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無人島のふたり の商品レビュー

4.4

338件のお客様レビュー

  1. 5つ

    151

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/05/10

「無人島のふたり」読了。山本文緒さんの余命120日からの日記。 淡々と飾り気の無い言葉で綴られる。58歳最後の日に58歳で逝ってしまった彼女の日記を読み、近しい人をこんな風におくるのはもう嫌だなとつくづく思った。

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2024/05/09

山本文緒さんの著書「自転しながら公転する」があまりにも素晴らしく、彼女の作品をもっと読みたいと思って調べたことがきっかけで、皆がおすすめしていたこの本に出会った。 「無人島のふたり」というタイトルだけでは気付かなかったがこれはいわば山本文緒さんの闘病日記であることにびっくりし、...

山本文緒さんの著書「自転しながら公転する」があまりにも素晴らしく、彼女の作品をもっと読みたいと思って調べたことがきっかけで、皆がおすすめしていたこの本に出会った。 「無人島のふたり」というタイトルだけでは気付かなかったがこれはいわば山本文緒さんの闘病日記であることにびっくりし、さらに彼女が2021年にお亡くなりになっていたことを知ってさらに衝撃を受けた。 闘病している本人が書いている闘病日記やブログは何回か目にしたことはあったが、文章のプロが書く闘病日記は本当に細かいニュアンスや気持ちの描写などが的確で分かりやすく、実はまだ読み始めて30ページくらいだけど余命があと4ヶ月しかないと知ったときの気持ちや髪の毛がごそっと抜け落ちた時の絶望感が本当にストレートに伝わってきて、胸が苦しくなった。 どうか読み終えた時に苦しいだけじゃなく、心から読んで良かったと思える気持ちになっていますように。

Posted byブクログ

2024/05/09

おこがましいが、最期の時間に少し寄り添えた気分。最後まで作家という仕事を全う出来ている才能に、少し嫉妬してしまう。素晴らしい文才。

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2024/05/09

図書館にエッセイ特集があって、タイトルにとても惹かれて読みました。 初めて山本文緒さんのご著書を読みました。 これから、なんだか順番が逆なのかもしれないですが、他のご著書も読みたいです。 どう感想を書いてよいのか分からなくて、一つだけ。 グラタンのところが、無性に悲しくて。夫さ...

図書館にエッセイ特集があって、タイトルにとても惹かれて読みました。 初めて山本文緒さんのご著書を読みました。 これから、なんだか順番が逆なのかもしれないですが、他のご著書も読みたいです。 どう感想を書いてよいのか分からなくて、一つだけ。 グラタンのところが、無性に悲しくて。夫さんが今幸せに暮らしておられるといいなと思います。

Posted byブクログ

2024/05/06

------------------------- お別れの言葉は、 言っても言っても言い足りない――。 ある日突然がんと診断され、 夫とふたり、無人島に流されて しまったかのような日々が始まった。 余命宣告を受け、それでも書くことを 手放さなかった作家が、最期まで綴った日記...

------------------------- お別れの言葉は、 言っても言っても言い足りない――。 ある日突然がんと診断され、 夫とふたり、無人島に流されて しまったかのような日々が始まった。 余命宣告を受け、それでも書くことを 手放さなかった作家が、最期まで綴った日記。 ------------------------- GWに入る前、 お世話になっていた方がすい臓がんで亡くなりました。 前半の連休初日に行った書店で見つけて手に取りました。 ずっと欲しかった一冊と、 このタイミングで出会うのは運命だと思い。 抗がん剤治療ではなく、緩和ケアを選んだ著者。 私がお世話になった方は、 余命半年から抗がん剤治療を受け、 二年程生き抜きましたが、 きっと想像を絶する苦しさがあったんだろうな、と。 仕事の場面では全く弱さを見せず、 最期まで仕事をしていた方でした。 そう思うと、本当に言葉にできない気持ちが。 本書では、 がーんと下がって、そこから少し楽になって、 だけど低空飛行な日もあって、 本当にがん?とわからないぐらい調子の良い日もあれば、 言葉を紡ぐこともままならない日があったり。 日々の日記ですが、 行間からたくさんの感情が流れてきて、 胸が痛かったです。すごく。

