木挽町のあだ討ち の商品レビュー
見たかって。ええ あれは立派な仇討ちでしたよ。 面白かったです 仇討ちをするまでのはなしなんですが、仇討ちが終わったあとに聞いて回っているところが ちょっと変わってて面白かった そして、いろんなひとが いろいろな事情で江戸に流れついているんだなぁ~ってところも面白かったです 最...
見たかって。ええ あれは立派な仇討ちでしたよ。 面白かったです 仇討ちをするまでのはなしなんですが、仇討ちが終わったあとに聞いて回っているところが ちょっと変わってて面白かった そして、いろんなひとが いろいろな事情で江戸に流れついているんだなぁ~ってところも面白かったです 最後もとてもよかったです もう一度7ページ読んじゃいました。
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仇討ちほど単純明快なものはないと思っていたが、このような仇討ちもあるのかと良い意味で思わせてくれた本書。 仇討ちをした菊之助という若い男と接点があった人たちから話を聞く形式で物語が進んでいく。と言っても菊之助の話はほんの少しで、話をする本人の来し方が大半だ。なぜなのだろうと思いながら読み進め、最後その理由が分かったときは納得した。下手人の作兵衛がどうやら菊之助を庇って…という話が出てきたあたりで本書の結末が予想できてしまったが、それでも十分面白かった。 人に"放っておけない"と思わせる菊之助だからこそしたくなかった仇討ちを無事、成すことができたのだろう。 しかし、いくら追い詰められていたとは言え、お父上のやり方は常軌を逸していたと思う。 いくら何でもお上に不正を告発且つ自分の息子を守るために人に死ねと言えるか?そして作兵衛も何故それをすんなりと受け入れる? あまりにも人の命が簡単にやり取りされるところが無情。 そんな経緯があったから余計に、世の中の鼻を明かすようなラストは天晴れだった。
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あだ討ちをした若者の縁者が、木戸芸者に話を聞きに来た設定から、ひとり語りが始まり、歌舞伎の世話物を見ているような文体で、かつ、バランスよくそれぞれの人の話画リズミカルに進むので、あっという間に読み進んでしまう。 そして、木戸芸者から次々、芝居小屋の人々にバトンを渡し、それぞれの人...
あだ討ちをした若者の縁者が、木戸芸者に話を聞きに来た設定から、ひとり語りが始まり、歌舞伎の世話物を見ているような文体で、かつ、バランスよくそれぞれの人の話画リズミカルに進むので、あっという間に読み進んでしまう。 そして、木戸芸者から次々、芝居小屋の人々にバトンを渡し、それぞれの人があだ討ちの話をしつつ、それぞれの人の生い立ちを話す羽目に。 最後にはほっこり、謎も解けて、伏線回収。と言っても、筋は透けて見えつつ、ハッピーエンドとわかりつつ、読み進められるので、清々しい終わり。 面白かった!
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ミステリーとしてはなんの驚きもないが 人情ものとしてはとても読みごたえがあった。 時代は変われど人は同じようなことで 悩んでるんだなぁ。
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ある雪の夜、芝居小屋の立つ木挽町で美少年菊之助は、父親を殺めた下男を斬り、みごとに仇討ちを成し遂げた。二年後、菊之助の縁者という若侍が、事件の顛末を聞きたいと芝居小屋を訪れるが…。 直木賞を受賞すり前に図書館に予約していたのですが、ようやく手元にやってきてからは一気読み。 タイト...
ある雪の夜、芝居小屋の立つ木挽町で美少年菊之助は、父親を殺めた下男を斬り、みごとに仇討ちを成し遂げた。二年後、菊之助の縁者という若侍が、事件の顛末を聞きたいと芝居小屋を訪れるが…。 直木賞を受賞すり前に図書館に予約していたのですが、ようやく手元にやってきてからは一気読み。 タイトルの『あだ討ち』が、何故『仇討ち』と漢字でなかったのか…。納得!面白かったです。
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直木賞受賞作。 華々しい仇討の物語…は、中表紙を開けてたった一枚で終わった。 え?!そんな!じゃあこの物語はどう進んでいくんだ…?? そう、物語は仇討を見た者たちによって語られる。 しかし、語られるのは仇討ではなく、その語り手たちの物語。 べべんっと三味線の音が響き、高らかに...
