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ギフテッド の商品レビュー

3.8

31件のお客様レビュー

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2024/09/16

ギフテッドとは、生まれつき高い知能や特定の分野で優れた才能を持つ人のこと。 この話では主人公凛子の妹の子の莉緒がギフテッドらしい。凛子は莉緒の中学受験の家庭教師を頼まれる。莉緒のギフテッドのこと、発達に問題がありそうな弟の真之介のことなど子どものいない凛子が子どもの教育問題に関わ...

ギフテッドとは、生まれつき高い知能や特定の分野で優れた才能を持つ人のこと。 この話では主人公凛子の妹の子の莉緒がギフテッドらしい。凛子は莉緒の中学受験の家庭教師を頼まれる。莉緒のギフテッドのこと、発達に問題がありそうな弟の真之介のことなど子どものいない凛子が子どもの教育問題に関わっていく。 その中で、大学の同級生やその知り合いの学習支援をしている知人とも出会う。きっと凛子の生活ではおよそ関わりがなかったような世界と。 所々で出てくる凛子が学生時代に好きだったと思われる男の子の存在は、凛子の今を作り上げた大きな存在らしい。 子どもそれぞれに合った教育、それが受けられるか否かも家庭次第か。 現在日本の教育は格差が広がっているのだろうなあ、親の教育への関心度と経済力で大きく変わってしまうのだろう。 子ども達も大変だ。

Posted byブクログ

2024/08/07

いろんな分析や臨床があってもやっぱり従前の価値判断から外れると異常となってしまう同調圧力の強い国では、こういう理解しようとしてくれる大人の存在が大切だと思う。けどそういう人は生産性が低いとか言われても報われないんですね。

Posted byブクログ

2023/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。ギフテッドを題材にフィクションにした点にまず興味があり読んでみたが、最後に少し呆気なさを感じるものの、読み始めから引き込まれた。 頭のいい子を持て余してしまう妹の気持ちもわからなくない。T大卒という輝かしいキャリアのお姉ちゃん登場、莉緒を相手にしながら結局は自分、森川凛子も新しい人生を歩んでいく。 初恋?流れ星の君が虐待児で、残念な結果に終わる話がちょいちょい含まれる。ギフテッドでも環境次第なのか…悲しい 凛子と同級生の綾乃さんとの飲み会での会話が面白い。 ギフテッドを、 生まれついての脳の機能として、深く学び、深く考えずにはいられない子どもなのよ p.60 特徴として、 「完璧主義で自分にも他人にも高い水準を求める」「好奇心が旺盛であらゆることを知りたがる」 「感受性が強く不安や悲しみを人一倍強く感じる」 「繰り返しや暗誦を嫌う」 「やると決めたらやり抜く」 「人々やものごとを仕切りたがる」 「権威に批判的な態度を取る」  p.61 モラルハラスメントを行う人間は、自己愛性パーソナリティ障害だと診断されることが多い、それは自分の能力を過大評価して、賞賛を求める一方、他者の能力を過小評価する傾向がある。特権意識が強く、共感性が欠如、自分の優越感のために他者を犠牲にする。  p.66 ギフテッドの子が抱える問題は、「困り感が伝わりにくいこと」 …アピールが下手で、知能が高いと自力でどうにかできてしまうことが多い。だから、他者を頼らない。実年齢以上の利発さを見せるから、周りも助けを必要としているとは思わない。p.74 落ちこぼれ ⇄ 浮きこぼれ(上にはみ出してしまう生徒のこと) p.138 若くて可愛い男なんて鑑賞すべきもので、生活を共にするのは無理があると思う。…推しとは、適度な距離でいたい。認知されるより、雲の上の存在でいてほしい。 p.171

Posted byブクログ

2023/11/09

勉強ができない、人の心がわからないという悩みは 物語の中で目にすることが多いけれど 人より勉強ができたり、人の気持ちがわかりすぎてしまう苦しさをストレートに描いた物語は あまりなかったのではないかな。 人は能力があり過ぎることでもマイノリティーになってしまう。 ひと目見て答えがわ...

