虎のたましい 人魚の涙 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エッセイ集。起承転結の転が、そこ行く??みたいな、思いもよらないところに飛んでいく話がいくつかあって好き。PCのキーの話から急に田植えの話になったり。「起・承・転!!?・結」みたいな。それでいてちゃんと着地するからすごい。 本の最初の方はクスッと笑えるような、筆者の人となりを窺わせるような軽い話なのだけど、次第に奥深い話になっていく。筆者自身が人生の転換期にある中で書かれた話。本書の掲載順は、時系列なのだろうか。 くどうれいんさんの本を読むのはこれが最初。小説の前に作家さんのエッセイ集を買うというのは初めてのことだった。 もともとは帯コメントが購入のきっかけだったのだけど、思いがけず同郷の作家さんでびっくり。本書もとても楽しく読めたし、よい出会いでした。既刊も続刊も追いかけていきたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても楽しみにしていた新刊、さっそく受け取って、発売日のうちに読み終えてしまいました。 「うたうおばけ」も大好きだけれど、「虎のたましい人魚の涙」は、著者が会社勤めと作家を兼業していた期間ということもあって、お仕事のお話も楽しい。作家の仕事がどんどん増えてきて、常人には想像できないハードな生活をしていたようだけれど、それでも、文筆のクオリティが冴えているのがすごい。幼少期のことや、大学生のときの恋愛の話、銀座のご婦人の話などなど、いろんなエピソードを「よく覚えているなぁ」と感心すると同時に、まとめきっていて無駄がない。朗らかに、時には、やりばのない怒りをまといながら歌い続ける文章。本当に好きです。 書くのが楽しくて楽しくて仕方ないんだろうなぁと思います。次作も絶対買います。
Posted by