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無人島のふたり の商品レビュー

4.4

338件のお客様レビュー

  1. 5つ

    151

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2024/04/07

なんというか、闘病のリアリティはありつつも、語彙力が崇高で美しくもある、だからこそ適度な距離感で最後まで読めた、さすがプロの表現者 最後まで作家であることを貫いてるのもすごい 40過ぎてようやく私にもこういうことが起きるのかも、とはじめてリアルに思えた

Posted byブクログ

2024/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分が自転公転を読んだ時にはもう亡くなられていました。自転公転も素晴らしい作品でした。 普通に生活を送っていたのに、ある日突然その生活が変わるのが病気。がんは余命宣告されてから最期までが長いとのこと。色々考える時間があるってことですね。 旦那さんのサポートが素敵すぎる。最後寄り添ってくれるのはパートナーなんだなぁ。 無人島のふたりという題名について、日記を読んでその意味が段々わかった気がしました。本島、つまり社会から離れている感覚。 母と兄と会うのは最後になるであろう時って… 兄の手を握るって… どんな気持ちで日記を書いてたんだろう…特に後半。 辛いと思うし、よく書けるなと思う。 読了後は、何も考えられないというか放心状態になった。こんな言い方をしたらあれかもしれませんが、しばらくこの読後感に浸っていたいというか、、 山本文緒さん天国で元気にされてますか? 色々と感じさせてくれました。日記を書いてくれてありがとうございました。他の作品も読ませていただきます。 ご冥福をお祈りします。

Posted byブクログ

2024/04/07

闘病記というより、緩和ケアしながらの生活記という感じだった。なので辛さに目が潤んで読みづらくなる というタイプのものではなく、山本さんと一緒にしみじみと 少しずつ動くのが辛くなる日々を過ごしていく という感覚のものだった。

Posted byブクログ

2024/04/04

山本文緒さんの遺作!ある日突然の余命宣告! それを受け入れながらの病魔との戦い 闘病日記ではなく逃病日記! その日々がどんなに辛かったか?察するに余りある!最後は涙が出て仕方なかった。 作家として生き方を最後まで貫いた山本さんにただただ拍手を送りたい。ご冥福をお祈りします。

Posted byブクログ

2024/04/02

山本文緒さんの余命宣告を受けてからの日記。私も人生の後半戦を迎え、少しずつ死を現実的に考えるようになった。こんなことを言うと必ず諸先輩方にまだ若いのにと叱られるが、人生の終わりはいつ来てもおかしくない。自分だったら、山本さんのように冷静に、時には嘆いたり、ジタバタしたり、という状...

山本文緒さんの余命宣告を受けてからの日記。私も人生の後半戦を迎え、少しずつ死を現実的に考えるようになった。こんなことを言うと必ず諸先輩方にまだ若いのにと叱られるが、人生の終わりはいつ来てもおかしくない。自分だったら、山本さんのように冷静に、時には嘆いたり、ジタバタしたり、という状況を文章にできるかな?余命宣告でお別れの時間があるのと、突然逝ってしまうのと、どちらがよいのかな?などと読後はぐるぐる考えてしまう。改めて、考えを巡らす良い機会を頂きありがとうございます。

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2024/03/30

山本文緒さんの膵臓がんを宣告され緩和ケアにうつってから逝去されるまでの日々を綴った日記。亡くなるのがわかっているのに読み続けるのは、死と近づいていくということ。書いている山本さんも怖かったことだろうと思うし、読んでいるわたしも左の残ページが減っていくことが怖くて、不安で、こんなに...

山本文緒さんの膵臓がんを宣告され緩和ケアにうつってから逝去されるまでの日々を綴った日記。亡くなるのがわかっているのに読み続けるのは、死と近づいていくということ。書いている山本さんも怖かったことだろうと思うし、読んでいるわたしも左の残ページが減っていくことが怖くて、不安で、こんなにも読了を迎えたくなかった本は他にない。しかし、山本さん、旦那さま、そして医療従事者の方々がとても素敵な方ばかりで、少し心が和んだシーンも。わたしもいま病気で休養中なので動きたいのに動けない、そんな気持ちは痛いほどわかる。最後に訪れた逝去の文字は、ついに来たのか…という意味で限りなくリアルで、同時にもうこの方とお会いすることができないのか、この世におられないのかと思うと、涙が溢れる。叔母が癌に侵されていることもあり、余計リアルに感じた。 p.32 何も考えたくない。 過去のことも未来のことにも目を向けず、昨日今日明日くらいのことしか考えなければだいぶ楽になれるのにと思いつつ、気が付くと過去の楽しかったことや、それを失う未来のことで頭の中がいっぱいになって苦しくなっている。 今だけを見つめるという技は、宗教を極めた高僧のような人にしか出来ないことなのかもしれないと思う。あとすごい職人さんとかは無意識にできそう。