勉強ができない、人の心がわからないという悩みは 物語の中で目にすることが多いけれど 人より勉強ができたり、人の気持ちがわかりすぎてしまう苦しさをストレートに描いた物語は あまりなかったのではないかな。 人は能力があり過ぎることでもマイノリティーになってしまう。 ひと目見て答えがわかるような算数の問題を 授業中ずっと教室で聞いていなければいけない子どもの辛さを このまま大人は見て見ぬふりをしていていいのだろうか。 多様性を認めるというのなら、何よりもまず 子どもの教育の場にどんどん取り入れてほしいな。

Posted byブクログ

2023/09/25

最初は今ひとつ、莉緒のギフテッドぶりが描けていないと思ったが、後半になるにつれ、賢い子だなあと感心するようになった。 最後の最後で、納得の結末に収まり、星四つに格上げ。

Posted byブクログ

2024/06/06

 特定分野については、幼少時から勘がよく学習能力に優れ、いわゆる「天賦の才」に恵まれていることから「ギフテッド」と呼ばれる子どもたち。  彼らの持つ資質はたとえ長じても消えることがなく、学業や仕事のうえで有利に働くとされる。けれど……。  他人より秀でた能力を有している子どもの...

 特定分野については、幼少時から勘がよく学習能力に優れ、いわゆる「天賦の才」に恵まれていることから「ギフテッド」と呼ばれる子どもたち。  彼らの持つ資質はたとえ長じても消えることがなく、学業や仕事のうえで有利に働くとされる。けれど……。  他人より秀でた能力を有している子どもの生きづらさと成長を描くヒューマンドラマ。            ◇  森川凛子はフリーランスの翻訳家。大学進学のため上京し、卒業後もそのまま東京で暮らしている。  不惑を目前に控えて独身、恋人なしの凛子だが、高卒後に凛子を追って上京した妹が結婚して近くに住んでいるので、妹やその子どもたちに会うのが目下の楽しみだ。  ある日、凛子は妹から、長女の家庭教師をしてほしいと頼まれる。  長女は小学6年生で名を莉緒といい、中学受験を予定している。エリート医師の父親には勉強を見てやる時間がなく、母親である妹は高卒のため教える自信がないとのことだった。  幸い莉緒は伯母の自分に懐いているし妹のたっての頼みでもあるため、快く引き受けることにした凛子だったが……。        * * * * *  主人公の凛子の設定がよかった。  地方の公立高校から国内最高峰の国立大学へ進学した才媛ですが、いわゆるT大エリートのような思考ができず、自分は本当に頭のよい人間ではないと思いこんでいました。  確かに物事の判断基準を合理性に置いて取捨選択することは苦手のようで、キャリア官僚には向いていないでしょう。    けれど繊細で共感力が高く、相手の気持ちを考えて行動できるなど、人間性という点では優れています。  そのことは、姪の莉緒への対応によく表れていました。  莉緒は興味のある分野にはかなりの集中力を発揮する反面、苦手な反復演習や暗記などの単純学習には嫌々取り組むところがあります。さらにケアレスミスも多い。  けれど凛子の目に映る莉緒は、知的好奇心が旺盛で理解力や論理的能力も高いという十分に優秀な子どもなのです。  凛子は莉緒が「ギフテッド」ではないかと見当をつけ、指導するというよりも寄り添っていくというスタンスを選択します。  実に細やかな気遣いであり、教育者としての適性が凛子にはあることがわかるところです。  そして莉緒への関わりを通して、自身の適性に気づいた凛子が、誘われていたフリースクールの講師の話を引き受けるラストシーン。予定調和的ではあるけれど、微笑んで読了できてよかったと思いました。  最後に莉緒について。  ギフテッドは孤高の存在となりがちなので、莉緒が凛子という理解者を得たのは大きかったのではないでしょうか。  独りよがりの父親に対し、莉緒が見事な戦略で志望校合格を果たしたシーンには胸がすきました。  この莉緒の成長は、凛子の存在あってのことだと思いました。      * * * * *  心の師として尊敬するかなさんのレビューがこの作品を読みたいと思ったきっかけでした。  さすがに師匠が高評価していらっしゃった作品。読後感もよく、とても楽しめました。  師匠、これからも参考にさせてくださいね。

Posted byブクログ

2023/09/21

小説というより、ブログでも読んでいるような気になった。ギフテッド関連の蘊蓄は、聞いたことがあるような話が多いが、主人公の考えとよくつながっているので、するっと入ってくる。妹の長女のエピソードは、少し恩田陸の『なんとかしなくちゃ』や、ブレイディさんの『ぼくはイエローで』 を思い出さ...

