芻しても、それそこ身体性が欠落した薄っぺらい自称達観マンになってしまうのだろう。 世の中まだまだわからないことだらけという事実に向き合いたくて、一つ一つわかろうとしていくのはなんかわかる(わかりづらい?笑...
養老先生だからこその文章の端々から感じる知的な色気。この態度や思考を自分が反芻しても、それそこ身体性が欠落した薄っぺらい自称達観マンになってしまうのだろう。 世の中まだまだわからないことだらけという事実に向き合いたくて、一つ一つわかろうとしていくのはなんかわかる(わかりづらい?笑)
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ものがわかるということ 養老孟司 ∞----------------------∞ 患者(生きている人)を相手にしていると不安でならなかったけど、遺体だとこんなに落ち着く作業はない。虫を相手にしている時が1番落ち着くという養老さん。 学習とは身に付くこと。「文武両道」とは、文は脳への入力、武は出力で身体を動かすこと。 知識や教養は反復し、身につけるもの。 知るとは自分が変わること。 分かるとは自分の見方が変わること。 個性とは自分の身体そのもの。個性を求められたことによってマニュアル人間が大量に生まれた。 人の視点はバラバラなはずなのに1つの視点しかないテレビというものが普及し、みんな同じであるかのような錯覚が生じる。人はみんな違うということを忘れてしまい、感覚が鈍ってしまった。 フェイクニュースと黒塗りの教科書。何が正しいか間違っているかを見極める。 世の中には意味の無いものの方が多い(池田清彦さんの「人生に意味なんかいらない」も読んでみたい)。 2023/11/20 読了(図書館)
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現代の情報化した社会は、意識=理性=脳=都市が前面に出た社会である。簡単に言えば、ああすればこうなるという共通了解がまかり通った社会である。それに引き換え、無意識=感覚=肉体=自然が今の社会では重要視されない。現代社会が抱える問題はこれらの欠如から引き起こされている。すなわち、言う通りにならない代表格として子供は欲しくないし、金にならない自然はあっても仕方ない。SNSは肉体のない脳同士が集まっているだけだから、炎上する。
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養老さんはこれまでのベストセラー等で存じ上げていましたがきちんと本を読むのは今回が初めてでした。どこか難解な文章かなと少し身構えしていましたが縁側でお茶でも飲みながら養老さんが話してくれている。それもどこか理路整然ではなく思いつくままに。といった感じで読みやすさはあります。更に小...
養老さんはこれまでのベストセラー等で存じ上げていましたがきちんと本を読むのは今回が初めてでした。どこか難解な文章かなと少し身構えしていましたが縁側でお茶でも飲みながら養老さんが話してくれている。それもどこか理路整然ではなく思いつくままに。といった感じで読みやすさはあります。更に小分けされたひとつの文章が3ページ程度で終わるのでこれまた読みやすい。読み終わる区切りをつけやすいのは助かります。 だが読みやすいとはいえ理解出来たかと言うと甚だ疑問でした。前半はいろいろと気付かされるところがあり面白い。しかし中盤からは田舎の自然の話になってあれあれとなる。終盤で話はまとまりますが自分の日常にイメージを落とし込むことが出来ずに終了。 結局のところ全体を通じて理解できなかったという不安感が残りましたが、そんな不安をあとがきで払拭して下さるのは養老さんの優しさだと感じました。読んで気づいたことを明日から活かしていくのはともかく、この先時折読み返して新たな発見が出来る本なのかなと思いました。
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「わかる」 自分の言葉で整理をして、理解して、言語化できること これが読む前の自分の考えだった。 養老先生の考え方は、忙しなくすぎる現代を生きる私たちにとって、「そんなに焦らずに生きよう、もっと自分の気持ちに素直になってやりたいことをやろう、生きたいように生きよう」って優しく...
