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無人島のふたり の商品レビュー

4.4

317件のお客様レビュー

  1. 5つ

    147

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    32

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2024/06/03

どこまでも作家な人なんだな。書いてスッキリするというのもあるんだろうし。日々いろいろな気づきを重ねて生活したいと思った。

Posted byブクログ

2024/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【死を前に生き続けること】 山本文緒さんが共有してくれた、最期の日々の記録。 私たちが物語を作ったり、本を読んだりすることは、 この時のためなんじゃないか、と そんなことをふと感じました。 彼女が流れ着いた無人島での生活。 思ってもみない、準備なんて全くできていなかった、 けれどももう戻れない。 誰にでもありうることなのだけれど、 ついつい小説の中だけの話と思ってしまう。 ・・・ とくに思ったことが2つあります。 とても素晴らしいパートナーさんと出会われたのだなーということ。 無人島のふたり。 ひとりではなかったこと。 一人で行動してきたことは、あっという間に遠くなってしまった、と書かれていたことが印象的でした。 一人で何でもすることが好きだったり、結婚後も自分の部屋を借りたりと、 でも人生の最期で自分につきっきりになり支えてくれる人がいることがとても美しくもあり。そうして始まったことがあった。 そして無人島に無人島に訪ずれる人々。 人生で大事なことは何か、考えさせられる。 もうひとつが、 余命宣告後も優先して行うことが変わらないこと。 どうだろう、 もし数か月後に死ぬ、ってなったら、今してることをやめて自分が本当にしたかったことをする、見たいになる人も多いのではないかと思う。 終わりが近いことを知ってなお、彼女が書き続けること。 死ぬと決まっていても、決まっているからこそさらに必死で今していることを続ける、 そんな生き方をされているということ。 この前読んだ本では、 ストア派の災厄の予期、というのがあった。 逆境、絶望の淵、死を目前にしたときにもいかにより良い姿勢を維持できるか、そのための訓練。 絶望時にあっても生き生きと活動し続ける山本さんから学ばせていただきながら、 自分を高める機会は、実は私たちにも日常に与えられていて、 ちょっとそんなことを考えたりしました。 無駄な力を抜いて、 本当に大事なことを見つめ直すきっかけになる本でした。

Posted byブクログ

2024/05/24

山本文緒さん。結末がわかっているから読むのがどんどん辛くなるかと思っていたけど、山本さんの気丈でユーモアさえある言葉を最後まで読みたいと強く思って、一気読みになった。 読了後、ブクログの皆さんの感想を読んで涙が出る。最期まで作家。人は皆死ぬと知っていても、死んでしまったらもう会...

山本文緒さん。結末がわかっているから読むのがどんどん辛くなるかと思っていたけど、山本さんの気丈でユーモアさえある言葉を最後まで読みたいと強く思って、一気読みになった。 読了後、ブクログの皆さんの感想を読んで涙が出る。最期まで作家。人は皆死ぬと知っていても、死んでしまったらもう会えないし言葉も聞けないし読めない、というのは本当に寂しくて辛くて悲しい。 でも、山本文緒さんの作品が沢山遺されているのは嬉しいこと。これからも何度も読むと思う。天国でお父様と猫のさくらちゃんと会えていますように。

Posted byブクログ

2024/05/22

朝の通勤で読み終えてしまった。一気読み。 完全なる闘病日記。亡くなる1週間前まで、文章を遺した作者に哀悼の意を。。

Posted byブクログ

2024/05/15

文中に、こんなものを読む人がいるだろうかと書かれていましたが、 こんなにも為になる本はなかなかありません。 世に出してくださりありがとうございます。

Posted byブクログ

2024/05/14

この本がどういう内容なのかは知っていたし、最後どうなってしまうのかも知ってたけれど、想像以上にずしんと来てしまって、悲しくて涙が止まらない。 ある日突然亡くなるのも辛いけれど、あと何日位ですと余命を告げられて、治療しても辛い、しなくても辛い、本人が一番辛いのに周りにも申し訳ない...

