木挽町のあだ討ち の商品レビュー
雪の夜の仇討ちから二年。 目撃者の話を聞いて回る若侍。 その真相は…。 劇団☆新感線の座付作家中島かずきさんのtweetきっかけで手に取った(帯もかずきさんが書いてた)。 新感線でやってもおかしくない時代物。
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江戸時代の話だけれど、人情というのは今と変わらない。 一八とおっかさんの乾いた関係は、想像を絶するものがあるし、ほたるの来し方もかわいそうという言葉さえ超えるものがある。 人がいればそれぞれに事情がある。 そんな人たちの中に白いゆりのような菊之助がやって来た。 読んで良かった。
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木挽町の芝居小屋の皆様、最高です。読み終えて率直な感想はこれでした。 雪の夜、木挽町芝居小屋の裏手で、菊之助は実父を殺めた作兵衛を斬り、仇討ちを成し遂げる。その二年後にある若侍が、当時の仇討ちの委細を聞くために木挽町を訪れる。 若侍が芝居小屋の皆様に聞いて回っていくように物語...
木挽町の芝居小屋の皆様、最高です。読み終えて率直な感想はこれでした。 雪の夜、木挽町芝居小屋の裏手で、菊之助は実父を殺めた作兵衛を斬り、仇討ちを成し遂げる。その二年後にある若侍が、当時の仇討ちの委細を聞くために木挽町を訪れる。 若侍が芝居小屋の皆様に聞いて回っていくように物語は進み、読んでいるこちらも仇討ちの詳細や真相を知っていく。木戸芸者の一八、殺陣の指南役の与三郎、女形のほたる、職人の久蔵、戯作者の金治、それぞれに仇討ちの話を聞きながら、それぞれの生い立ちなども聞いて回る。みな芝居小屋に来るまでに語りきれれないくらいの人生があり、生き様を知ると皆が魅力的でもっともっと知りたいと感じる。辛く苦しく割り切れないことを乗り越えてきている方ばかりで、だからこそ言葉や意思に嘘偽りのない力があり響いてくる。一八の心根の優しさや与三郎の無骨さに安心して、ほたるのいまの名と久蔵の胸の奥に涙して、金治の人生に賛同したく思う。そして、菊之助の志と共に遂げたあだ討ち、お見事です。木挽町の芝居小屋に皆が集う未来を想像しておこう。
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気持ちいい 最初、時代劇風の言い回しで ちょっと、とっつきにくいかなと思ったが、 すぐ慣れて 第二幕で そういう展開ね 第三幕から 安心感でどっぷり世界観につかる そんな中 横串を通すような大きな謎 終幕での想像通りの大団円 タイトルのひらがな回収も気持ちいい 俺の想...
気持ちいい 最初、時代劇風の言い回しで ちょっと、とっつきにくいかなと思ったが、 すぐ慣れて 第二幕で そういう展開ね 第三幕から 安心感でどっぷり世界観につかる そんな中 横串を通すような大きな謎 終幕での想像通りの大団円 タイトルのひらがな回収も気持ちいい 俺の想像を超えてくる展開があると 超おすすめの★5になるんだけどな まあ、想像通りの水戸黄門的 気持ちよさも、これはこれで有りか オススメです
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時は江戸時代、訳あって仇討ちに人生を掛けた若侍その変転を語った人情物語、そのいきさつを聞きに来た者と芝居小屋の訳ありの人びとの話し最後はその敵討ちの顛末が分かり当時の武士は大変な人生を送ったことが判る感動の作品であった。
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菊之助の仇討ちの謎をベースにしながら、出てくる人物一人ひとりの背景を知っていくのが楽しい。芝居小屋が舞台というのも魅力。 読み終えて、登場人物みんな優しかったなぁと思ったんだけど、それは筆者の市井の人々への視線が温かいからなのかとも感じた。
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疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。 語り草となった大事件、その真相は――。 ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。...
疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。 語り草となった大事件、その真相は――。 ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で今もっとも注目される時代・歴史小説家による、現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!
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とっても面白かった。 最後に伏線は全部回収される。 ルビの振り方に若干違和感あり。最初の方では振ってないのに最終章で振るとは? ラジオで紹介されていたので購入。
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一種の舞台を見ているような錯覚をおこさせる作品だ。あるあだ討ちが発生して2年。当事者の知り合いが当時の事件の目撃者に会いに行く。そこで語られるあらましと彼らの生き方とは。ミステリなどでよくある事件の真相を探るために当事者たちにインタビューをして回るタイプの構成を時代小説に置き換え...
一種の舞台を見ているような錯覚をおこさせる作品だ。あるあだ討ちが発生して2年。当事者の知り合いが当時の事件の目撃者に会いに行く。そこで語られるあらましと彼らの生き方とは。ミステリなどでよくある事件の真相を探るために当事者たちにインタビューをして回るタイプの構成を時代小説に置き換えたユニークな本作。木挽町で生きる市井の人を丁寧に描きながらミステリとしてもしっかりと落としどころを付けている点が素晴らしい。時代小説しか読まない人はミステリが好きになりミステリ好きは時代小説が好きになる、そんな1作である。
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雪の夜のあだ討ち。多くの人が目撃していた。あだ討ちした若者の縁者に目撃者一人一人が語るその一部始終と、目撃者の来し方。 なぜ目撃者の来歴が語られるのか。そもそもあだ討ちの理由は、彼らの関係は… 繰り返されるあだ討ち話を読んでいくうちに立体的になるその夜。 じわじわともたげるある疑い。もしかして、もしかして。そして明らかになる、その真相。 うわああああ。ストンストンと腑に落ちる気持ちよさ。そういうことだったのか、と甦る伏線。 タイトルの意味も含めて、こんな完璧なあだ討ち見たことない!
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