「わかる」 自分の言葉で整理をして、理解して、言語化できること これが読む前の自分の考えだった。 養老先生の考え方は、忙しなくすぎる現代を生きる私たちにとって、「そんなに焦らずに生きよう、もっと自分の気持ちに素直になってやりたいことをやろう、生きたいように生きよう」って優しく語りかけてくれているように感じた。 特に子どもと関わる仕事をしているじぶんにとっては、 「思い通りにならない」存在、「ああすれば、こうなる」が通用しない存在という前提があることで、ストレスなく、もっとラクに関わることができるんじゃないか?というヒントをもらった気がする。 世の中は自分のためにあるわけではないというのは当たり前のことなんだけど、気づかないうちに人間は自分の思い通りになることを期待してしまい、そのギャップでストレスを溜め込んでしまっている。 「怒り」の感情もそこから湧いてくるはず。 前提を変えること、相手を変えようとするのではなく、自分が変わろうとすること。 「どうやったら勉強をさせられるか?」ではなく、「どうやったら勉強をしてもらえるか?」相手に対する自分の言葉や行動にその糸口を探していくことが大切だと思った。あとは、とにかくやってみること、こうやって言葉で分かっても、行動に移してみないことには何も分からない。 やってみて、何がわかって、何が分からないかが、初めて分かる。 行動に移そう、移し続けよう。 (その他) 都市化や機械化が進んだ現代、特に都市部では、便利なテクノロジーが人間が本来持っている好奇心や考える力を奪っている、そして自然を排除し、無駄なものをなくし、無機質になっている。 だからこそ、今の時代は「現代の参勤交代」として、田舎に時々身を置くことで、生きることや自然との共生を身をもって体感する必要性を説いているのかなと思った。
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すらすら読めるのに・・・メモしていて時間が掛かってしまった。老眼が進んでいて疲れる・面倒というのもあるし~「わかる」とは,どういう現象か,解剖学的に聞かれるが,それは「自分が変化する」ことだ。知らなかったを知るのは変化すること。変化する自分を受け入れること。それに対して,他人の心...
すらすら読めるのに・・・メモしていて時間が掛かってしまった。老眼が進んでいて疲れる・面倒というのもあるし~「わかる」とは,どういう現象か,解剖学的に聞かれるが,それは「自分が変化する」ことだ。知らなかったを知るのは変化すること。変化する自分を受け入れること。それに対して,他人の心を理解するのは共通意識を持つことだが,意識こそが不変だと思い込むことを教育されてきた。そうしないと生き辛かった。一神教的な世界で,神は不変であり,人の魂(脳・意識)も不変だと考えられてきた。一方の身体は自然であり,環境であり,常に変わり続ける。今の人は都市に住み,不要なもの,草・虫・獣は邪魔者として排除して,不変なものとする。感覚ではなく,文字で・情報で理解しようとする。時々,都市から村へ移って感覚を研げば,大自然のルールと自分の体の中のルールが共振・共鳴するのではないか。そして変化を受け入れていく~私も多少変化がありました。地球温暖化は都市化の影響だというのは私も同感です。人は都市に住みたがり,ヒートアイランドを拡大していく。気温の観測なんて殆ど不可能なんだ。最高気温と最低気温じゃ何も分からない。え~と,嘘の話も面白かったね。嘘には3種類あって,①意図的に作る②メタメッセージ(取捨選択によって作る)③無意識で作られる。②が面白い。全部関連記事にしていけば,受け手は重大事だと勘違いしてくれる。昨今のジャニーの性加害がそれじゃない?? ノンフィクションとして面白い本でした。本当か嘘かは分かんないけど,多分正しいと思う。共感できるから
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わかる、知るとは自分が変わること。例として何回も同じ映画を見てみる、そうすると情報は変わらないけど、感じ方など人が変わっていく。なので「ああすれば、こうなる」ではなく「ああしても、こうならない」ような自然体験を重ねることの大切さを養老先生っぽい言葉で綴られてます。 気楽に読めるぶ...
わかる、知るとは自分が変わること。例として何回も同じ映画を見てみる、そうすると情報は変わらないけど、感じ方など人が変わっていく。なので「ああすれば、こうなる」ではなく「ああしても、こうならない」ような自然体験を重ねることの大切さを養老先生っぽい言葉で綴られてます。 気楽に読めるぶん、つい何となく読んでしまいがちですが、本質をついてると思います。
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