1,800円以上の注文で送料無料

川のほとりに立つ者は の商品レビュー

3.8

590件のお客様レビュー

  1. 5つ

    120

  2. 4つ

    242

  3. 3つ

    170

  4. 2つ

    25

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2023/01/17

こうだと思っていた自分の日常が、ちょっとした気づきでガラリと見え方が変わって姿を変えていく事がある。 それはいい方に変わることもあれば、悪い方に変わったり、自分の無知に恥ずかしくなる事もある。 恋人が友達と喧嘩をして階段から転げ落ち、意識不明の重体になった事から今まで知らなかった...

こうだと思っていた自分の日常が、ちょっとした気づきでガラリと見え方が変わって姿を変えていく事がある。 それはいい方に変わることもあれば、悪い方に変わったり、自分の無知に恥ずかしくなる事もある。 恋人が友達と喧嘩をして階段から転げ落ち、意識不明の重体になった事から今まで知らなかった事が明らかになって行く。 「なんで私の日常はこんななのっ!」 と、切羽詰まってしまったり、虚しくなった時に読んで欲しい。 一呼吸付いて、ゆっくり周りを見渡して、ひとりよがりになってる自分に気づく事が出来るかもしれないし、案外救いの手が近くにあるかもしれない。

Posted byブクログ

2023/01/15

物事に対する感じ方がそれぞれ違うこと、自身が今生きていることは運や環境が良かっただけで、一歩間違えばどうなっていたのだろう?と考えさせられました。 また、日頃から色んな方に助けられて今の自分があることも再認識できました。 人生の壁に当たった時などにもう1度読み直したいと思います。...

物事に対する感じ方がそれぞれ違うこと、自身が今生きていることは運や環境が良かっただけで、一歩間違えばどうなっていたのだろう?と考えさせられました。 また、日頃から色んな方に助けられて今の自分があることも再認識できました。 人生の壁に当たった時などにもう1度読み直したいと思います。読んで良かったと心から思えるそんな作品です。

Posted byブクログ

2023/01/13

感情が揺さぶられました。 そして、今まで当たり前と思っていたことを疑ったり、正義を疑ったり、人との関わり方を考えさせられました。 世の中にいる障害を持つ人をどれだけ意識して生きているか、全てが表裏一体であると知りながら、どれだけ平等な目線で見ているか、自分の利害関係ばかりを優先...

感情が揺さぶられました。 そして、今まで当たり前と思っていたことを疑ったり、正義を疑ったり、人との関わり方を考えさせられました。 世の中にいる障害を持つ人をどれだけ意識して生きているか、全てが表裏一体であると知りながら、どれだけ平等な目線で見ているか、自分の利害関係ばかりを優先させていないか、自分に問いかけることが沢山あって、思い返すたびに自己嫌悪になります。 あまりにも当たり前だけど、様々な人と共に生きている毎日、もっと考えて、視野を広げて生きたいです。 とても良い言葉だと感じた『明日がよい日でありますように』を心に刻み、丁寧な生活を心掛けたいです。

Posted byブクログ

2024/10/18

 先ごろの公的な調査で、小学生の1割強の児童が「発達障害」を持つことがわかりました。実にひとクラスに4人はいるということです。  上級の学校に進むに連れ大半はその特徴が徐々に緩和されていくそうですが、それでも世間的な常識との不適応に苦しむ人は少なくありません。その生きづらさにスポ...

 先ごろの公的な調査で、小学生の1割強の児童が「発達障害」を持つことがわかりました。実にひとクラスに4人はいるということです。  上級の学校に進むに連れ大半はその特徴が徐々に緩和されていくそうですが、それでも世間的な常識との不適応に苦しむ人は少なくありません。その生きづらさにスポットを当てるのは大切で尊いことだと思いました。  これまでも寺地さんは多くの作品で発達障害をテーマのなかに織り込み、細やかに心配りされた描写で提示してくれていました。その、希望を感じるようなラストに繋がっていく物語世界は、私たちに温もりや優しさを感じさせてくれてもいます。  本作もそんな寺地文学の世界観で書かれているのですが、今回は少しばかり盛り込みすぎたように思います。  前述したように、発達障害を持つ人は身の回りに2〜3人はいるというのが現状です。だから、清瀬と関わる人間にそういう人たちを複数配置してもおかしくはないでしょう。  けれど、そうしたために彼らの「生きづらさ」のみが増幅されてしまって、その結果これまで寺地さんが大切にしてきた「個々の物語」がぼやけてしまった感があるように思うのです。  さらによく読めば、樹や品川だけでなく松木や天音、主人公の清瀬まで、軽度の発達障害を持っているようにも見受けられます。  そんな構成にしたのは寺地さんの強い意気込みの表れかも知れませんが、個々の物語を丁寧に紡ぐのが寺地さん本来の作品世界ではなかったでしょうか。  ミステリー仕立てにするなどの工夫はよかっただけに、少し惜しい気がしました。

Posted byブクログ

2023/01/10

良さそうな本だと思って図書館で予約。 借りる時に司書さんが 「私も読み終わったところなんですけど、すごく良かったです。」 と言ってくれた。 司書さんが話しかけてくれたことって初めてで、 嬉しかった。 その、期待値が大きかったのもあるのだろう。 ディスレクシアやADHDなど 発達...

