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川のほとりに立つ者は の商品レビュー

3.8

549件のお客様レビュー

  1. 5つ

    115

  2. 4つ

    224

  3. 3つ

    157

  4. 2つ

    21

  5. 1つ

    4

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2024/06/10

私も、表面でしか物事を見れないなぁと自省。 わかってはいるつもりでも、なかなか、「なにか事情があるのかもしれない。」とまでは考え難い。 行動で判断するのが最も手っ取り早く、紛れもない事実となるから。 川のほとりに立ってるだけじゃ、奥底までは見えないよね。 ただいちいち出会う人の奥...

私も、表面でしか物事を見れないなぁと自省。 わかってはいるつもりでも、なかなか、「なにか事情があるのかもしれない。」とまでは考え難い。 行動で判断するのが最も手っ取り早く、紛れもない事実となるから。 川のほとりに立ってるだけじゃ、奥底までは見えないよね。 ただいちいち出会う人の奥底まで知ろうと深入りするのはやめた方がいいと思う。と考える私は薄情なのかな。 大切な人を大切にしていきたいよー。

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2024/06/10

大好きな寺地はるなさんが、やっっと本屋大賞で10位以内にランクインしたぞ…! と思ったのだけど。 いつもと違ってミステリー要素強めで、あまり好きになれないキャラが近い距離にいて、(善い悪いではなく)最初寺地はるなさんらしさがあまり感じられなかった。前提として「普通」みたいなものが...

大好きな寺地はるなさんが、やっっと本屋大賞で10位以内にランクインしたぞ…! と思ったのだけど。 いつもと違ってミステリー要素強めで、あまり好きになれないキャラが近い距離にいて、(善い悪いではなく)最初寺地はるなさんらしさがあまり感じられなかった。前提として「普通」みたいなものがあるのが居心地が悪かったというか。 発達障害を前面に出したのも、わかりやすくしたのかな。色々あるんだよって、知らない人が知るには良かったと思う。 人は誰でも他人に対して勝手な思い込みを持っていて、それゆえに他人の行動を決めつけてしまうんだよなあ。自分で言って自分に刺さる。 でも、何を抱えるか・隠すか、どんなタイミングで何かを選ぶか、どうやって生きるかも本来はその人が自由に決めること。 そして、誰かに好かれなくても、伝わらなくても、他の誰かは見ていてくれる。これは希望であり絶望であり孤独であり自立である。 受けた恩は本人に返せないし返さないほうがいいのはわかってるけど、物語らしくいい感じにしてほしかったとは思ってしまう。でもそれをしないのが寺地さん。リアルで胸が痛かった。そこが好き。

Posted byブクログ

2024/06/04

最初からずっと天音(まお)と言う人に嫌悪しか感じなかったが、ラストのたった1つの行動で、こんな一面もあったのか、そうなのか。だったら天音の今までの発言や行動も違う見方ができたのかもしれないと考えている自分がちょっと嫌になりました。樹や品川の障害に対しても知る前と後で、清瀬の態度が...

最初からずっと天音(まお)と言う人に嫌悪しか感じなかったが、ラストのたった1つの行動で、こんな一面もあったのか、そうなのか。だったら天音の今までの発言や行動も違う見方ができたのかもしれないと考えている自分がちょっと嫌になりました。樹や品川の障害に対しても知る前と後で、清瀬の態度が変わったように、これも偏見だったのかと、考えさせられる1冊でした。

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2024/06/06

「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。」 感じることがたくさんある作品だった。 わかり合うことの難しさ、思い込みの怖さ… わかりあえない親子、深く理解し合える友達、すれ違う恋人達… みんな不器用で、だけどそれぞれに懸命に生きているように見えた。 誰に対しても優し...