Posted byブクログ

2024/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでよかった。大学生の時に彼氏にファースト・プライオリティーを貸してもらってすんごくハマって、初めて作品が好きで名前を覚えた作家さんだったし、当時唯一「あ、この人知ってる」と思える人だったから、どういう事を思うのか少しでも知れてよかった。 話は緩和ケアに入るところから始まって、そこの先生にどういう経緯でこうなったのかを説明するところからになる。 別の施設のお医者さんから説明を受けて、あと120日しかないなんてと実感した際、著者が泣いて悲しむんだけど「120日後に死ぬフミオ」ってタイトルつけたらパクりって言われるかな、と思うところで笑った。しかももう一回出てくる。そのフレーズちょっと気に入っちゃってるじゃん。 今日は具合がいいとか、〇〇があって嬉しいとか書いてあると、ホッとしたりいちいちあぁ良かったと思えるし、急変したり何もないけどしんどいと書いてあるとやっぱりそうだよね、となりながら読み進めた。7月あたりからは涙が止まらなかった。 自分が家族を看病している時も思っていたけど、もう死んでいくのは分かっていても、どこかで「良くならないかな」という気持ちが微かに漂ってしまうの何なんだろう。 この本を読んでいて、確かにこんな感じだったなぁと思っていた。毎日無事を願って、家族が元気でいてくれたらそれ以上のことは何もないと学んだはずなのに、すぐ忘れてまた繰り返し。その時になったらごめんなさいごめんなさいと心の中で何かに謝って、後悔して。 読み終わって、大切にしたかったことをまた思い出せたように思う。

Posted byブクログ

2024/03/27

亡くなるとわかっていて綴られていく日記、とてもリアルでした。本人の胸のうちを書いてある内容を読んで、周りの方の気持ちまでいろいろ伝わってきて、言葉には言い表せない感覚になりました。 それと同時に癌で余命を宣告された方、ひとりひとりにそれぞれの想いがあると改めて感じました。

Posted byブクログ

2024/03/25

数々の名作を執筆した小説家の山本文緒さん。末期のすい臓がんであると宣告され,自宅で緩和ケアを受けながら過ごした5カ月弱の日々を闘病日記として遺されました。淡々とした日常の記録の中にところどころ顔を出す,自らの死を見据えた表現が胸に迫ります。

Posted byブクログ

2024/03/21

山本文緒さんのエッセイ「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」読了。 何をきっかけにこの本を知ったのか忘れてしまったのだけど、闘病エッセイであることを知っていて読みました。そして、著者がもう亡くなっていることも。 先日読んだ西加奈子さんの「くもをさがす」を読んだ時にも...

山本文緒さんのエッセイ「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」読了。 何をきっかけにこの本を知ったのか忘れてしまったのだけど、闘病エッセイであることを知っていて読みました。そして、著者がもう亡くなっていることも。 先日読んだ西加奈子さんの「くもをさがす」を読んだ時にも思ったんですが、その作者の著作を読んだことないくせに、闘病記だけ読むって、なんか、失礼ですよね。ほんと。ごめんなさい。 2021年4月に膵臓がんステージ4b、余命4ヶ月だと診断された著者が、5月から、亡くなる数日前まで書いていた日記。そのときどきの感情を、取り乱すこともなく、割とたんたんと綴ってくれている日記。 闘病記を読むと、ちょっと重たい気持ちになる。まだ死をそんなに意識したことがない私に、死が近くにある感覚を抱かせる。 でも、この本は、たくさんのヒントをくれたように思います。自分の気持ちをたんたんと書くこと、状況を客観的に把握すること、時にはつらい気持ちに落ち込むこともあること、それでも、自分を観察する自分がいることが、何らかの安定をもたらすかもしれないこと。 人はいつか死ぬことだけ決まっているけれど、それがいつなのか、どんな状況なのかは全然想像がつかない。もし、私が病気で死を待つ状態になったら、日記を綴ろう、と思いました(実際にはできないかもしれないけど…)。 静かになった世界で、王子様の声が聞こえていますように。

Posted byブクログ