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川のほとりに立つ者は の商品レビュー

3.8

578件のお客様レビュー

  1. 5つ

    119

  2. 4つ

    237

  3. 3つ

    164

  4. 2つ

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  5. 1つ

    4

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2024/09/24

喧嘩とコロナで距離をおいていた恋人が、怪我をして病院に運ばれる。意識のない恋人の部屋を訪れた主人公は、恋人が書いていたと思われるノートを見つけ、自分の知らなかった恋人の側面を知ることとなる。 今の世の中「べき論」が横行しすぎてるなと思う。 不寛容に寛容でない世界は生きづらい。 相...

喧嘩とコロナで距離をおいていた恋人が、怪我をして病院に運ばれる。意識のない恋人の部屋を訪れた主人公は、恋人が書いていたと思われるノートを見つけ、自分の知らなかった恋人の側面を知ることとなる。 今の世の中「べき論」が横行しすぎてるなと思う。 不寛容に寛容でない世界は生きづらい。 相手を慮り、信じ、待つことができる人間になりたいですね。

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2024/09/23

その人の内面って、表面上はわからない。浅い表面だけを見てのグルーピング、思い込み、無知ゆえの無意識のマウント、自分のものの見方の偏り…を知ってしまって恥ずかしいけど、そんな自分を認めて、少しずつ大人の階段のぼります! っていう、よくあるメッセージの話。 珍しい障害や事件や九死に一...

その人の内面って、表面上はわからない。浅い表面だけを見てのグルーピング、思い込み、無知ゆえの無意識のマウント、自分のものの見方の偏り…を知ってしまって恥ずかしいけど、そんな自分を認めて、少しずつ大人の階段のぼります! っていう、よくあるメッセージの話。 珍しい障害や事件や九死に一生…を絡ませてるので、飽きることなく一気読みはできた。 清瀬が教科書通りの甘ちゃんぶりを発揮する一方で、篠ちゃんの言動は仏?ほど心の広さを感じた。 若い人向けの本かなぁ。

Posted byブクログ

2024/09/17

「水を縫う」で寺地はるなさんの作品に興味を持って、この本で2冊目。 文体が今の自分に合っているのか、出だしから読みやすく、2日で読了した。 マイノリティの生きづらさに焦点を当てている点は「水を縫う」と一緒で、今回はADHDやディスレクシアなどの障害が題材になっていた。 清瀬のもの...

「水を縫う」で寺地はるなさんの作品に興味を持って、この本で2冊目。 文体が今の自分に合っているのか、出だしから読みやすく、2日で読了した。 マイノリティの生きづらさに焦点を当てている点は「水を縫う」と一緒で、今回はADHDやディスレクシアなどの障害が題材になっていた。 清瀬のものの見方に、自分と似ているところがあるかもしれないと思った。 「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石を知り得ない」という美しい比喩が良かった。 知ること、寄り添うことが大事だと思った。

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2024/09/17
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「あのね、言っとくけど、あんたが男を利用せずに生きていけるのは、あんたが私より優れてるからじゃない。ただ私より恵まれてただけ。運よくまともな家で生まれ育って、友達がいて、仕事があって、運よく順調に生きてこられただけ。ただちょっと運がよかっただけのくせに、偉そうに道端で説教する気?」 『何かを見て「普通じゃない」と思うのは、自分の中で勝手に決めた「普通」に合っていないだけであり、「普通じゃない」人にはそれぞれ事情や背景がある。それを斟酌せず、たまたま安全で恵まれた場所にいる人が「普通」を判断することの愚かしさと危うさが浮き彫りになる。自分を「ちゃんとしている」と思っている人、他者に対して「ちゃんとして」と思いがちな人にこそ、本書を読んでほしい。それはあなたの目を曇らせる呪いになってはいないだろうか。(大矢博子/双葉社文芸総合サイト)』 読みながら、清瀬とともに、苛立ち、腹を立て、衝撃を受け、羞恥し、反省した。最初から最後まで私は清瀬だった。何度でも読み直して、心に刻みたい。

Posted byブクログ

2024/09/15

劇的な展開はないのに、じわじわ面白くて、すらすら読めてしまう。 話の中にADHDを抱える人が2人出てくる。 ディスレクシア(発達性読み書き障害)というものは初めて聞いたが、字を形として認識できず、読むことも書くことも難しいという。 本人も家族も頭が悪く覚えられないだけとずっと思っ...