直木賞受賞作。 華々しい仇討の物語…は、中表紙を開けてたった一枚で終わった。 え?!そんな!じゃあこの物語はどう進んでいくんだ…?? そう、物語は仇討を見た者たちによって語られる。 しかし、語られるのは仇討ではなく、その語り手たちの物語。 べべんっと三味線の音が響き、高らかに語られるのは、人の世の物語。 さぁさ、お集まりの皆様、ご笑覧あれ。 第一幕は木戸芸者一八。 母御は悪所、吉原遊廓の女郎だそうな。 幇間なんぞで食ってはみたが、失敗続きのある日のこと、拾われ流れ着いたのが木戸芸者。 逞しく生きる術ってぇのがあると言って、次の幕へ。 元武士の殺陣師や戯作者、天災で国を出た女形にして衣装師、子供を亡くした道具作りの夫婦。 市井人々の話を合わせて最後に知る真実はアッと驚くこと間違いなし。 まさにまさに一世一代の大立ち回り。 誰もが悲しみを持っているからこそ優しさを集めて暮らしている、これこそ江戸ってもんじゃあねえか。 己の想いを貫くことの難しさも、道理のままに行かぬ割り切れなさも、この世の中には数多ある(266頁)。 だからこそ、だからこそ。 さあさあよってらっしゃい見てらっしゃい。 大団円とはこのことだ。 泣いて笑って手に汗握りたいならお早めに。 木挽町のあだ討ち、始まり始まりぃ。
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結論から言うと、とてもおもしろい本でした。今年読んだ中でもかなり上位…いや、おもしろさだけで言えば今年イチかも。 舞台となる時代は1800年頃、江戸中期から末期に入っていく手前くらいの時代でしょうか。こういった時代を取り扱う作品は、時代背景を知らなかったり、知らない用語や固い言い...
結論から言うと、とてもおもしろい本でした。今年読んだ中でもかなり上位…いや、おもしろさだけで言えば今年イチかも。 舞台となる時代は1800年頃、江戸中期から末期に入っていく手前くらいの時代でしょうか。こういった時代を取り扱う作品は、時代背景を知らなかったり、知らない用語や固い言い回しにより、読みづらい作品が多い中、この作品は全くそんなことを感じない。読みやすくテンポが良くどんどん引き込まれていく。 ある事件について真相を突き止めるために、事件を知る主人公の周辺の人たちに話を聞いていくスタイルで話は進んでいくのだが、その中でそれぞれの登場人物の半生について語られる部分が多く、その話一つ一つが非常におもしろい。パッと情景が浮かんでくるような語り口に、この著者の文章力を感じた。 あまり話してしまうと面白さ半減なので多くは語らないが、タイトルの意味が回収された時の爽快感たるや素晴らしい。思わず「なるほどー!」と何度も声を上げてしまった。こんなに気持ちの良いあだ討ちってあるんですね。良いもの読ませてもらいました、これはかなりおすすめの一冊です。
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第169回 直木賞 受賞作。 第三十六回山本周五郎賞作。 受賞作なので読んでみた。 「父の仇、いざ尋常に勝負」聞いたことのある有名なセリフ。 登場する人物それぞれの背景にドラマがある。 菊之助は美しいし、映画になりそう。 芝居小屋の人々も、とても温かい。良いラスト。 徒討→あだ討ち。だからタイトルがひらがな!
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仇討ちの経緯がとつとつと書かれているものと思っていたら、全く異なる内容で驚いたのと同時にとても感動しました。仇討ちをせざるを得なくなった者と取り巻く様々な来し方をした者たちの思いが深く心に染み入りました。とてもよい物語でした。
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時代物を普段読まないので、特有の語り口に読みづらさを感じたものの、芝居小屋の人たち其々の語る来し方は興味深く面白かった。 木挽町のあだ討ちの真相も、あっぱれ! でした。
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