中庭のオレンジ の商品レビュー
私は静かな絵が好きです。モランディとか、モネならカササギとか。静かな本も好き。だから、吉田篤弘さんの本が好きです。 吉田篤弘さんの本は、ふわふわとしていて、ひんやりとしていて、でも温かいです。 内容はあまり覚えていられません。多分、私には作り出せない世界の話だからです。 それでも...
私は静かな絵が好きです。モランディとか、モネならカササギとか。静かな本も好き。だから、吉田篤弘さんの本が好きです。 吉田篤弘さんの本は、ふわふわとしていて、ひんやりとしていて、でも温かいです。 内容はあまり覚えていられません。多分、私には作り出せない世界の話だからです。 それでも、なんとなく居心地の良い時間を過ごしたことは覚えています。
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世界の片隅で静かに繰り広げられる小さなお話。 戦火迫る図書館の中庭に埋められた本とその上に生い茂るオレンジの木を巡る話は見たこともないけれど懐かしさを感じるような情景。
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表紙イラストを見て、思わず昔の日立のTV CM「この木なんの木 気になる木ぃ〜♪」を思い出しました。そう、古いです。70年代です。ハワイのモンキーポッドでしたっけ? 当時、こんなに見事に枝を広げた姿の木があるんだ、と驚き憧れました。 本書は、中公文庫創刊50周年記念企画・刊...
表紙イラストを見て、思わず昔の日立のTV CM「この木なんの木 気になる木ぃ〜♪」を思い出しました。そう、古いです。70年代です。ハワイのモンキーポッドでしたっけ? 当時、こんなに見事に枝を広げた姿の木があるんだ、と驚き憧れました。 本書は、中公文庫創刊50周年記念企画・刊行とのことで、21の掌編が収められています。装幀と表紙の夜のオレンジの木が美しい! 前述の"日立の木"は明るい陽射しのもとで爽やかでしたが、本作の"オレンジの木"は夜で、ひっそりと物語を宿すオレンジの実に相応しいです。 本作の根っこにオレンジの木があり、最初と途中、そして最後に連作のように登場し、他の物語の上に枝を広げているようです。 誰かが物語の種を蒔き、争いにも負けず、時間を超えて忘れ去られた場所や人に届く…。何気ないものに焦点を当て、優しく包み込むように物語を綴るいつもの吉田さんのスタンスは、やはり読み手に安息を与えてくれます。 今回も吉田篤弘さんの世界観を楽しみましたが、一つだけ、「犬がことのほかチョコレート・ドーナツを好む」話があり違和感が…。吉田さ〜ん、ワンコにチョコはダメですよぅ!中毒症状を引き起こしますよぅ! "チョコレート色のドーナツ"としておきましょう笑。
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少しの浮遊感とただよう余韻と晴れではなく曇り。 期待を裏切らない吉田篤弘印。 表紙も本も質感も、すべてが一体となってとても良かった。
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眼鏡の夫婦のお話と羊のお話がとっても微笑ましくて良かった。 この後どうなるのかなとか、⁈ここで終わり?ってお話が多いから楽しみのような、モヤモヤするような。 毎日1話ずつくらいで読むのをオススメ
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短編集。天気予報士、オオカミの先生、スープのレシピの秘密、古い手紙……それぞれの世界は独立していてその都度ぐいぐい引き込まれる。唯一中庭にあるオレンジの物語が、最初と最後と中盤で繋がっていたと知って震えた。もしかしたらこの物語自体がオレンジから生まれた一雫たちなのかもしれない。ごちそうさまでした。
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寝る前に少しずつ読み進めていたけれど、 時間があると一気に読みたくなってしまって つい読み終わってしまった 眼鏡の二人、 カウント・シープ#5391、 オレンジの実る中庭、 水色のリボン、 合奏、 好きなお話しはたくさんあったけれど、 あとがきが1番好きだったかもしれない
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文庫本より大きめだけど、 通常の単行本よりは小さめのハードカバー。 これが手に馴染み、そばに置いておきたくなる本。 中はとても短いお話がつまっていて、 少し不思議なものが多い。 寝る前に読んでふわふわ感を味わいたい感じ。 「中庭のオレンジ」から連なるオレンジのシリーズと 「フ...
文庫本より大きめだけど、 通常の単行本よりは小さめのハードカバー。 これが手に馴染み、そばに置いておきたくなる本。 中はとても短いお話がつまっていて、 少し不思議なものが多い。 寝る前に読んでふわふわ感を味わいたい感じ。 「中庭のオレンジ」から連なるオレンジのシリーズと 「フランカと三つの黒い箱」「合奏」が特に好みだった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
吉田篤弘さんの作品は3冊め。 まず本のサイズが手にすっと馴染んで、心地良いです。 オレンジの木の表紙も、装幀も挿絵も、もちろん本の内容もすべてがとてもよかったです。 ショート・ストーリー21話の中の 「中庭のオレンジ」「オレンジの実る中庭」 「オレンジ・スピリッツの作り方」は話が繋がっていて、戦争で生活が変わってしまった人たちが、生命力の象徴のような中庭のオレンジの木に、癒され守っていく話でじんわり心に響きます。個人的には「花を運ぶ舟」も好きです。 オレンジの木が表紙のこの本が、私のもとに素敵な本を運んでくる気がします。 手元に置きたい本です。
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