虎のたましい 人魚の涙 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
くどうれいんさんのエッセイ。 読みやすくない共感できることもあり、ああそう考えるんだと新たな発見もあり。 ダブルワークから作家一本でやっていくという移行期の葛藤も感じられた。
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まず『虎のたましい人魚の涙』の意味ですが、琥珀には”虎のたましい”という意味があり、”人魚の涙”という別名があるそうです。 『うたうおばけ』を拝読した時もそうだったのですが、くどうれいんさんの文章を拝読していると、高校の時住んでいた盛岡がとても懐かしくよいところだったような気が...
まず『虎のたましい人魚の涙』の意味ですが、琥珀には”虎のたましい”という意味があり、”人魚の涙”という別名があるそうです。 『うたうおばけ』を拝読した時もそうだったのですが、くどうれいんさんの文章を拝読していると、高校の時住んでいた盛岡がとても懐かしくよいところだったような気がしてきます。 くどうさんは「盛岡が好きだ!」とは別にどこにも書いていないのに確かな郷土愛が文章から滲み出ている気がします。 「蠅を飼う」 では、「蠅」なんて全然好きじゃないむしろ大嫌いですが、すっかり「蠅」と家族の一員になっているくどうさんのお家にあたたかさを感じました。 「あっちむいてホイがきらい」 「陶器のような恋」 はどちらも恋の話ですがよかったです。 私はもう恋などと言う年齢ではないのですが、今どきの若い人とはもっと軽い感じで恋をするのかと思いましたが、そうでもなく、でも若者の恋でした。 「とにかくドリアを」 は、ファミレスにドリアを食べに行きたくなりました。 「祝福の速度」 そう、花を買って贈るのは嬉しいことです。 私もだいぶ前ですが、某小説家講座で、作家の先生に贈る花束を、お花屋さんと交渉してコーディネートする役割をずっとやらせていただいていました。あれは楽しかったですね。役得でした。 「わたしはお風呂がだいきらい」 は意外でした。 作家の江國香織さんは大好きで一日中入っているようなことを読んだことがありますが。 読んでいくうちにお風呂が大嫌いな人の理由がよくわかりました。 くどうれいんさんのエッセイは2冊目ですが、今どきの若い人(死語?)にはないゆるぎない個性を持っていらっしゃる方だと思いました。
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もう少しれいんさんからみた世界を味わいたいなーと、うたうおばけから続けて読了。 小さい頃から本や漫画が好きで自分の意思が比較的はっきりしてて、(嫌いな人は特にはっきりといなかったが)なんだかわかるなぁという部分も多くて読んでいて楽しい。 疲れ切った時にもう一度読みたい。
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お気に入りのエピソードがたくさん見つかった! クスッと笑えて、じーんとなって、共感できることもたくさんあった。 エッセイを読んでると、共感できる人もいれば、遠くて新しい出会いができる人もいるけど、れいんさんは近めかもしれない。 ・歌の丘 ・虎のたましい人魚の涙 ・耳朶の紫式部 ...
お気に入りのエピソードがたくさん見つかった! クスッと笑えて、じーんとなって、共感できることもたくさんあった。 エッセイを読んでると、共感できる人もいれば、遠くて新しい出会いができる人もいるけど、れいんさんは近めかもしれない。 ・歌の丘 ・虎のたましい人魚の涙 ・耳朶の紫式部 ・陶器のような恋 ・祝福の速度 が特に好きだったかな。 2024年2月の文庫本版あとがきに書かれた、れいんさんがこんな人に読んで欲しい!と書いている人物像が、まさに私過ぎて、「出会えて良かった!れいんさんもそう思ってくれているなら嬉しい」って思った。笑
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表題作が良かった。 あと蝿を飼うも良かった。 キートン山田の話も良かった。 お父さんのうどんの話も良かった、と書いてから、ページをめくるけど、該当のはなしがどれか分からない。 愛されて育ってるなぁと感じたし、ストレスってやっぱり太るよね?ストレスで痩せるひとが羨ましい!と思ったの...
表題作が良かった。 あと蝿を飼うも良かった。 キートン山田の話も良かった。 お父さんのうどんの話も良かった、と書いてから、ページをめくるけど、該当のはなしがどれか分からない。 愛されて育ってるなぁと感じたし、ストレスってやっぱり太るよね?ストレスで痩せるひとが羨ましい!と思ったのに。
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日常の切れ端を、過去の自分の経験や家族や友人とのやりとりをまじえて書かれていておもしろい。ひとの人生を垣間見てる、見させてもらってる感じ。 嬉しいことだけじゃなくて、悲しさややるせなさや怒りみたいな負の感情も包み隠さず書かれていて、さらけだしたような、等身大な、くどうさんを見てい...
日常の切れ端を、過去の自分の経験や家族や友人とのやりとりをまじえて書かれていておもしろい。ひとの人生を垣間見てる、見させてもらってる感じ。 嬉しいことだけじゃなくて、悲しさややるせなさや怒りみたいな負の感情も包み隠さず書かれていて、さらけだしたような、等身大な、くどうさんを見ているようで、会ったこともないけどきっといい人なんだろうなと好感が持てます。 本のタイトルにもなっているおはなしが特に好きでした。 やっぱりくどうれいんさんの感性は肌に合うなぁと思うし、好きだなとしみじみ思えた一冊でした。
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図書館の本① エッセイは「続きが気になる!」とはあまりならないけれど、誰かの生活とか記憶、感情を傍観、または疑似体験しているような気持ちになるところが好き。 著者の何気ない出来事の中でも、感受性豊かな思考や、感覚を言葉にする言語化力が魅力的。
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文章のなかに私との重なりを探して、だいたい私だ、と思おうとする自分に気がつく。単位展でありボロディンで、花の好きなところと、お風呂のせいで反抗期に引き戻される自分。 じゃがりこの席だ、と思いながらバスの1番後ろに座って、主人公の気分を味わう。 本屋が開いている時間に仕事から帰れ...
文章のなかに私との重なりを探して、だいたい私だ、と思おうとする自分に気がつく。単位展でありボロディンで、花の好きなところと、お風呂のせいで反抗期に引き戻される自分。 じゃがりこの席だ、と思いながらバスの1番後ろに座って、主人公の気分を味わう。 本屋が開いている時間に仕事から帰れる人たちを、少々呪う。 日常に隠れる隙間の感情を言語化してくれる、くどうさんと話してみたい。
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言葉のリズムが取りやすい。やり場のないどうしようもない気持ちも掬い取った文章は、あんまり直視したくない自分の気持ちにも似ていた。
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初めて読んだ、れいんさんの作品。 読みやすくて、さくさく読めました。擬音語が多く感じて、 面白い文章です。共感できることもたくさん、ありました。 「祝福の速度」「うどんオーケストラ」が特に好きです。
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