名探偵のままでいて の商品レビュー
ミステリーにも色々カテゴリーがあり、最後に読者に考えさせるパターンがあることを知った。おじいちゃんはもちろんのこと、岩ちゃんや四季など、登場人物がそれぞれ味を出していて、物語として面白かった。
Posted by
作品の雰囲気をそのまま表したような装丁が目を引く連作短編集。 タイトルもめちゃくちゃ好き。 全編を通して古典作品への愛が感じられるので、読んでいて楽しい。 楓の話す日常の謎をもとに、認知症の祖父が紡ぐ物語はどれも美しく優しい。 2人の間で交わされる会話、岩田・四季などの魅力的なキ...
作品の雰囲気をそのまま表したような装丁が目を引く連作短編集。 タイトルもめちゃくちゃ好き。 全編を通して古典作品への愛が感じられるので、読んでいて楽しい。 楓の話す日常の謎をもとに、認知症の祖父が紡ぐ物語はどれも美しく優しい。 2人の間で交わされる会話、岩田・四季などの魅力的なキャラクター達、それぞれが秘める過去。 いくつもの要素が組み合わさって、より良い作品は生み出されるのだなあと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「名探偵のままでいて」というタイトルは楓がおじいちゃんに向けて密かにつぶやいた言葉であろう。 楓のおじいちゃんは知識人だが認知症を患っている。にも関わらず、楓が持ち込んでくる謎を聞いただけで真相を解き明かしてしまう。いわゆる「安楽椅子探偵」であろう。 おじいちゃんはさらに認知症が進行したり、ついには亡くなってしまう日もそう遠くないだろう。それでも変わらず楓にとって「名探偵」でいて欲しいという願いが込められているのだろう。 話を聞いただけで謎を解き明かす様子は読んでいて気持ちよく、ハッとさせられることが多かった。叙述トリックにまんまと騙されていた。 また、「女か虎か」のようなリドル・ストーリーに仕上げ、楓がどちらの男性を選んだのかは読者の想像に委ねた終わりは思わず声を上げてしまった。
Posted by
認知症の老人と孫娘、互いを慈しみ合う描写が素敵! このミス大賞2023受賞作 #名探偵のままでいて ■あらすじ かつて人気の校長先生だった認知症の老人と現役教師である孫娘が、様々な日常の謎に挑む本格ミステリー。2023年このミス大賞受賞作。 ■きっと読みたくなるレビュー 優し...
認知症の老人と孫娘、互いを慈しみ合う描写が素敵! このミス大賞2023受賞作 #名探偵のままでいて ■あらすじ かつて人気の校長先生だった認知症の老人と現役教師である孫娘が、様々な日常の謎に挑む本格ミステリー。2023年このミス大賞受賞作。 ■きっと読みたくなるレビュー 優しさが溢れている… まずこの作品から伝わってくる感情は、人の優しさや温かみ。 孫娘とお爺さんのお互いに想い合う情念がいいですね。将来こんなお孫さんができたら、きっと優しい老後を過ごせるんでしょう。 新人賞とのことでしたが、プロットも文章もキャラクターもしっかりしており、まったく問題なし。とくに文章は無駄を上手に省いて、ライトで読みやすく、理解もしやすい。人の思いやセリフも伝わりやすい表現で、しかもロジカルに説明する部分も分かりやすい。素晴らしい! また作者のミステリー好きがありありとわかる、随所に散りばめられた名作のピックアップが面白いんですよ。 肝心のミステリー部分ですが、比較的シンプルながらも実は多重解決で面白さをグッと引き出している。終盤の畳みかけや真相も間違いない進行具合で、もうバッチシですね。いやーすごい。これからの作品にもぜひ期待したいです。 そして本作の一番の魅力は、やっぱりキャラクターなんですが、特にお爺さんが素敵なんすよ。 これはドラマ化したら超難しい役どころだと思うんですが、見てみたいですね~ 認知症を患っているにもかかわらず、めっちゃカッコいいんすよ。ご存命だったら田村正和さんにお願いしたかったな。 ■推しポイント 先日所用で86歳の叔父に会ってきたんです。 まだまだ自宅で仕事をやっていて、しかも毎晩お酒を呑むし、一日に二箱を吸うヘビースモーカー。町内の祭りでは現場を仕切って、たまの休みには競輪場で散財してくる。お孫さんが近所の大学に通うために一緒に住んでいて、いつも喧嘩ばかりしてる。 まぁ元気いっぱいのクソジジイでびっくりしました。 でも突然訪れた私と楽しそうに笑ってお話してくれましたし、いつもの優しい叔父さんでした。子どもの頃には、たくさん遊んでもらったにもかかわらず、大人になるにつれて縁遠くなってしまうんですよね。 人生を彩るには、どんなに年齢を重ねても、人と人との繋がりですね。
Posted by
面白かった!なんだか惹かれるものがあり、積読がいっぱいあるのに買って読んでみました。主人公がミステリー好きとあって、有名なミステリー作品が登場するのも魅力の1つだと思います。出てくる作品を読んだことがある人は共感できるだろうし、読んだことない人は興味を持てると思います。ラストの終...
面白かった!なんだか惹かれるものがあり、積読がいっぱいあるのに買って読んでみました。主人公がミステリー好きとあって、有名なミステリー作品が登場するのも魅力の1つだと思います。出てくる作品を読んだことがある人は共感できるだろうし、読んだことない人は興味を持てると思います。ラストの終わり方は、あーやられた〜という感じでニヤニヤしながら読み終えました。読んた人と結末を語り合うのも面白そうです。 おじいちゃんも、とても素敵なキャラクターでまさに名探偵という感じ。レビー小体型認知症というのも、初めて知りましたし、勉強になりました。 読後感は、爽快であたたかくなるようなミステリーです。
Posted by
このミス2023大賞 事件現場を見てないけど見たように推理できるおじいちゃんの設定が厳しいというか… 最後もね…うーん大賞なんだ…って感じ。 過去のミステリー作品に興味がそこまでない素人読者の感想です。
Posted by
タイトルが心に刺さります。 私もおじいちゃんを想って読みました。 作者はクラシカルなミステリ好きなのですね。
Posted by
ミステリーはあまり読んだことがないミステリー初心者ですが、様々なヒントからじわじわと徐々に分かっていくという感じではなくあっさりした感じで、事件自体も後味の悪いものではないので軽くて読みやすかったです。
Posted by
第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 レビー小体型認知症を患う祖父が、孫娘・楓の持ち込む謎をミステリーにして鮮やかに解き明かす。 祖父と楓の謎解きの会話が楽しめるという素敵さもあって、さくさくと読み進められた。 そして、楓の同僚である岩田とその後輩であり役者をして...
第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 レビー小体型認知症を患う祖父が、孫娘・楓の持ち込む謎をミステリーにして鮮やかに解き明かす。 祖父と楓の謎解きの会話が楽しめるという素敵さもあって、さくさくと読み進められた。 そして、楓の同僚である岩田とその後輩であり役者をしている四季のキャラクターにとても好感が持てる。 四季との会話の中でのミステリー話もワクワクさせてくれる。 全体的にすっきりとしたおさまりかたで安心感があった。
Posted by
このミス大賞ということで目に留まり読んでみました! この小説の特色は何といってもレビー小体型認知症のおじいちゃんが主役ということ。 認知症の症状と相まって不思議な形で謎を解いていく様が新しい! 日常ミステリから最後は大きな事件に発展していき、読み応えも十分でした。
Posted by