小説というより、ブログでも読んでいるような気になった。ギフテッド関連の蘊蓄は、聞いたことがあるような話が多いが、主人公の考えとよくつながっているので、するっと入ってくる。妹の長女のエピソードは、少し恩田陸の『なんとかしなくちゃ』や、ブレイディさんの『ぼくはイエローで』 を思い出させる。周りをよく見ている賢い子。こういう子が学校や塾では浮いているのはなんだかせつない。きっと話が合う子がいるはずで、塾をちゃんと選んであげるのは親の責任かなと思う。 この姪の受験の顛末は、納得のラストだった。 藤野さんの作品、久しぶりに手を出したがやっぱり好き。

Posted byブクログ

2023/08/29

ギフテッドに興味があるあって読んでみた。 主人公もめいっこもとても頭が良いみたいだが、思ったより変わった人じゃなかったのでどの程度からがギフテッドと呼ばれるのか不思議に思った。 頭が良いと授業がつまらないというのがよく分かる。 早く学校がそう言う子供に対応してくれたら良いと思う。

Posted byブクログ

2023/09/22

 ちょっと前になるかな…ギフテッドの子供たちに焦点をあてたテレビ番組を観たのと、ブクログでこの作品を知ったのがきっかけで、読んでみました。ちなみに、「ギフテッド(Gifted)とは、生まれついての脳の機能として、深く学び、深く考えずにはいられない子ども」であり、人口のおよそ2%が...

 ちょっと前になるかな…ギフテッドの子供たちに焦点をあてたテレビ番組を観たのと、ブクログでこの作品を知ったのがきっかけで、読んでみました。ちなみに、「ギフテッド(Gifted)とは、生まれついての脳の機能として、深く学び、深く考えずにはいられない子ども」であり、人口のおよそ2%がギフテッドに該当するようです。  この作品の主人公は、最難関の大学を卒業後一流企業への就職を果たすも退職し、現在は翻訳の仕事をしている凛子…、凛子は独身だが妹は既婚で3人の子供がいる…。長女の莉緒は昆虫好きで知能が高いがために周囲と馴染めない子、まひるはバレエ好きで協調性があるが勉強はイマイチな子、真之介は言葉が遅く自閉症スペクトラムではないかと思われる子…それぞれに個性があり悩みもあるが、凛子は莉緒の中学時受験に力を貸してほしいと妹から頼まれる…。凛子は莉緒と接する中で、莉緒はギフテッドではないかと実感する…。  読み終えて感じたのは、どんな子供でも自分に正直にまっすぐに育ってほしいなって…。3人の子供たち自身にも生きにくさってあるけれど、それぞれの個性を委縮することなく存分に発揮しながら、成長していってほしい…それをそっと見守れる、応援できるのが大人だと感じました。まだ小学生なら、大人がそうするべきじゃないのか、それに気づいたゆえのエンディングで、安心できました。

Posted byブクログ

2023/07/06

ギフテットか〜、うちの子も自閉症スペクトラムと診断されたり、グレーゾーンと言われたりする子で、いろいろ苦労しながら子育てしてきたけれど、年々区分が細かくなってきて、カテゴリー分けして、子どもたちにシールを貼っていくような、そんな環境に疑問を感じていたりしているので、どんな子でも安...

ギフテットか〜、うちの子も自閉症スペクトラムと診断されたり、グレーゾーンと言われたりする子で、いろいろ苦労しながら子育てしてきたけれど、年々区分が細かくなってきて、カテゴリー分けして、子どもたちにシールを貼っていくような、そんな環境に疑問を感じていたりしているので、どんな子でも安心できる場所があるのはほんと理想だよな〜と思った。難しいけどね。

Posted byブクログ