Posted byブクログ

2024/05/04

最後まで作家を貫いた、山本文緒さん。 同じ2021年にがんで亡くなった母と重ねながら、母もこんなことを感じたりしていたのだろうかと思いながら読みました。

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2024/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない――。急逝した作家の闘病記。 これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい――。思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にがんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まった。58歳で余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴っていた日記。 ---- 死ぬならガンで死ぬのがいいと聞いたことがある。 心臓麻痺とか脳出血とかでポックリ逝くのは死ぬほど痛い中で何も準備できないまま死ぬんだし、 老衰は何もできず、何もわからないまま周りに介護してもらって迷惑をかけつつ死ぬ。 余命を宣告された中で心の準備をした上で死ぬのがいいのかなと思う。 山本文緒さんの闘病日記、苦しいことがいっぱいだったけど、旦那さんがいてくれて本当によかった。私がそうなった時、あるいは夫がそうなった時、こんなふうに穏やかに楽しく過ごせたらと思う。 そのためにも夫と仲良くしてなくちゃ笑

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2024/04/14

2022年になくなった作家山本文緒さんの余命告知されてからの日記でした。 あと4ヶ月と言われ、それでも何か書きたいと思うのはやはり作家なんですね。 穏やかな文章ですがとてもリアルで、切なくなりました。 先日、「自転しながら公転する」を読んだばかりで、とても良かったから他の作品も読...

2022年になくなった作家山本文緒さんの余命告知されてからの日記でした。 あと4ヶ月と言われ、それでも何か書きたいと思うのはやはり作家なんですね。 穏やかな文章ですがとてもリアルで、切なくなりました。 先日、「自転しながら公転する」を読んだばかりで、とても良かったから他の作品も読もうと思っていて、見つけたのがこれでショックでした。

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2024/04/09

癌が発覚してから亡くなるまでの日記。 ふっと、命の火が消える。 そしてそのタイミングは選べない。 亡くなるまでにお別れの仕方、方針、会いたいと思う人とのコンタクト、色々なことを事前準備できる分、幸せなのか?死ぬまで考えてしまうのか? 私もいずれ死ぬけれど、どんなかたちであれ山...

癌が発覚してから亡くなるまでの日記。 ふっと、命の火が消える。 そしてそのタイミングは選べない。 亡くなるまでにお別れの仕方、方針、会いたいと思う人とのコンタクト、色々なことを事前準備できる分、幸せなのか?死ぬまで考えてしまうのか? 私もいずれ死ぬけれど、どんなかたちであれ山本さんのようなお別れもいいなと思えた。 旦那さんや、周りの人達、嫌な人もそれまでいただろうけどたくさんの良い人に囲まれて最期旅立ったんだなと感じた。

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2024/04/09

膵臓がんのため58歳で早世した人気作家の著者が、ステージ4bの膵臓がんの告知を受け、緩和ケアへ進むことを決め、まるで夫とふたりで無人島に流されてしまったように感じた2021年5月から死去9日前の10月4日まで綴った日記を活字化。 余命宣告を受けた後の、死の直前数か月間の様子や思い...

膵臓がんのため58歳で早世した人気作家の著者が、ステージ4bの膵臓がんの告知を受け、緩和ケアへ進むことを決め、まるで夫とふたりで無人島に流されてしまったように感じた2021年5月から死去9日前の10月4日まで綴った日記を活字化。 余命宣告を受けた後の、死の直前数か月間の様子や思いを克明に記した貴重な記録であり、最期まで書く意欲を持ち続けた著者に敬意を表したい。本書を読むと、最期に至るまで本当に著者らしく生き抜かれたということがよく伝わってきた。タナトフォビアの自分にとって、死に至る過程を追体験できたのは、言い方は失礼だが、参考になった。また、著者と夫の関係は、とても理想的な夫婦の在り方だと感じた。

Posted byブクログ