良さそうな本だと思って図書館で予約。 借りる時に司書さんが 「私も読み終わったところなんですけど、すごく良かったです。」 と言ってくれた。 司書さんが話しかけてくれたことって初めてで、 嬉しかった。 その、期待値が大きかったのもあるのだろう。 ディスレクシアやADHDなど 発達障害については だいぶ詳しくなってしまった私には 展開が読めてしまったり 地の文は標準語なのに 会話文だけ大阪弁なことに馴染めなかったり やたらと「川のほとりに立つ者は」を連呼するので 辟易してしまったり。 こんな感想でごめんなさい。 でも本当に今の時代は発達障害について よく知られるようになったし 支援策も色々と講じられるようになっているが、 それ以前は 「怠慢だ」「努力不足だ」となじられて 理解されずに苦しみ埋没されてしまった人々が 多くいるのだろうなと思う。 本作に書かれていたことだが、 「障害」というレッテルを貼ってしまい その視点でしか見られなくなってしまう というのも、大きな弊害だろうと思う。 「明日がよい日でありますように」 というのも、素敵な言葉だなぁと思った。

Posted byブクログ

2023/01/08

この本を読んでいるとき、個人的に色々悩んでいて… たまに心ここに在らずで読んでいたため、曖昧な解釈な部分が多いかもしれません。 (超絶個人的事情 笑) 1番気付かされたのは、 他人を知ろうとする時に、自分の今までの経験とか、環境とか、そういったものを無意識に使って他人をとらえ...

この本を読んでいるとき、個人的に色々悩んでいて… たまに心ここに在らずで読んでいたため、曖昧な解釈な部分が多いかもしれません。 (超絶個人的事情 笑) 1番気付かされたのは、 他人を知ろうとする時に、自分の今までの経験とか、環境とか、そういったものを無意識に使って他人をとらえてしまっているということ。 本当の意味で相手を知ろうとするのって難しいなって思った。 でも、大切な人のことはやっぱりしっかり深入りして、知っていきたいね。

Posted byブクログ

2023/01/04

うわー、私も同じだ。同級生で、 物凄く字が汚い人の字見て笑っちゃった事あるな 今は色々病名があるけど、その時はそんな事考えもしなかった。無知故の罪、深く反省します。 今回の天音は極端過ぎるけど、 確かに助けてもらったら一生その人に感謝して生きていかなければならないなんて事もない...

うわー、私も同じだ。同級生で、 物凄く字が汚い人の字見て笑っちゃった事あるな 今は色々病名があるけど、その時はそんな事考えもしなかった。無知故の罪、深く反省します。 今回の天音は極端過ぎるけど、 確かに助けてもらったら一生その人に感謝して生きていかなければならないなんて事もないだろう。 川のほとりに立つものは… 深い。いつもよく考えずに口にしてしまうので、 今年は、水底に何個石が転がっているか、 考えてから話すことを目標にしよう。

Posted byブクログ

2023/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルは小説内に出てくる小説「夜の底の川」からの引用「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。」から来ている。 字が識別できない障害を持った友人いっちゃんに字を教える松木。それを誤解してしまう恋人の清瀬。カフェで店長として働く清瀬の成長の物語ではあるが、その人間関係の中で本当に相手を理解することの難しさと寄り添うことの喜びを描いてしみじみ読ませる。

Posted byブクログ

2022/12/30

私は今までどれだけ偏った視点で目の前の人たちを見ていたんだろうと後悔した。先入観、思い込み。どうしたら、奥深くに沈んでいる石に気づけるだろう。 とても考えさせられるお話でした。 ありがとうございます。

Posted byブクログ

2022/12/30

自分の人に対する価値観を問われるような作品で、人との関わり合いについてとても考えさせられました。 この本は、コロナで少し疎遠気味だった恋人が意識不明の重体で入院するところから始まります。どうして恋人は親友と揉めたのか、その関係者はなぜ主人公に対して怒りを向けているのか知りたいと...

自分の人に対する価値観を問われるような作品で、人との関わり合いについてとても考えさせられました。 この本は、コロナで少し疎遠気味だった恋人が意識不明の重体で入院するところから始まります。どうして恋人は親友と揉めたのか、その関係者はなぜ主人公に対して怒りを向けているのか知りたいと思い、恋人の秘密を探るというストーリー。 この小説で最も良かったなぁと感じたのは登場人物のセリフのリアルさでした。それぞれに生きにくい事情を抱えながらも、なんとか「普通に」生活したいともがく人々から出るセリフはすごく心に刺さります。 こうした人々のセリフを通し、事情を理解してもらうことには、色眼鏡で見られてしまうリスクも存在し、そうした曲がった理解は決して人を尊重していることにはならないと訴えかけられた気がします。 人との関わり方に明確な答えがないからこそ、凄くハッとさせられたお話でした。

Posted byブクログ