無人島のふたり の商品レビュー
膵臓がんとわかり、ステージ4 余命4ヶ月、化学療法をしても9ヶ月と言われ、緩和ケアを選択した文緒さん。発覚から亡くなる9日前までの自分と夫の暮らしを無人島に暮らす二人になぞらえて綴った日記。 苦しさ・痛みを和らげるためだけの治療なのにつらそうだが、自分の死を意識し何をするにも誰に...
膵臓がんとわかり、ステージ4 余命4ヶ月、化学療法をしても9ヶ月と言われ、緩和ケアを選択した文緒さん。発覚から亡くなる9日前までの自分と夫の暮らしを無人島に暮らす二人になぞらえて綴った日記。 苦しさ・痛みを和らげるためだけの治療なのにつらそうだが、自分の死を意識し何をするにも誰に会うのも、これが最後かもしれないと思い続ける事は本当に厳しい。会いに来た人も、これが最後かもと意識しながら笑って過ごそうとしていることが悲しい。年老いた母親が徐々に娘の状況を理解していく事も、娘にとっては辛そうだ。 そんな日々を、夫や医療従事者に感謝をしつつ、最後まで書き留めていた文緒さんの作家魂に感動した。
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自分とほぼ同年代で亡くなった山本文緒さん とても身近に感じて自分もきっと抗がん剤の辛さには耐えられないだろうし同じような選択をしただろうとか、学生時代に散々キューブラーロスの死の受容までの段階とか読んでわかったような気になっていたけど現実はきっとこっちだろうとか、日記に書くことを...
自分とほぼ同年代で亡くなった山本文緒さん とても身近に感じて自分もきっと抗がん剤の辛さには耐えられないだろうし同じような選択をしただろうとか、学生時代に散々キューブラーロスの死の受容までの段階とか読んでわかったような気になっていたけど現実はきっとこっちだろうとか、日記に書くことを想像したりとにかく身につまされた。元気なことは当たり前じゃない。明日同じ立場になるかもしれないなあと。今を大切にしよう。家族にも友達にも感謝しよう。
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山本文緒さんが亡くなったことをニュースで聞いた時はとてと驚きました。「自転しながら公転する」を買ったまま積読状態だったのですぐに読んだことを覚えています。 1日1日、山本文緒さんの体の状態が良くなったり悪くなったりするのがよく伝わってきました。 それと、読みながら私だったら余命宣...
山本文緒さんが亡くなったことをニュースで聞いた時はとてと驚きました。「自転しながら公転する」を買ったまま積読状態だったのですぐに読んだことを覚えています。 1日1日、山本文緒さんの体の状態が良くなったり悪くなったりするのがよく伝わってきました。 それと、読みながら私だったら余命宣告されたらどんな気持ちにになるんだろう?どんな風に日々過ごしていくんだろう?ということを考えてしまいました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
無人島のふたり 山本文緒 ∞----------------------∞ あの流行病の最中、亡くなった山本文緒さん。 実は彼女をよく知らなかったのだけど「自転しながら公転する」が良くて、好きになった著者のエッセイって気になるでしょ?で、調べたら亡くなられてて実はこういうものを最後に残されてたと知る。 「ばにらさま」を書かれたのはそれ以前だったけど、発売日は、それまで生きてるかなとご本人も思われるくらいの時だった。(これ読むと「20×20」って文緒さんのことに思えてくる) きっと身体もとてもしんどかっただろうに、ほぼ毎日日記を書かれてて、辛いこともあれば昔の思い出もあって、充分な読み応えだった。 冬服をもう着ることもないんだろうなとか、冬季オリンピックも見れないんだろうなとか、もう●●出来ないんだろうな系が辛い。 葬式の話をしてる時の身内の気持ちなんてのも想像できない(したくないというのもある)。 当たり前だけど、この本が出る=自分はもう居ないということも分かってて書かれてると思うと、本当に書くことが好きな方だったんだなと思った。 まだまだ彼女の本読みたいです。 2024/08/23 読了(図書館)
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読みはじめは、いろんな思いがあったのに、読み終わると、いろんな思いがシャボン玉が消えるように音もなく、消えてしまった。 もちろん、いい意味で!! 山本文緒さんがフェイスブックやツイッターで語ろうとしてくれてことを書籍と言う形に、文字という形に、してくれたことに感謝。 つきあってく...
