言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼 の商品レビュー
ハマるかどうかはともかくとして、言語学が行けども行けども「沼」であることは類書を読むだけで良くわかるが、専門家が体系的に著すのに対し普段なにげなく使ってる言葉を俎上に載せて謎を解明してみせるのでとにかく読みやすい。そこで原典に当たり出すと「沼」にハマります。
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ラジオが面白かったので書籍も読んでみた。エピローグにもあるようにムダの多い本。会話形式で進んでいくが、話の脱線が多い。それを面白いと捉えるか、まどろっこしいと捉えるか。 言語学ってやっぱり面白いな、と思わせてくれる一冊。 以下メモ 1. アニマシー(有生性)…ある名詞に対し...
ラジオが面白かったので書籍も読んでみた。エピローグにもあるようにムダの多い本。会話形式で進んでいくが、話の脱線が多い。それを面白いと捉えるか、まどろっこしいと捉えるか。 言語学ってやっぱり面白いな、と思わせてくれる一冊。 以下メモ 1. アニマシー(有生性)…ある名詞に対して、生きている・意思を持っている感じがすると思える性質のこと。 →助詞に反映される。 アイボは一体?一匹? ペッパーは「一体」だが「いる」とも言える。アニマシーを感じているが、まだ「一人」の域には達していない。電源が切れたペッパーだと「ある」 英語はあまりアニマシーを意識しない。 英語には無生物主語構文があるが、日本語はあまり主語に無生物を置かない。「大雨がパーティーの開催を妨げた」とは言わない。 日本人は生きているかどうかが気になる。 2. 音象徴…音に意味がある。 ギザギザの図形とブヨブヨの図形を見せ、どちらがタケテで、どちらがマルマか聞く実験。母語に関わらずほとんどの人がギザギザをタケテと答えた。 母音には大きさがある。 おうあえい、の順で大きい。 miniと小さい…い largeと大きい…おやあが使われている あくまで傾向。 阻害音は尖っている印象、共鳴音は丸い印象。 阻害音…kstのように濁点をつけられる子音。 共鳴音…nmyrlwのように濁点をつけられない子音。 3.フィラー(つなぎ言葉) えーっとは使えて、あのーは使えない場面がある。 あのーは伝え方を決めるのに手間取っているときにだけ使われる。 フィラーは子どもでさえも間違えない。 あのーはていねいだけど、えーっとは失礼に聞こえる。あのーは指示詞「あの」からきている。あの人とまた会った、と言うときのあのはお互いにピンときている場合に使う。この機能をあのーも引き継いでいる。あのーはあなたにも私にも分かる話をしたいという表明になり、聞き手への配慮にもつながる。 えーっとを入れると丁寧になる場合もある。 原稿の依頼に対してちょっとそれは厳しいですよりもえーっと、ちょっとそれは厳しいですと言った方が丁寧に感じる。 真剣に実現可能性を検討しているというアピール。 フィラーの機能が違う。 フィラーには意味がある。情報を伝達する。 4. あかさたなの順には意味がある。五十音順は調音点の位置を考慮していて音声学的に正しい配置。 子音は口の中で空気の流れを阻害して出している音で、阻害する点を調音点という。調音点が口の奥から徐々に前に移動している。 昔、は行はぱ行だった。 やらわは接近音やはじき音という別カテゴリー。 母音も下の高さや位置によって並び順に法則がある。 5. オノマトペの最初の子音は触感、2番目の子音は運動の特徴を表す。 最初の子音がkの場合は硬質さを表す。カチャカチャ、コリコリ。2番目の子音がkのとき、空洞のイメージ。サクサク、ペコペコ。 オノマトペの意味推測は言葉を覚えたての子どもでもできる。 6. 「を」は名詞に影響を与えていたり強く働きかけていたりする。 壁にペンキを塗った。 壁をペンキで塗った。 「に」は到達点。「で」は場所を示す。「を」は経路。過程を強調したいときは「を」 犬ぞりで山に登った。 犬ぞりで山を登った。
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ブクログ話題本で気になった『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(堀元見 水野太貴)。 ちょっと変わったタイトルかつ、自身の言葉への興味から手に取りました。 言語学に関する本に対してカッチリ!なイメージ持ってたんですけど、 世間話的な対話形式で書か...
ブクログ話題本で気になった『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(堀元見 水野太貴)。 ちょっと変わったタイトルかつ、自身の言葉への興味から手に取りました。 言語学に関する本に対してカッチリ!なイメージ持ってたんですけど、 世間話的な対話形式で書かれた本を読むの初めてでした。 以前チョロッと読んだ『フリースタイル言語学』(川原繁人)も面白おかしく書かれた言語学の本であり、調査してる人は複数人いらっしゃるけれど語り手は1人だったもんね(多分)。 その彼らが語り合うこの本を読んで、ソフトバンク父さんの名台詞【全てのものに理由はある】が浮かぶくらい興味深い事が書いてあって面白かった。 普段自然に使ってる言葉に深い内容があるなんて考えてこなかったから余計にそう思う。 「あの…」とか「えーっと…」なんてもっと考えてない。 そうして「意識する事がないが故に説明しづらい事」を本書で知り、 「30年間母国語しゃべっててわかんないんですか」っていう言葉が結構ブスッと刺さりました…。 日本人やっててすんません…笑
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理屈はわからないけど正解は知っているというのは確かに面白いことだな〜と最初から引き込まれた。 ちょこちょこはさまれる冗談言い合っている部分は滑っている感じがして読み飛ばした。
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この2人のYouTubeが大好きで。YouTubeでの語り口そのままのノリで読み進められる楽しい本。余りにも番組そのままの調子だから、どこかの回を要約した本なのかと思ったら、なんと書き下ろし!ますます読んでよかった。いつも番組終わりのエンドロール的な部分での「〜えーっと、、、」「...