劇的な展開はないのに、じわじわ面白くて、すらすら読めてしまう。 話の中にADHDを抱える人が2人出てくる。 ディスレクシア(発達性読み書き障害)というものは初めて聞いたが、字を形として認識できず、読むことも書くことも難しいという。 本人も家族も頭が悪く覚えられないだけとずっと思っている。 カフェの店員、品川も、仕事中片付けができなかったり時間を守らなかったりで、まわりから使えないやつと思われている。 仕事ができない、使えない、頭が悪い、言われたことをやらないと、非難してしまうが、それがADHDによるものだと知ると、非難して悪かったなと思ってしまう。 じゃあ知っていたらどうなるのか、何か変わるのかと問われると、気持ちが少し変わるだけなのかもしれない。 社会的には人と違うと枠からはみ出して生きづらくなってしまう。 『川のほとりに立つものは、水底に沈む石の数を知り得ない』 川の中に手を入れて底まで触ってみなければ、底に小石がいくつあるかわからない。 人は、一方向からしか見ないと、その奥にあるものに気がつかないことがある。 相手をもっと知ろうとしなければわかることがない。 自分のこともわかってもらえない。 うわべだけしかみないで知っているつもりになって、相手を傷つけたり、自分が傷ついたりしてしまう。 寺地さんの作品には、いつも人との関わりの中で大事なことを教えられる。 、

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2024/09/13
  • ネタバレ

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暗く重たい話で楽しい内容ではありません。 けれど、一見して障がいとはわからないADHDや読み書きが困難なディスレクシアを扱っており、世間への周知と学びにつながってると感じました。 ラストの天音さんが樹と親しくなるきっかけとなった、おみくじ飴の大吉を大切そうにしていたことが救いとなりました。

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2024/09/07
  • ネタバレ

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喧嘩中の彼氏が重体になり、病院に向かう主人公。最初はミステリーかと思っていたが、読んでいけば自然に謎が分かってくるが それよりもどうして2人が喧嘩しているか。 「なぜ」が分かった時に世界の見え方が変わってきた。 途中でバイトの品川さんが発達障害だと主人公にカミングアウトするところ。 私が主人公の立場ならはじめから言って欲しかったと思うけれど、「障害」と言ってもらわないと配慮してもらえないし、本当の自分を見てもらえないと思う品川さんの気持ちもすごく分かる。 私たちが必要なのは川底に沈む石はそれぞれ違うことを知ることからなんだろう。

Posted byブクログ

2024/08/26

発達障害等、考えさせられる問題を含んだ物語ではあったが、面白く読みやすかった。 人は色々なことを我慢して、頑張って一人で生きていると思ってたとしても、気付かないだけで周りの支えや配慮があったりするものだ。それに感謝をしていこう。また、逆に自分が誰かにしてあげてることを、相手が気...

発達障害等、考えさせられる問題を含んだ物語ではあったが、面白く読みやすかった。 人は色々なことを我慢して、頑張って一人で生きていると思ってたとしても、気付かないだけで周りの支えや配慮があったりするものだ。それに感謝をしていこう。また、逆に自分が誰かにしてあげてることを、相手が気付かない、疎むこともあるが、それを非難することは、傲慢でしかない。何かの役に立てたらという自分の気持ちは大切に、惜しみなく手を差し伸べよう。そう思える本でした。 物語の中で出てくる『夜の底の川』という本も読んでみたいですね。

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2024/08/24

最近仕事を通して感じている事とリンクするような内容で、自分にとって良いタイミングで読めた本。 人の長所や短所を全部ひっくるめて「個性」って表すのは、なんか手っ取り早く良い人になるための方法みたいに感じてしまってあんまり好きじゃない。 だけど凸凹がその人らしさを形作ってるとは思う...

最近仕事を通して感じている事とリンクするような内容で、自分にとって良いタイミングで読めた本。 人の長所や短所を全部ひっくるめて「個性」って表すのは、なんか手っ取り早く良い人になるための方法みたいに感じてしまってあんまり好きじゃない。 だけど凸凹がその人らしさを形作ってるとは思うし、その人らしい美しいところを見つけてたくさんの人のことを好きになりたい、という気持ちはある。 私は偏見だらけだし、考え無しに思ったことを口に出して後悔することもたくさんあるし、色んな事に対して無知だ。 でも私なりに「何か事情があるのかも」「こう言ったら相手を傷つけるんじゃないかな?」って探る努力はしているつもり。 しなくて良い所で反省したり、気を遣って疲れる事もあるけど、そんな自分は嫌いじゃないし、自分のそういう所は大事にしていきたい。 なんだかふわっとしてるけど、そんな事を考えながら読んでいた。 登場人物それぞれが持っている美点が、ストーリーの中でどんどん輝いてきて愛おしくなる。 特に松木といっちゃん。 なんだよ最高かよ!一生ダチでいてくれよな!笑 清瀬も篠ちゃんも品川さんも岩井さんもそして天音も...うまく表せないけど、小説のキャラクターっていうより、「人間」って感じがして魅力的。 冒頭で事件が起きて、真相が少しずつわかってくるミステリーかと思いきや、ヒューマンドラマ要素も大きくて自分好みだった。

Posted byブクログ

2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相手が何を考えているのか分からず、相手を疑い、誤解し喧嘩になり距離が離れていく。恋人、親子、友人、何を考えているか分からないし、分からなくていいのかもしれないなと思った。 天音から清瀬への言葉。「あのね、言っとくけどあんたが男を利用せずに生きていけるのは、あんたがわたしより優れているからじゃない。ただわたしより恵まれていただけ。運よくまともな家で生まれ育って、友だちがいて仕事があって、運よく順調に生きてこれただけ。」ここのページが印象に残った。

Posted byブクログ