名探偵のいけにえ の商品レビュー
独自の価値観で生きる宗教団体内で起こった連続殺人。 探偵は「信仰者」と「余所者」それぞれの立場からの推理を展開するという「特殊設定&多重解決ミステリ」。 この強引な設定に感心するか乗れないかはわかれそう。 こういう複雑な設定にありがちな必要以上の難解さがなく、比較的シンプ...
独自の価値観で生きる宗教団体内で起こった連続殺人。 探偵は「信仰者」と「余所者」それぞれの立場からの推理を展開するという「特殊設定&多重解決ミステリ」。 この強引な設定に感心するか乗れないかはわかれそう。 こういう複雑な設定にありがちな必要以上の難解さがなく、比較的シンプルな筋立てはよかった。 人死にすぎw 本作より先に出た姉妹篇らしい『名探偵のはらわた』が未読なので必ず読む。
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姉妹作と謳っているけど、前日譚なので『名探偵のはらわた』を読んでからだと興奮度合いが全然違うはず。 ここが印象深い ・Q=浦野灸 ・浦野と大塒の再会が叶わなかったこと (浦野が日本で探偵を始めるのが1985年で、この時点で大塒の懲役が34年。浦野が亡くなったのが2015年) 疑問 ・レイの犯行動機と犯行トリックの矛盾? レイはジムの予言を信じる狂信者であるはず なのに、犯行は正常な人物の目線でなされている (信者は怪我を知覚できないし、ないものはあるように、あるものはないように見えているはずなのに) もしかしたら本文中に書かれていたかもしれないけど、分からなかった…。あまり気にする部分じゃないのかも。
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吐物を げぼ と言っている部分にとても違和感を覚えた。口の悪い探偵だとしても、大人がその様に吐物を言うのは、あまりにも幼稚な表現だと思い、とても残念な気持ちになったし気分が悪くなった。 全体の話の展開がとても面白かったから、余計勿体ないと感じてしまった。
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名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件― 白井智之/著 病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!奇蹟VS探偵! ロジックは、カルトの信仰に勝つことができるのか? 2023年の「このミステリーがすごい!」ランキングで2位に選ばれた本作、当時の1位が「爆弾」4位が「方舟」である事を考えるとこの作品が如何に凄いか想像つくのでは?本作の一番のポイントは宗教団体の村で起きる密室や人体切断、謎の服毒殺人等の事件が現実では不可能犯罪となりますが、奇跡を信じている信者達にとってはただの奇跡に過ぎないと言う信仰と現実の乖離です。犯人を見つけた所で独立国家ともいえるその村では法で裁く事は出来ない。しかも集団催眠に掛かってる村人は奇跡を信じており、怪我、事故、事件はこの村では起こり得ないと信じており、その強い信仰心が集団幻覚を見せていて、外界から来た探偵達はむしろ自身の方が異物、部外者非常識となっているのです。密室で殺人→奇跡・服毒殺人→天罰 となるともうなんも言えねぇーって感じ。事件を解決する方法はただ一つ。奇跡を前提とした信者全員を納得させる推理を行う事と現実の不可能犯罪として推理を行う事、この両方が必要なのです。そのせいで解決編が本の3分の1くらい・・いや半分くらいあるんじゃないかと思う程の筆量なのです。さらにさらに全てを解決して尚起こる大どんでん返し・・・もはや凄すぎます!! 私が特に感銘を受けた点は題名ですね、一体何が!誰が?名探偵のいけにえなのか?名探偵がいけにえなのか?・・それは読めば解ります、なるほど確かに本書が「名探偵のいけにえ」なんだと言う事を・・・兎にも角にも皆様方怪しい宗教勧誘にはくれぐれもご注意下さい、その村に一歩足を踏み入れると後悔する事にもなるかも知れませんよ・・・・・
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間違いなく本格ミステリの傑作。ただ恐ろしい数の死者がでた実在の事件を下じきにしているせいか、読んでいる間も気分が沈みこむことが多く、あまり楽しいと思える読書にならなかったのが少し残念。だがこれは完全に好みの問題なので、本格ミステリ好きの人にはおすすめしたい一作だ。 読み終わった直後は気づかなかったのだが、最後の最後であかされる「名探偵のはらわた」とのつながりに気がついた瞬間に一気に心が締めつけられ、期せずして二段階の衝撃をうけることとなった。(思わず「名探偵のはらわた」を本棚から出して確認したほど。)
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20230120予約。20230716受取。 2023年のこのミス2位なのよ~。 いきなり教祖による信者の大量殺人。 大塒(おおとや)は探偵で、失踪した助手のりり子を探しにジョーデンタウンへ。ついたとたん、同行したルポライターが銃殺される。同行した調査団のメンバーが次々殺される。りり子の推理、大塒の推理、真実はひとつ。 グロ少なめ。げぼ。
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私が宗教とか信仰とか全く無い人種なので、いまいちストーリーに最後まで入り込めなかったし、大量虐殺のその真意も理解はしたものの納得出来なかった。良くある二転三転もののようだけど、個人的には胸が惹かれるような展開じゃなかった。ただ、ストーリー自体はすごく読み進めやすかったです。 あと...
私が宗教とか信仰とか全く無い人種なので、いまいちストーリーに最後まで入り込めなかったし、大量虐殺のその真意も理解はしたものの納得出来なかった。良くある二転三転もののようだけど、個人的には胸が惹かれるような展開じゃなかった。ただ、ストーリー自体はすごく読み進めやすかったです。 あと、タイトルの真意はなるほどと思えたかな。
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多重解決推理もの初めて読んだんですが面白かった でも仮にも幼馴染で長い付き合いの乃木が死んだことをあまりにも気にかけないの何!?という怒りが一点と 大塒がりり子に捧げる殺人を作中では「名探偵のいけにえ」としているが、りり子の死に基づく事件の解決によって大塒が(逮捕されていなければ)"名探偵"の称号を得たのも「名探偵のいけにえ」であり、Qの名前を明かすことで本作が前作の"名探偵"のためのお膳立てであり大塒とりり子の存在は彼らに親愛を抱いていた読者の感情を含めて「名探偵のいけにえ」であったと悟るラストもうまさに唸ると同時に怒りが湧くのが一点 いけにえから読んだ人間は今作の2人に肩入れしちゃうから
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宗教団体で起こる殺人事件を探偵が解決する話。こちらの予想をどんどん裏切っていく、良い意味か悪い意味かは最早分からぬ。一体次は何が起こるのか、と先の読めなさが圧倒的すぎる。そしてラストで繋がる「名探偵のはらわた」もう一度こちらも読み返したい。
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名探偵と言われた男の死、カルト教団の集団自殺、優秀な探偵助手の女性の死。いくつもの要素が絡み合い、複数の立ち場による複数の視点からの捉え方や受け止め方があり、酷く込み入った物語になっている。 だが、根本にあるのは愛かもしれない。
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