この2人のYouTubeが大好きで。YouTubeでの語り口そのままのノリで読み進められる楽しい本。余りにも番組そのままの調子だから、どこかの回を要約した本なのかと思ったら、なんと書き下ろし!ますます読んでよかった。いつも番組終わりのエンドロール的な部分での「〜えーっと、、、」「今、えーっとて言いましたね」の伏線回収はどの回なのだろうと思っていたが、まさかの書籍内。これはぜひ読むべき。学問をエンタメにしてしまうって、最高に知的で飽きない遊びだと思う。私も沼に引きずり込まれてしまった。。。
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軽い語り口だけど、へぇ!なるほど!とうなるような話ばかりだった。確かに文法は習うけど、オノマトペはいつの間にか身についているものだし、改めてなんで?と問われると答えようがない。 清音より濁音の方が重いイメージ、ポケモンでも進化すると濁音の名前に変化しやすいっていう件、ラーメンズの...
軽い語り口だけど、へぇ!なるほど!とうなるような話ばかりだった。確かに文法は習うけど、オノマトペはいつの間にか身についているものだし、改めてなんで?と問われると答えようがない。 清音より濁音の方が重いイメージ、ポケモンでも進化すると濁音の名前に変化しやすいっていう件、ラーメンズのコントで「甘くて小っちゃくてかわいいのに悪の組織みたいなものなーんだ、ゴディバ!」っていうのがあったけど、それも音のイメージから作られてるんだろうなとふと思い出した。
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言わずと知れたゆる言語学ラジオ発のスピーカーお2人の対談本。 ずっと気になっていて登録はしていたバリューブックスさんでようやくポチった。 対談形式なのでラジオの書き起こしが主なんだろうな、と思ってたけど、まさかの書き下ろしであるとエピローグで知り、驚いた。 プロローグからすで...
言わずと知れたゆる言語学ラジオ発のスピーカーお2人の対談本。 ずっと気になっていて登録はしていたバリューブックスさんでようやくポチった。 対談形式なのでラジオの書き起こしが主なんだろうな、と思ってたけど、まさかの書き下ろしであるとエピローグで知り、驚いた。 プロローグからすでに沼。 コレは読んだ後にめっちゃ人に話したくなる。 読書、というよりも、読んでいるとお二人の音声が脳内で再生されるので、 そして興味深い内容もさることながら、書籍化なのに相変わらずの脱線が多くてラジオを聴いているみたいな感覚になる。 確かにムダが多い、だが、そこがいい。 ゆる言語学ラジオや、 お二人が紹介していた他の書籍で、 ぼんやり聴いたことはあった、 読んだことはあったけど、 理解できていなかったことが、すんなり理解できたのも良かった。 かわいいイラストや図解(コレもなんだかんだでムダが多いけど…ドクヂワワの絵に笑った)のおかげで、 わたしはもっぱらPodcast派だったので、音声聴くだけよりも理解が進む。 言語は結論だけわかるのに過程がわからない身近な証明問題の宝庫であり、言語の謎に向き合うことはフェルマーの最終定理に向き合うような一大ドラマである (17P) 結論がわかっているなら、過程なんてすっ飛ばしても生きていく上で特に問題はない。実際お二人の番組を聴くまでは、自分の使っている言語について深くその過程や構造を考えたことなどなかった。 だけどあえて一見ムダともいえるその過程を紐解いて味わうのがこの本の醍醐味。 何より、自分でも理屈はわからないのにちゃんと正解を知っていたんだということに気づく感覚が楽しい。 そういう瞬間が、章ごとに待っている本です。 …沼は深い。
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『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』読了。 ゆる言語学ラジオの真面目な部分とふざけた部分をうまく本にしていて面白かった。 対話形式だからって「ここは納得いかない」って結論になることあるの珍しすぎて笑ってしまった。 かなり初期の頃から聴いていて、今回の相...
『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』読了。 ゆる言語学ラジオの真面目な部分とふざけた部分をうまく本にしていて面白かった。 対話形式だからって「ここは納得いかない」って結論になることあるの珍しすぎて笑ってしまった。 かなり初期の頃から聴いていて、今回の相当にライトな作りになっている書籍だとやや物足りないけれど、内容は面白いしすごく良い。応援しているので視聴者が増えたらいいなと思う。
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使えるのに説明できない言語の秘密に迫れ! 真面目な研究書で説明されるようなことが、こんなに気軽に読めるなんて、という衝撃。大学で言語学をかじったときに母音と子音の並びの話あったと思い出す。言語学はとにかく沼です。 音に意味があるとか、日本語がオノマトペで表す部分を英語は動詞に...
使えるのに説明できない言語の秘密に迫れ! 真面目な研究書で説明されるようなことが、こんなに気軽に読めるなんて、という衝撃。大学で言語学をかじったときに母音と子音の並びの話あったと思い出す。言語学はとにかく沼です。 音に意味があるとか、日本語がオノマトペで表す部分を英語は動詞に組み込んでいるとか、気付いて「ホントだ!」と驚く話の連続で次々に読んでしまう。対話形式なのもよい。聞き手の堀元氏が自分の得意分野に引きつけた比喩やまとめをしてくれるのも面白い。 これがきっかけで話の内容より言語が気になってしまうのではないかと心配になる。
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