この本がどういう内容なのかは知っていたし、最後どうなってしまうのかも知ってたけれど、想像以上にずしんと来てしまって、悲しくて涙が止まらない。 ある日突然亡くなるのも辛いけれど、あと何日位ですと余命を告げられて、治療しても辛い、しなくても辛い、本人が一番辛いのに周りにも申し訳ないって思ってしまうなんて…。 最後の日記は本当に朦朧とした意識の中で書いてる感じで、作家魂がすごい。

Posted byブクログ

2024/05/12

がんになり余命宣告されたらその日までどう生きたらいいんだろう?夫婦2人で無人島にいてもやがて旦那さんは本島に行ってしまう。無人島に残されるのは自分だけ。その日が来るまでどう生きたかを丁寧に綴った日記。私なら。私なら無人島に何を持ちこもうか。いや、余命宣告されたのならばそれどころじ...

がんになり余命宣告されたらその日までどう生きたらいいんだろう?夫婦2人で無人島にいてもやがて旦那さんは本島に行ってしまう。無人島に残されるのは自分だけ。その日が来るまでどう生きたかを丁寧に綴った日記。私なら。私なら無人島に何を持ちこもうか。いや、余命宣告されたのならばそれどころじゃないとパニックになってるかな。とても静かに胸にしんしんと言葉が降ってくるような読書になりました。

Posted byブクログ

2024/05/12

最後の長編「自転しながら公転する」を読了し、「描写にリアリティを感じる」ことで高評価させていただいたのが2021年10月3日。その10日後の悲しいニュースに、もう新作が読めない事の寂しさを感じたことを覚えています。本作は最後の120日間、ご本人も「書けない寂しさ」を強く感じていた...

最後の長編「自転しながら公転する」を読了し、「描写にリアリティを感じる」ことで高評価させていただいたのが2021年10月3日。その10日後の悲しいニュースに、もう新作が読めない事の寂しさを感じたことを覚えています。本作は最後の120日間、ご本人も「書けない寂しさ」を強く感じていたことがよくわかります。58歳は早過ぎますよね。いろいろ心残りだったろうなぁ。 自分も勝手に長生きできるイメージをなんの根拠もなく持ってるけど、楽観は禁物です。

Posted byブクログ

2024/05/10

「無人島のふたり」読了。山本文緒さんの余命120日からの日記。 淡々と飾り気の無い言葉で綴られる。58歳最後の日に58歳で逝ってしまった彼女の日記を読み、近しい人をこんな風におくるのはもう嫌だなとつくづく思った。

Posted byブクログ

2024/05/09

山本文緒さんの著書「自転しながら公転する」があまりにも素晴らしく、彼女の作品をもっと読みたいと思って調べたことがきっかけで、皆がおすすめしていたこの本に出会った。 「無人島のふたり」というタイトルだけでは気付かなかったがこれはいわば山本文緒さんの闘病日記であることにびっくりし、...

山本文緒さんの著書「自転しながら公転する」があまりにも素晴らしく、彼女の作品をもっと読みたいと思って調べたことがきっかけで、皆がおすすめしていたこの本に出会った。 「無人島のふたり」というタイトルだけでは気付かなかったがこれはいわば山本文緒さんの闘病日記であることにびっくりし、さらに彼女が2021年にお亡くなりになっていたことを知ってさらに衝撃を受けた。 闘病している本人が書いている闘病日記やブログは何回か目にしたことはあったが、文章のプロが書く闘病日記は本当に細かいニュアンスや気持ちの描写などが的確で分かりやすく、実はまだ読み始めて30ページくらいだけど余命があと4ヶ月しかないと知ったときの気持ちや髪の毛がごそっと抜け落ちた時の絶望感が本当にストレートに伝わってきて、胸が苦しくなった。 どうか読み終えた時に苦しいだけじゃなく、心から読んで良かったと思える気持ちになっていますように。

Posted byブクログ