仕掛島 の商品レビュー
相変わらずの東川篤哉の面白さが出ている。タイトルが仕掛島となってるが、斜島と呼ばれていて何かがあるとは思っていたが、まさかのそういう事!壮大なスケールだった。登場人物も著者との関連もあり面白かった。
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東川篤哉ワールド。 ユーモアミステリーは好き嫌いが分かれるが、わたしは謎解きシリーズも好きなのでそんなに気にならなかった。多少のくどさは否めないけど。 謎解き目的でこの本を手に取ることはおすすめしない。こんなぶっとんでる結末を解ける読者は普通にいない。絶対無理。諦めて。 でもこういうぶっ飛んだ仕掛けもありだとは思う。 あくまで、謎解きをする側ではなく、傍観者として楽しむ本。 だからフェアじゃないとか、そういう話はしない。 この作者の目的は読者をびっくりさせて、「ありか、そんなんありか、、いや、まぁうん、筋は通ってる、、金さえあれば、、運もあれば、、まぁ、、うん」と言わせることだと思うから。 普通に読んで楽しかったけどてんこ盛りで少し胃もたれしたので☆3。
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今年、久々の長編作品『スクイッド荘の殺人』を刊行した東川篤哉さん。何と何と、年に2作も長編が刊行されるとは。本作は、2005年5月に東京創元社から刊行された大作『館島』の、実に17年ぶりの続編でもある。 続編といっても、舞台が瀬戸内海の孤島(違う島です)という以外に共通点は少ないが、前作に負けず劣らず大作であることは書いてもよいだろう。再現の困難さという点で、こちらの方が上かも。探偵役のやや軽薄な男は、前作の探偵役の…。 遺言に従い、瀬戸内海の孤島に集められた一族の面々と、若き弁護士、探偵。島に到着すると、台風接近のため島外への渡航は不可能に。はいはい、お約束お約束。わくわく感と、少々の不安感に駆られつつ、すいすいと読み進める。 当然、殺人事件が発生するのだが、『スクイッド荘の殺人』を読んだ読者なら、感じるだろう。何となーく似ているなあ??? 嵐の山荘パターンといい、過去が現在の事件に絡んでいるらしい点といい、中途半端なユーモアといい。 『スクイッド荘の殺人』と同様に、フェアとは言い難い。『館島』は一応ヒントがちりばめられていたと思うが、本作のトリックは、わかるかこんなもん。だが、本作のタイトルを思い出してほしい。『仕掛島』である。どうですかこの大仕掛け! この突き抜けた馬鹿馬鹿しさは、曲者中の曲者・早坂吝を彷彿とさせるではないか。まだまだ若い者には負けないぞという意思表示か。なるほど、単に馬鹿馬鹿しいだけでなく、不可解な現象の数々はすべて説明できてしまう。 この大仕掛けに比べれば、一族の過去の秘密や島の秘密は、おまけみたいなものだと書いたら怒られるだろうか。動機云々には目を瞑ろう。この一族の運命や如何に。大仕掛けらしく、幕引きも思い切り派手なのであった。 大仕掛けのネタはそうそう思いつくものではないかもしれないが、コロナ禍を吹き飛ばすような作品を読めて、東川さんと東京創元社には心から感謝したい。
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