「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。」 感じることがたくさんある作品だった。 わかり合うことの難しさ、思い込みの怖さ… わかりあえない親子、深く理解し合える友達、すれ違う恋人達… みんな不器用で、だけどそれぞれに懸命に生きているように見えた。 誰に対しても優しくありたいけれど、相手を思いやれないこともある。日々人を傷つけたり傷つけられたりしながら生きているんだと思う。 人を完全に理解することは難しいけれど、理解するための努力は惜しまずに… 人と人との対話を大切に… 心動かされる作品だった。

Posted byブクログ

2024/06/01
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恋人だった人が理由は分からないが、昔からの友人と殴り合い、意識不明の状態になる。 その不可解な出来事をきっかけに、主人公は恋人について深く知ることになる。 主人公は自分が知っている恋人と、その出来事、そして恋人の家族が伝えてくる印象が異なり何が本当の姿なのか分からなくなる。しかし、恋人の部屋にあった日記を読むうちに、恋人の過去について知っている人と話すうちに表面だけでなく、恋人の内面について知ることになった。 人は自分の認識を信じ、人と接する。それは、本当に表面だけの理解であるがそれが正しいと思ってしまう。その認識は絶対に真実と異なるところがある。それに気づき、そしてそれをなおし、正しく色々なことが判断できる自分でありたいと感じた。

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2024/06/01

細やかに文章を繋いだ、落ち着いた小説というのが第一印象。物語の中に、いわゆる発達障害と括られそうな人物が二人。当事者が本当に苦しそうで、辛い。少なくとも今の日常では、主人公のふたりの一番そばにその人たちは存在していて、主人公二人は理解を深めていってるようだ。そして、生育環境のせい...

細やかに文章を繋いだ、落ち着いた小説というのが第一印象。物語の中に、いわゆる発達障害と括られそうな人物が二人。当事者が本当に苦しそうで、辛い。少なくとも今の日常では、主人公のふたりの一番そばにその人たちは存在していて、主人公二人は理解を深めていってるようだ。そして、生育環境のせいか、現状逃避のため、人を巻き込み利用しながら、生きている人。自分を傷つけてきたそんな人にも、温かい目を向ける主人公が尊い。心を開いて人と繋がるって、難しいけど、やってみれば、いいこともある。人って、捨てたもんじゃない、人っていいなぁ、と思わせてくれた小説だ。

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2024/05/26

その人にはその人の事情があるかもしれない。そう想像できる人間でありたい。天音の言動、行動にはいちいちイライラさせられることも多かったが、そう思ってしまうのは私が清瀬側だから?ちょっと運が良かっただけ。相変わらず寺地はるなさんの本は刺さります。

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2024/05/26
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図書館本 これは良かった✨ 川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。 人が心を開き、人への支援に感謝する、そんなしかるべき展開がふつーのことなのか。 否。 手を差し伸べられた人はすべからく感謝し、その支援や配慮を受け入れるべき。これは大きな間違いなんだ。 松木圭太が樹に書いた作文。泣きそうになった。 ディスレクシアの樹が、天音に一生懸命に書いた手紙。その思いが切なかった。 原田清瀬と品川さんの関係性の変化も良き。

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2024/05/28
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天音さんの放つ言葉が、自分の痛いところを突いていて、かなり刺さった。 ひどい言い方で、もし現実で嫌いな人にそっくりそのまま言われれば、たぶん「嫌な人だなあ」と思うだけでわざわざ真面目に向き合ったりしない。冷たい言い方だけど、トラブルに巻き込まれるのはごめんだし、こんな言い方をする人は、だいたいトラブルになるリスクを抱えまで一緒にいたい相手ではない。 本の中だからこそ、何度も読み返せるからこそ、天音さんの言葉を理解しようと思える。 天音さんが人を利用するのは許せないけど、それは、利用しなくても生きていられる人間だから言える言葉だ。 想像力もなく、見えている事実や偏見だけで勝手に判断し意見を述べてしまうキナコの傲慢さは、客観的に見ていて明らかに人との接し方として間違っている。だけどきっと私も無意識に、これをしてしまっている。想像力や、人と接する中での丁寧さって大事だ。。 あと、「あなたの明日がいい日でありますように」とは、素敵な言葉。誰かの幸せを願えるということこそ、幸せなことだと気付かされた。

Posted byブクログ

2024/05/27
  • ネタバレ

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明日が良い日でありますように 「川のほとりに立つものは、水底に沈む石の数を知り得ない。でもキヨちは水底の石がそれぞれ違うことを知ってる。」に辿り着くまでの過程が天晴れ。 後悔しない今日を生きると同時に答えを出せない問題に向き合い待つ辛抱強さ◯ 篠ちゃんの「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。」「いい部分と悪い部分がその時のコンディションによって濃くなったり薄くなったりするだけで」の言葉が染み染み(p161

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