読みはじめは、いろんな思いがあったのに、読み終わると、いろんな思いがシャボン玉が消えるように音もなく、消えてしまった。 もちろん、いい意味で!! 山本文緒さんがフェイスブックやツイッターで語ろうとしてくれてことを書籍と言う形に、文字という形に、してくれたことに感謝。 つきあってくれてありがとうございました。と本のなかであったけれど、こちらこそ、思いを伝えてくれたことにありがとうございました。
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ステージ4の膵臓癌だと告げられた作家山本文緒さんの闘病日記。家族が読んでいて自分も手に取ってみた。 残念ながら山本さんの他の著作を読んだことがなく、作風や人柄を知らないまま読んでしまったが、まだ58歳の時点で余命4ヶ月と告げられてるとは思えないほど、最期に向かっていることを受け...
ステージ4の膵臓癌だと告げられた作家山本文緒さんの闘病日記。家族が読んでいて自分も手に取ってみた。 残念ながら山本さんの他の著作を読んだことがなく、作風や人柄を知らないまま読んでしまったが、まだ58歳の時点で余命4ヶ月と告げられてるとは思えないほど、最期に向かっていることを受け入れているように感じる(あえてそうしていたのだとは思うけども)、日々のことを綴った文章だった。 その一方で時々深刻なレベルで体調を崩されることがあり、闘病の辛さも伝わってきた。加えて旦那さんとの仲の良さも伝わってきて、「無人島のふたり」というタイトルに込められた思いや、パートナーを失うことになる旦那さんの気持ちも想像すると余計に悲しくなってくる。 外で読んでいたので堪えられたものの、人目のない場所で読んでいたら最後を含め何箇所かで泣いていたかもしれません。また、ご本人のことをよく知って読んでいたら更に感情が入り星5をつけていた気がします。 今さらになりますが、他の作品も読ませていただこうと思います。
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大好きな山本文緒さんの最後の闘病日記。 純粋に人って余命宣告を受けたり、死ぬ前ってこんな感じなんだっていうのが率直な感想。 多分、読む方がつらくならないように、苦しくならないように あえて書かなかったことが沢山たくさんあったんだろうと思う。 余命宣告されて死ぬとわかっていても...
大好きな山本文緒さんの最後の闘病日記。 純粋に人って余命宣告を受けたり、死ぬ前ってこんな感じなんだっていうのが率直な感想。 多分、読む方がつらくならないように、苦しくならないように あえて書かなかったことが沢山たくさんあったんだろうと思う。 余命宣告されて死ぬとわかっていても、それでも諦められないこと。好きなこと。大切なこと。 この瞬間だからこそ、やっておけばよかったと感じていること。 きっと、山本文緒さんだったらばもっと色んなぐるぐるやモヤモヤを言語化することもできたのだと思う。 それでも、それを残さずに最期を迎えられたこと。 無人島のふたりの題名に込められた夫さんへの愛情。 言葉で語られてない愛や想いの伝わる一冊だった。
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つらいはずなのに、本人は淡々としていて病状を思いのままに書き連ねています 最後の方の少しずつ影が薄くなっていく感じが、悲しく、さみしい気持ちになり涙がとまらなくなります 自分の最期をこんなふうに書き残した作家がいた、と強く印象に残りました
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がんになった作家の終末期日記 山崎ナオコーラ「美しい距離」には『(お別れできるので)死ぬならがんが良いな』とあり この本には『がんはお別れの準備期間がありすぎる』とあった 先日、急に悪くなりお別れできなかった患者を看取った 死に正解などないのだ… 読書会で教えて頂いた本 ...
がんになった作家の終末期日記 山崎ナオコーラ「美しい距離」には『(お別れできるので)死ぬならがんが良いな』とあり この本には『がんはお別れの準備期間がありすぎる』とあった 先日、急に悪くなりお別れできなかった患者を看取った 死に正解などないのだ… 読書会で教えて頂いた本 読んでよかった 読み終わりたくなかった 他の人が最後に著者への想いとか述べたりせず、あくまでも日記に徹し、淡々としたところが良かった みんな死ぬんだし。
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余命宣告後、どんなにお辛かっただろうか…と、涙してしまう箇所もありましたが、全体的に暖かみとユーモアのある文章で、山本さんのお人柄を感じられて、色々な感情が錯綜しました。
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